現代女性にとってのOCとLEP

愛知医科大学医学部 産婦人科学教室 主任教授 若槻
明彦 先生
OCとLEPの違い
OC(Oral Contraceptives)は、女性が主体的に避妊できる避妊薬として1999年に発売され、
女性の QOL向上に貢献してきました。
また、OCは避妊効果以外に、月経痛改善、月経量減少、月経前緊張症/月経前気分不快障害の
症状改善、にきび・多毛症改善、卵巣癌・卵巣癌リスク低下などの副効用があることが知られ
ておりました。
そのため、OCと同じ成分の薬剤が月経困難症の治療薬として2008年、2010年に発売され、
避妊薬のOCと区別するためにわが国では月経困難症の治療薬のことをLEP(Low dose
Estrogen Progestin)と呼ぶようになりました。
産みたいときに産むためのOC
万
5千
6万
5万
7万
万
万
万
万
現代女性の生き方は様々です。学業や就職、結婚、出産といったライフイベントをどのように
選択するかは個人の考え方で変わります。
加齢による卵巣における原子卵胞数の減少
そのなかでも特に女性にとって大きいライ
フイベントである出産は、人生を左右する
(個)
200万
大きな要素とも言えます。
10⁶
子供を産むか産まないか、産むならいつ産
43
38
32
10⁵
19
むかを早いうちからしっかり考えることは
12
とても大切なことです。
10⁴
将来出産を希望される女性は、自分の体の
胎生
11 15 21 26 31 36 41 46 51 56 61 68
状態や産める時期も考慮しつつ、OCと上手
に付き合いながらライフプランを実現させ
10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 62 70(歳)
てください。
Block E. Acta Anat (Basel) 1952; 14(1-2):108-123
原子卵胞数
∼
∼
∼
∼
∼
∼
∼
∼
∼
∼
∼
∼
6∼
0 ∼5
現代女性にとってのOC [ 低用量経口避妊薬 ]と
LEP [ 低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬]
監修
月経トラブルとLEP
現代女性は、昔の女性に比べて出産回数が減ったため月経のある期間が長くなり、その結果、
月経に関するトラブルも増えてきています。
月経には女性ホルモンが関わっており、そのホルモンバランスは身体的・精神的な影響を与え
ます。
月経トラブルは誰にでもあるものですが、なかには病気が隠れていることもあります。
月経痛などはLEPなどで治療もできますので、心配なことがあれば早めに婦人科で相談し月経
と上手に付き合いましょう。
月経のある期間 …
カラダの症状
昔の女性
20代
出産
出産
30代
出産
40代
出産
現代の女性
20代
30代
出産
出産
40代
出産
出産
●
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●
●
●
●
●
頭が痛い・重い
肩こり
乳房が張る
お腹が痛い・
張る・重い
腰が痛い・重い
便秘
下痢
●
●
●
●
●
●
●
むくみ
肌荒れ
眠い・眠れない
吐き気
発熱
ほてり
疲れやすい
ココロの症状
● イライラする
● 食欲が増す
● 集中できない
● 無気力
● 気分が落ち込む
現代女性にとってのOCとLEP
OC/LEPは適正に使用されれば女性の健康維持やライフプランに役立つものです。
またOC/LEPは医師の処方が必要な薬剤です。
日頃から婦人科のパートナードクターと相談しながら、あなたに合う選択肢を見つけてくだ
さい。
OC/LEP服用前のチェックシート □
OC/LEP製剤を正しく使用していただくためのチェック表です。
OC/LEPは医師が処方する薬ですので、服用する時は産婦人科の医師に相談しましょう。
記入日:西暦 20 年 月 日
氏名 年齢 歳
身長 cm
血圧 / mmHg(測定してお待ちください)
体重 kg
BMI( :こちらで計算します)
最後に月経があったのはいつですか? 西暦 20 年 月 日から 日間
不正性器出血がありますか? はい
いいえ
妊娠中または妊娠している可能性がありますか?
はい
いいえ
現在授乳中ですか?
はい
いいえ
喫煙しますか? はい
いいえ
はい
いいえ
はい
いいえ
現在、医師の治療を受けていますか?
「はい」の場合 ➡ 病名は何ですか?( )
はい
いいえ
今までに入院や手術などを要する大きな病気にかかったことがありますか?
「はい」の場合 ➡ それは何の病気ですか?( )
はい
いいえ
「はい」の場合
➡1日 本
激しい頭痛や片頭痛、目がかすむことがありますか?
「はい」の場合
➡
前兆を伴わない 前兆(目がチカチカする等)を伴う
ふくらはぎの痛み、むくみ、突然の息切れ、胸の痛み、激しい頭痛、失神、目のかすみ、
舌のもつれなどがありますか?
以下の病気と言われたことがありますか?
深部静脈血栓症
心臓弁膜症
子宮頸癌
てんかん
肺塞栓症
高血圧
子宮体癌
テタニー
抗リン脂質抗体症候群
糖尿病
乳癌
クローン病
脳血管障害
脂質代謝異常(高脂血症)
耳硬化症
潰瘍性大腸炎
冠動脈疾患
胆嚢疾患
ポルフィリン症
流産・死産を繰り返したことがありますか?
はい
いいえ
妊娠中に妊娠高血圧症候群、あるいは妊娠中毒症といわれたことがありますか?
はい
いいえ
現在、お薬やサプリメントなどを服用していますか?
はい
いいえ
今までに OC または LEP を服用した経験はありますか?
はい
いいえ
今までお薬を使用してアレルギー症状(じんましん等)が現れたことがありますか?
「はい」の場合 ➡ それは何というお薬ですか?( )
はい
いいえ
過去 2 週間以内に大きな手術を受けましたか?今後 4 週間以内に手術の予定がありますか?
はい
いいえ
ご家族に血栓症にかかったことのある方はいますか?
はい
いいえ
ご家族に乳がんにかかったことのある方はいますか?
はい
いいえ
「はい」の場合 ➡ それは何というお薬ですか?( )
「はい」の場合 ➡ それは何というお薬ですか?( )
その他、自分の身体のこと、あるいは OC または LEP について心配なことや何か知りたいことなどがありましたらご記入ください。
出典:日本産科婦人科学会 低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬ガイドライン 2015年度版
あなたの健康維持やライフプランを考えるとき、
OC/LEPを一つの選択肢として考えてみて下さい。
(201602)TRQ-3.0/50束(RM/DI)
L.JP.MKT.WH.12.2015.0431
資材記号
TRQ-16-1002
2016年2月作成