「権力によらず、能力によらず」 ゼカリヤ4章1~14 節 ~ゼカリヤ書連続講解説教 5~ イントロダクション ~ゼカリヤの見た8つの幻のうち、第 5 番目のものである ① 第 1~第 6 までの幻を概観 第 1~第 3 までの幻はイスラエルの外的な物質的繁栄に関するもの 第 4~第 6 までの幻はイスラエルの内的な霊的祝福に関するもの ② ユダヤ国家復興の預言 第 4 の幻(3 章)は、ヨシュアへの励まし:大祭司職の回復 第 5 の幻(4 章)は、ゼルバベルへの励まし:神殿再建の完成 本論 Ⅰ 金の燭台の幻 1~3 節 1) 燭台の役割 神殿の聖所にて光を灯す:神ご自身の臨在とその啓示とを象徴するもの メシアは「異邦人の光」(イザヤ 42:6、49:6) イスラエルは「諸国民の光」(イザヤ 62:1~2) 2) 燭台の構造 上部には鉢がある。その鉢の上には 7 つのともしび皿がある ともしび皿にはそれぞれ 7 つの管(芯?)がついている 「管」:ムーツェケス。ヤーツァク(注ぐ・流す)の派生語~燈心のたれて いるきざみ(口)? 49 の燈心のともしびが絶えず明るい光を放っている 燭台の左右には 2 本のオリーブの木があり、絶えず油を鉢に供給している Ⅱ 燭台が意味すること 4~10 節 1) 二人の会話の始まり 「私と話していた御使い」:メシア 「あなたはこれが何か知らないのか」:注意を喚起 「主よ。知りません」:≪無知の知≫を体得していた預言者。13 節も同様。 2) ゼルバベルへのメッセージ 「権力によらず、能力によらず、わたしの霊によって」:幻自体が内蔵して いるメッセージ 「山」:困難を意味するが、ここでは神殿再建を妨げるもろもろの勢力 「かしら石」:最後に据える重要な石。神殿の完成を意味している。 そのプロセスの全ては「めぐみ」による。 3) 更なるメッセージ(8 節以降) 小さなこととして蔑まれた「その日」:神殿完成の日 ソロモン神殿を覚えていた年長者らは、それとの比較から嘆いた。エズラ 3:12、ハガイ 2:3 「下げ降り」:工事の着工、その進捗を表す 7 つの目:メシアの全地を表す(3:9)~困難な再建事業の全てを主はご覧 になっておられる。 Ⅲ 2 本のオリーブの木 11~14 節 1) メシアとの問答の展開 5 節以後の流れと接続している。6~10 節は挿入の形。 「2 本のオリーブの木は何か」 「油(金)を注ぎだすこのオリーブの 2 本の枝は何か」 2) メシアの回答 「全地の主のそばに立つ、二人の油注がれたもの」 直接的には、大祭司ヨシュアと政治的指導者ゼルバベルであろう 彼らは絶えず供給される油(聖霊)によって(6 節)、その職務を完成する 大患難時代の中間期に登場する「二人の証人」(黙示 11:4)であるとも言 える 祭司職と王座とをあわせもっているメシアを表徴している(6:21~13) 結論 :継続中の神殿建設事業 1) 現在に神殿は存在するか 神殿とは、神の居住される空間である 信者の体が神殿であると教えられている(Ⅰコリント 6:19) 信者のうちに聖霊様が宿られているゆえ 2) 建設中の私たち 信者の現在の立場:「洗われ(洗礼)、聖なる者とされ(聖霊ゆえの性 質の変化)、義と認められた(贖い故の法的地位)」Ⅰコリント 6:11 聖化は漸進的なプロセスである 3) 「主イエス・キリストの来臨の時」(Ⅰテサロニケ 5:23~24) 信者は栄化され、救いは完成される メシア的王国においてメシアはエルサレムの王座に着座される その時、メシアによって完成される神殿が物理的にエルサレムに建立さ れる
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