表紙の画賛と作者について(P38)(PDF:243 KB)

出光レポート 2015
表紙の画賛と作者について
黄初平鞭羊為石画賛
鞭羊為石
鞭石為羊吾
執其鞭試
鞭二黄
羊を容易に石に変える
仙術を身につけた中国・
晋時代の仙人、黄初平と
その兄、黄初起を描いて
い ま す。た だ し、賛 で は
仙術を黄兄弟に使うとど
うなるだろうとなってい
ま す。仙 厓 は、仙 術 で も
変わらぬ普遍の真実を問
うているようです。
仙厓(1750 ∼ 1837 年)
美濃国で生まれ、地元の清泰寺(せいたいじ)や武蔵国の東輝庵(と
うきあん)において臨済宗(りんざいしゅう)古月派(こげつは)の
禅僧としての研鑽を積んだ。後に、日本最古の禅寺・聖福寺(しょ
うふくじ)の第 123 世の住職として博多に下り、老朽化した伽藍(が
らん)の修復や弟子の育成に努めた。還暦を過ぎ、虚白院(きょはく
いん)に隠居した後も、得意の禅画を通して庶民の教化に努めた。
ユーモラスで楽しい禅画と気さくな正義感の強い性格から多くの
人に愛され、今でも「博多の仙厓さん 」と慕われている。
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