ジュニア問題3 PK 戦略

ジュニア問題3
PK 戦略
サッカーの PK 戦略を、単純化して考えてみます。キッカーはキーパーから見て左、中、
右に蹴る、また、同時にキーパーも左か右に飛ぶ、中に留まる、というそれぞれ 3 つの行
動があり、行動の組合せに対するゴール成功率は、次の表で決まっているとしましょう。
キッカー╲キーパー
左に飛ぶ
中に留まる
右に飛ぶ
左に蹴る
10%
80%
100%
中に蹴る
70%
0%
70%
右に蹴る
100%
80%
10%
キッカーが左に蹴り、キーパーが左に飛ぶなら成功率は 10%(10 回に 1 回ゴール)です。キ
ッカーが左に蹴り、キーパーは中に留まるなら成功率は 80%です。他の組み合わせも同様
です。キッカー、キーパーの体格、巧さ、心理戦等は考慮しません。
キーパーは、最悪の状況におけるゴール成功率によって自分の戦略を評価し、その成功率
の低い戦略を望むとします。たとえば、キーパーの「左に飛ぶ」という戦略に対しては、
キッカーが右に蹴るのが最悪の状況で、成功率 100%です。キーパーの「中に留まる」とい
う戦略に対しては、キッカーが右(または左)に蹴るのが最悪で、成功率 80%です。よっ
て、キーパーにとって中に留まる戦略の方が左に飛ぶより良い、といえます。
(1) キーパーがキッカーに分からないように左右 50%の割合で選ぶという戦略が取るとき、
ゴール成功率は最悪何%でしょうか。
[コインを投げ表裏に応じて行動すると、相手に知られずに 50%の割合で左右を選べます。]
(2) キーパーが最悪の状況におけるゴール成功率を最小にするために、左中右の割合をどう
選ぶ戦略を取ればよいでしょうか。
(3) キッカーの戦略について考えます。キッカーにとっての最悪は、ゴール成功率が最低に
なるようキーパーが行動する状況です。最悪の状況でのゴール成功率を最大にするため
に、キッカーは左中右に蹴る割合をどう選ぶ戦略を取ればよいでしょうか。
(4) (2), (3)の答えにどのような関係があるか考察し、理由とともに述べてください。