第3章 第1節 踏切道における交通の安全 踏切事故のない社会を目指して 踏 切 事 故 ( 鉄 道 事 故 の う ち 、 踏 切 障 害 事 故 及 び こ れ に 起 因 す る 列 車 事 故 を い う 。) は 、 長期的には減少傾向にありますが、全国的には、鉄道事故全体の4割弱を占めています。 こうした現状を踏まえ、引き続き、踏切事故防止対策を総合的かつ積極的に推進してい く必要があります。 1 踏切事故の状況等 ( 1) 県 内 に お け る 踏 切 事 故 の 状 況 県 内 の 踏 切 事 故 の 件 数 は 、 平 成 25年 度 に 9 件 発 生 し た ほ か は 、 平 成 23 年 度 に は 2 件 、 平 成 24 年 度 に は 5 件 、 平 成 26 年 度 に は 4 件 と ほ ぼ 横 ば い と な っ て い ま す 。 負 傷 者 数 は 、 平 成 24 年 度 に ゼ ロ と な っ た 後 、 平 成 25 年 度 に は 5 人 、 平 成 26 年 度 には2人と減少しています。 ま た 、 死 者 数 に つ い て は 、 平 成 23 年 度 か ら 平 成 26 年 度 の 間 の 発 生 は 1 ~ 2 人 と な っています。 踏切事故を減少させるには、踏切道の改良等の安全対策を積極的に推進することが 必要であり、改良するべき踏切道がなお残されているのが現状です。 (人・件) 群馬県内の踏切事故件数等 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 平成23年度 平成24年度 件数 平成25年度 死者数 平成26年度 負傷者数 (関東運輸局鉄道部安全指導課資料) ( 2) 近 年 の 県 内 に お け る 踏 切 事 故 の 特 徴 ① 原因別の発生状況 年度 直前横断 側面衝突等 23 1 0 24 1 1 25 7 0 26 2 1 合計 11 2 (件) 落輪・停滞等 その他 合計 1 0 2 1 2 5 2 0 9 1 0 4 5 2 20 (関東運輸局鉄道部安全指導課資料) 原因別では直前横断によるものが半数以上 ② 衝突物別の発生状況 年度 自動車 自転車 23 2 0 24 3 0 25 6 0 26 2 0 合計 13 0 (件) 歩行者 その他 合計 0 0 2 2 0 5 1 2 9 2 0 4 5 2 20 (関東運輸局鉄道部安全指導課資料) 衝突物別では、自動車との衝突が約7割 ③ 踏切種別の発生状況 年度 第1種 23 1 24 3 25 6 26 4 合計 14 (件) 合計 0 1 2 0 2 5 0 3 9 0 0 4 0 6 20 (関東運輸局鉄道部安全指導課資料) 踏切種類別では、第1種踏切が約7割 (第1種踏切:昼夜を通じて踏切警手が遮断機を操作している踏切道 又は自動遮断機が設置されている踏切道) 2 第3種 第4種 交通安全計画における目標 踏切事故件数 ゼロ 踏切事故は、県内における鉄道事故の7割弱を占めています。 こ う し た 現 状 に 鑑 み 、踏 切 道 に お け る 交 通 の 安 全 を 図 る た め 、県 民 の 理 解 と 協 力 の 下 、 各種諸施策を総合的かつ積極的に推進することにより、踏切事故件数「ゼロ」を目指し ます。 第2節 1 2 踏切道における交通安全の対策 今後の踏切道の交通安全対策のポイント 踏切道における交通安全対策については、踏切事故の件数及び死傷者数はほぼ横ばい であり、これまでの交通安全計画に基づき推進してきた施策について、継続的に推進す る必要であると認められます。 踏切事故は、一たび発生すると多数の死傷者が出るなど重大な結果をもたらします。 現状では、踏切保安設備の整備、交通規制、統廃合、立体交差化、構造改良等の対策 を実施すべき踏切道がなお残されているため、それぞれの踏切道の状況等を勘案し、効 果的な対策を総合的かつ積極的に推進する必要があります。 踏切道の交通安全対策の体系 踏切事故のない社会を目指して ○ 改良すべき踏切道がなお残されており、 引き続き踏切事故防止対策を推進 踏切道の交通安全についての目標 ◎ 踏切事故件数 ゼロ 踏切道の交通安全についての対策 <今後の踏切道の交通安全対策のポイント> ● 踏切道の事故防止 <講じようとする施策> [Ⅰ ] 1 [Ⅱ ] 1 2 3 鉄道事業者が主体 踏切保安設備の整備及び交通規制の実施 道路管理者と鉄道事業者が連携 踏切道の統廃合の促進 踏切道の立体交差化及び構造改良の促進 その他踏切道の交通の安全と円滑化を図るための措置 3 講じようとする施策 [Ⅰ ] 鉄 道 事 業 者 が 主 体 (1) 踏 切 保 安 設 備 の 整 備 及 び 交 通 規 制 の 実 施 a 踏切遮断機の整備されていない踏切道の利用状況、幅員、交通規制の実施状 況等を勘案した着実な踏切遮断機の整備 b 運行本数が多く、かつ列車の種別等により警報時間に差が生じている遮断時 間の長い踏切に関して、必要に応じた警報時間制御装置の整備等の推進による 踏切遮断時間の短縮 c 道路交通状況や事故発生状況等を勘案し、必要に応じて障害物検知装置、オ ーバーハング型警報装置、大型遮断装置等事故防止効果の高い踏切保安設備を 整備 d 道路交通量、踏切道幅員、踏切保安設備整備状況、う回路状況等を勘案し、 必要に応じて自動車通行止め、一方通行等の交通規制の実施と道路標識等の大 型化、高輝度化による視認性の向上 [Ⅱ ] 道 路 管 理 者 と 鉄 道 事 業 者 が 連 携 (1) 踏 切 道 の 統 廃 合 の 促 進 a 踏切道の立体交差化、構造改良等の事業実施に伴う近接踏切道の原則統廃合 を推進 (2) 踏切道の立体交差化及び構造改良の促進 a 歩行者の安全対策のための歩道が狭隘な踏切等の構造改良の推進 b 遮断時間が特に長い踏切等で、かつ道路交通量の多い踏切道が連担している 地区等における連続立体交差化等による踏切道の除却の促進 c 構造改良による「速効対策」と立体交差化の「抜本対策」との両輪による総 合的な対策の推進 (3) その他踏切道の交通の安全と円滑化を図るための措置 a 車両等の踏切通行時の違反行為に対する積極的な指導取締り b 自動車運転者や歩行者等の踏切道通行者に対する安全意識の向上及び踏切支 障時の非常ボタン操作等の緊急措置の周知徹底を図るための広報活動等の強化 c 踏切道に接続する道路と踏切道との間の幅員に差を生じさせない措置
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