y = 2x − 1

ワンポイント解説
接線
c:y = x2 上の 点 A:(1, 1) での 接線 は y = 2x − 1
まず 点 A と異なる c 上の点 P:(p, p2 ) をとり、直線 AP を求めます。
直線 AP:y − 1 =
p2 − 1
(x − 1)
p−1
で
傾き =
(p + 1)(p − 1)
p2 − 1
=
=p+1
p−1
p−1
ここで、P を限りなく A に近づけると
lim傾き = lim(p + 1) = 2
p→1
p→1
が接線の傾きとなります。したがって接線の式は
y − 1 = 2(x − 1) 整理して y = 2x − 1
ワンポイント解説 終わり
以下余談
接線を具体的にイメージするために、この例で直線 y = 2x − 1 が持つ特徴をあげてみます。
ただし ‘微分’ と ‘極限’ という言葉を使わないで述べてみます。
1. 直線 y = 2x − 1 は接点 (1, 1) を通ります
2. 直線 y = 2x − 1 と放物線 y = x2 の交点は (1, 1) だけです
3. 上の 1. と 2. を同時にみたす直線の傾きは 2 だけです
1
1.∼3. を確かめてみます。ただし、ワンポイント解説にあるように、3. は
−1 < 傾き < 3
で考えます。これは、y 軸に平行な直線 x = 2 も放物線 y = x2 と点 A(1, 1) 一点のみで交わる
からです。直線 x = 2 を ‘接線’ とするのは不適切だと了解していただけるでしょう。
1. の ∵) y = 2x − 1 で x = 1 とすると
y =2·1−1=1
よって直線は点 (1, 1) を通ります。
2. の ∵) y = x2 と y = 2x − 1 の交点を求めるため y を消去すると
x2 = 2x − 1
移行して (x − 1)2 = 0 i.e.
x = 1(重解)
よって放物線と直線は点 (1, 1) のみで交わっています。
3. の ∵) y = 2x − 1 以外の直線で点 (1, 1) を通る直線は、その傾きを k として
y − 1 = k(x − 1)
ただし k 6= 2
この直線と放物線 y = x2 の交点は、直線の式に y = x2 を代入して
x2 − 1 = k(x − 1)
左辺を因数分解し、さらに、右辺を移項すると
(x + 1)(x − 1) − k(x − 1) = (x − k + 1)(x − 1) = 0
·
· · x = k − 1 or 1
ここで k 6= 2 のとき k − 1 6= 1 となるので
y = 2x − 1 以外の直線は放物線 y = x2 と異なる二点 A : (1, 1), P : (k − 1, (k − 1)2 ) で交わって
2
います。
上の条件 1.∼3. は「接線」の一般の定義ではありません。たとえば、放物線を直線 y = x に
変えると
y = x 上の任意の点での接線は y = x 自身
で、2. をみたしません。
また、上の 3 つの条件を
「y = 2x − 1 は、放物線 y = x2 と点 (1, 1) のみで交わる、唯一の直線である」
と、一行で表現することもできます。
次の ワンポイント解説 で、直接 平均変化率 の極限を計算しています。
3