インドネシア - ワールド・ビジョン・ジャパン

IDN – 170711
インドネシア
正式名称は「インドネシア共和国」。
東南アジア南部に位置し、東西に長く世界最大
の島嶼を有し、島々によって構成される共和制国
家である。海を挟んで北から東へフィリピン、パラ
オ、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、イ
ンドと近接するほか、ティモール島で東ティモー
ル、カリマンタン島でマレーシア、ニューギニア島
でパプアニューギニアと、陸上で国境を接してい
る。
日本からは…
首都ジャカルタまで直行便にて約 8 時間かかります。
一口メモ
・国土は日本の約 5 倍
・世界第 4 位の人口、その半分以上が
ジャワ島に集中している
・環太平洋火山帯の一部を構成してお
り、全土に無数の火山がある
民
族
インドネシアはジャワ人が主で、インドネシア語を公用語としていますが、地域
により語彙や文法が異なる 583 以上の会話言語が使われています。インドネシ
ア全土では、国民の約 85%がイスラム教徒で、キリスト教徒約 8%、ヒンズー教
徒約 2%と続き、仏教徒のほか原始宗教を信じている人々もいますが、プログラ
ム地域ではイスラム教徒が主流です。
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ススカン地域開発プログラム
首都のジャカルタから東に約 40 キロ、車で約 2 時間程に位置する東ジャカル
タ市、チラチャス郡で、ススカン地域開発プログラムを実施しています。
インドネシア共和国
ススカン
地域開発プログラム
ジャカルタ
●
支援期間:1996 年~2015 年**
支援地域:東ジャカルタ市 チラチャス副郡
ススカン村・チラチャス村
**支援期間はプログラム準備期間を含みま
す。支援終了予定日や活動の目標は、予期し
ていない突発事項やプログラムの進捗状況に
より、変更される場合があります。
地域の課題
● 仕事につけず、安定した収入が得られません
農村部からよりよい収入を求めて都市部に移住した人々も多く、安定した収入
が得られる仕事自体を探すことが難しい状況です。ビジネスをする機会や資金が
なく、日雇い労働など、労働時間や内容、賃金ともに一定しない不規則な中で、貧
しい生活から抜け出せない人々が多くいます。
● HIV/エイズが若者の間に広がっています
ジャカルタ市では、薬物使用による注射針の使いまわしから、HIV 感染率が若
者の間に蔓延しています。特に 20 代の感染率が最も高く、また 10 代でも高い感
染率を示しており、薬物利用と HIV 感染は切り離せない大きな問題となっていま
す。
● 多くの子どもたちが栄養不良です
基礎的な保健知識に加え、子どもたちの成長に必要な栄養についても多くの
人々は理解していません。収入が安定しない状況では、毎日、十分な食糧を得る
ことも難しいです。
地域には、その他さまざまな課題が山積しています。
地域開発プログラムを通し、こうした課題を少しずつ改善し、子どもたちが心身ともに
健やかに成長できる環境づくりを目指していきます。
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データでみるインドネシア
比べてみると…
新生児死亡率 ※①
5歳未満児死亡率 ※②
低体重児出生率
安全な水へのアクセス率
衛生施設利用率
成人の総識字率
出生時の平均余命
GNI(1人当たりの国民総所得):米ドル
インドネシア
17人
35人
9%
80%
52%
92%
69歳
2,580
日本
1人
3人
n/a
100%
100%
n/a
83歳
42,150
※① 出生時から生後 28 日以内に死亡する確率。出生 1,000 人あたりの死亡数で表す
※② 出生時から満 5 歳に達する日までに死亡する確率。出生 1,000 人あたりの死亡数で表す
出典:ユニセフ世界子供白書 2012 より
・新生児死亡率は
日本の 17 倍
・5 歳未満死亡率は
日本の約 11 倍であること
・衛生に関する情報が少ないこと
・GNIは日本の約 1/16
データから読み取れるだけでも、
多くの課題が見えてきます…
ワールド・ビジョンでは、子どもた
ちを取り巻くこうした課題に、“地
域開発”という観点から取り組ん
でいます。
困難な日々の暮らしの中で、子どもたちが元気に過ご
せることは、地域の人々の共通の願いです。写真は幼
稚園に集まった子どもたち。活動を通じて就学前教育の
重要性を、人々に伝えています
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自立した生活を目指して
日々の生活で食糧が十分に得られ
ない家庭環境では、高等教育を受け
られない子どもたちがいます。家計を
少しでも助けるために、道端で物売り
や物乞いをして日銭を稼ぐ子どもたち
も現実にいるのです。プログラムを通
して、安定した収入が得られるよう、
必要となる知識や技術を学べる研修
や融資などを行っています。
ジャカルタ市のような大都会の道端での物売りは、時に危険
が伴う上に収入もわずかです。プログラムでは、子どもたち
が将来にわたり自立した生活が営めるよう、役立つ知識や
技術を学ぶ機会をつくっています
子どもたちを取り巻く貧困がもたらすもの
ジャカルタ市に住む世帯の約 4.29%、プログラ
ム地域では約 6.5%が貧困ライン以下(1 日 1 ドル
以下)の生活であると言われています。インドネ
シアにおける一人当たりの所得が約 2 千ドルと
いわれる中で、地域の人々の生活はより厳しい
状態であることが推察されます。実際、地域の約
23%の子どもに栄養不良が認められ深刻な問題
となっています。
さらにインドネシア国内で、ジャカルタ市の HIV
感染者数は最も多く、主な感染原因は薬物を使
用する際の注射針の使いまわし(約 73%)である
と指摘されています。20 代の感染率が最も高く、
また 10 代でも高い感染率を示しており、薬物利
用と HIV 感染は切り離せない大きな問題となって
います。ジャカルタ市の東に位置するプログラム
地域では、子どもたちへの悪影響を減らすため、
プログラムを通じて薬物使用や HIV 感染につい
て理解を深める研修などを行っています。
狭い通路の両脇には、びっしりと家が連なっています。狭
い通路は料理、洗濯の共同作業場ともなり、さまざまなも
ので溢れています。共同の場をきれいに安全に保つこと
も、公衆衛生の一環として取り組んでいる課題の1つです
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