第45号 - 聖心女子大学

第 45 号 2015 年9月
学生相談室ニュース
発行: 聖心女子大学 ・ 健康サービスセンター ・ 学生相談室
学生相談室 場所: 1 号館 3 階 ℡ 03-3407-5811 内線 269
開室時間: 月~金曜日 10:30 ~ 16:30
談話室開室時間:月~金曜日 10:40~15:10
大学公式ホームページから予約申込みができます: 学生相談室 → 利用案内 → 相談の申し込み
一人でいられること、人と共にいられること
学生相談室長
鈴木 乙史
自分自身や家族などの人間関係に大きな問題もなく、一見スムーズに暮らしているような人
であっても、何かが引っかかって気持ちが整理できないことや、悲しさや怒りで心が乱れる時
が必ずあると思える。そのような時には、どのように対処しているのだろうか?
そのような自分にとっての深い思いや出来事を、多くの場合、誰にも語ることをせずに、時
と共にただ流れ去らせているのではないだろうか。一人でいることや、一人で耐えることも必
要であろう。ただ、共にいる他者に心の内を何も語らず、また聴いてもらえることすら期待せ
ずに、表面的に人と接することがあたかも人と共にいることならば、共に喜び共に悲しむとい
った、共に生きる世界は見いだせないであろう。
人と共にいられることは、一人でいられることと同じく大切であって、両方が揃うことによ
って人生は豊かになると思われる。
学生相談室は、学生諸君が話をしに来てくれることを期待しています。どのような話であっ
ても、歓迎します。また学生諸君が参加できるいくつかのワークショップを開催していますし、
自由に使える談話室もあります。どうぞ、一度は来室して下さい。
学生相談室のプライバシーの遵守について
<守秘義務> 学生相談室で相談者が話した内容についての秘密は守られます。
<関係者からの問い合わせ> 関係者からの相談者に関する問い合わせには原則として応じて
いません。
<例外> 生命、身体の安全に関わる時、他者の権利を著しく害する時は、この限りではありません。
個性豊かな底力を信じて
新井 有紀子
新学期を迎えました。どのような夏休みをお過ごしになりましたか。皆さんそれぞれさまざまな
体験をした夏休みであったことと思います。帰省し気心の知れた人に再会したり、サークルや部活
の合宿に参加し仲間との絆が深まったり、希望する企業から内定を得られたり・・・楽しい事や嬉
しい事がたくさんあったことだと思います。でももしかしたら、就活や卒論に行き詰まったり、お
友達とギクシャクした関係になってしまったり、また家族との関係で悩んだり、傷ついたり、大切
なものを失ったり・・・そんなことを経験した人もいるかもしれません。
これは詩人の谷川俊太郎さんが東日本大震災に寄せて詠まれた詩です。この詩には“言葉”にの
せて、絶望から立ち上がる人々の強さや願いが込められているように思います。
皆さんも毎日の生活の中で色々な経験をし、時には悲しいことや苦しいこと、どうしたらよいか
困り果ててしまい言葉を失うような場面に遭遇することがあると思います。震災に比べれば大した
ことない、という人もいるかもしれません。でもそんなことはありません。その本人にとってはと
ても苦しく大変なことだと思います。そんな時、落胆し話すことも億劫と感じるほど元気をなくし
てしまったり、またどう言葉で表していいのかわからなくなってしまうこともあると思います。
しかし皆さん一人ひとりにも出身地や生育環境、文化や風土、家族や仲間など、今まで培ってき
たその人らしい“言葉”が、この詩のように一人ひとりあると思います。誰でも大変な時は先のこ
とや周りが見えなくなってしまいます。でも、少しずつでも周囲が見えるようになってくると、そ
れぞれの持つ個性豊かな力に裏打ちされた“言葉”を待っていてくれる人々や環境があることに気
づくことができるようになってくることと思います。目の前が真っ暗で辛く苦しくても、ゆっくり
であっても、今ある自分の力を信じ、1 日 1 日を過ごしていくことはとても大切なことなのではな
いかとこの詩に触れ、改めて思いました。
学生相談室も皆さんひとりひとりの思いや言葉を大切にし、言葉にできない思いを一緒に考えそ
れを表現するお手伝いができたらと思っています。相談室は皆さんの“言葉”が主役となっている
場所です。何かの時は相談室のドアをノックしてみてください。
出
典
:
「
こ
こ
ろ
」
谷
川
俊
太
郎
著
朝
日
新
聞
出
版
沈
黙
に
裏
打
ち
さ
れ
て
新
た
な
意
味
へ
と
悲
し
み
ゆ
え
に
深
ま
る
苦
し
み
ゆ
え
に
蘇
る
言
い
古
さ
れ
た
言
葉
が
途
切
れ
が
ち
な
意
味
走
り
書
き
の
文
字
昔
な
が
ら
の
訛
り
瓦
礫
の
下
の
大
地
か
ら
言
葉
は
発
芽
す
る
ひ
と
り
ひ
と
り
の
心
の
底
で
流
さ
れ
な
か
っ
た
言
葉
は
壊
れ
な
か
っ
た
言
葉
ま
で
失
っ
た
が
何
も
か
も
失
っ
て
言
葉
谷
川
俊
太
郎
「物語」と心の癒し
石田 さやか
「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。
サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。
シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」
(梨木香歩「西の魔女が死んだ」より)だ」より)
これは、私の大好きな物語、
「西の魔女が死んだ」の中の一節です。不登校になってしまった
“まい”が、おばぁちゃんとの生活の中で生きるために必要なエッセンスを学び、自分らしく生
きられるようになるストーリーです。
当時、私は小学校に勤めており、まいと同じように学校へ行けなくなってしまった子どもと毎日
関わっていました。人生にはきっとこんなふうに、前へ進めなくなってしまうことが誰でもあると
思います。けれどその時間こそが心を大きく育ててくれる時間になるのだと、この物語は教えてく
れました。そして物語の中に出てくる「自分で決める」ということが、いかに大切かということも。
7月に芥川賞を受賞したピースの又吉さんも、こんなことを言っています。
「読書とは言葉にならなかった感覚の発見と確認作業である」と。
皆さんは、
「好きな物語は何ですか?」と聞かれて、思い浮かぶ本や映画がありますか??
小さい頃好きだったおとぎ話、
何度も見てしまう大好きな映画、
大人になって出会った大切な一冊。
本であれ、映画であれ、好きな物語には、きっと皆さんにとっての大切なメッセージが隠されてい
るように思います。
学生相談室は皆さんが生きてきた物語、今生きている物語を語る場でもあります。後期も皆さん
が学生生活を安心して送れるよう、お手伝いしていきたいと思います。
談話室のご案内
学生相談室には、学生の皆さんが、ゆっくり静
かに過ごすことができる談話室があります。授業
の合間に休んだり、レクや学食に行く気分ではな
いお昼時などに、ぜひご利用下さい。レポートを
まとめる時のホッチキス、のり等の文具もありま
す。
開室時間:月曜日~金曜日
10 時 40 分~15 時 10 分
調理と栄養指導のワークショップのレシピ紹介
学生相談室では毎年、一人暮しを始めた新一年生のために、調理と栄養指導のワークショップ
を実施しています。昨年のワークショップから簡単で栄養満点のスープのレシピをご紹介いたしま
す。(香川栄養学園香友会 古川知子先生のレシピより)
★ミネストローネスープ★
材料(1 人分)
作り方
きゃべつ・・・・・・・・・・葉 1 枚(60g)
玉ねぎ・・・・・・・・・・・1/2 個(100g)
にんじん・・・・・・・・・・1/4 本(50g)
セロリ・・・・・・・・・・・1/4 本(50g)
トマト缶(カットタイプ)
・・100g
じゃがいも・・・・・・・・・大 1 個(150g)
ベーコン・・・・・・・・・・2 枚
オリーブ油・・・・・・・・・大さじ 2
にんにく・・・・・・・・・・1 かけ
水・・・・・・・・・・・・・5.5 カップ
ブイヨンキューブ・・・・・・1 個
塩・こしょう・・・・・・・・少々
① 野菜・じゃがいも・ベーコンは 1cm 角の色紙切
りにする。じゃがいもは水につけておく。にん
にくは包丁の刃元でつぶして刻む。
② 鍋を中火にかけ油を熱し、にんにく・ベーコン・
玉ねぎ・にんじん・セロリの順に炒める。
③ 水・ブイヨンキューブ・トマト缶を加え、沸騰後
10~15 分煮る。
④ じゃがいもを加えてさらに 10~15 分煮る。
⑤ じゃがいもが柔らかくなったら、味をみて、塩・
こしょうを加え味を整える。
クリスマスリースワークショップのお知らせ
今年も、学生相談室にてクリスマスリース作りのワークショップを開催しま
す。11 月 18 日(水)、19(木)、25(水)、26(木)、12 月 2 日(水)、3 日(木)、9
日(水)、10 日(木)、16 日(水)、17 日(木)のお昼休みに開催します。初回の
みは上記いずれかの日にご来室ください。2 回目以降は空いている時間に
作業していただけます。ご興味のある方は学生相談室までいらしてくださ
い。みなさまのご参加をお待ちしています!