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[問題1]
光学顕微鏡の接眼レンズ( 10 倍)に接眼ミクロメーターを装着し、対物レンズ( 10 倍)で対物
ミクロメーターを観察したところ、図 1 のように見えた。下の各問に答えなさい。
接眼ミクロメーターの目盛り
対物ミクロメーターの目盛り
図1
問1 対物ミクロメーターには 1 mm を 100 等分した目盛りがついている。この接眼ミクロメーターの
1 目盛りはいくらか、単位も含めて答えなさい。
問2 オオカナダモの葉の細胞を観察すると、葉緑体が一定の方向に移動するのが観察された。光学顕
微鏡のレンズの倍率を変えずに移動の速さを調べると、接眼ミクロメーター30 目盛り進むのに
20 秒かかった。この葉緑体の移動速度はいくらか、単位も含めて答えなさい。
問3 問 2 の葉緑体のように細胞小器官などが細胞内を移動する現象を何というか答えなさい。
問4 次の①~⑤の大きさについて、図 2 のア~キからそれぞれ最も適当なものを選び、記号で答えな
さい。
① 肉眼で見える最小の大きさ ② 光学顕微鏡で見える最小の大きさ
③ ヒトの赤血球の直径 ④ ヒトの座骨神経の長さ
⑤ ヒト免疫不全ウイルス( HIV )の大きさ
1m
ア
10 cm
1 cm
1 mm
イ
100μm 10μm
ウ
エ
図2
1μm
100 nm
オカ
10 nm
1 nm
キ
[問題2]
DNA に関する次の文章を読んで、下の各問に答えなさい。
私たちヒトの体は約 60 兆個の細胞からできている。これらの細胞はもともと 1 個の受精卵から細胞
分裂を繰り返して増えてきたもので、それぞれの細胞には同じ遺伝情報が受け継がれている。遺伝情報の
本体が DNA であることは、グリフィスやエイブリーらによる肺炎双球菌の非病原性 R 型菌が、病原性
S 型菌から抽出された物質により S 型菌へと変化する( a )という現象の発見や、ハーシーとチェイス
らによる大腸菌に感染する( b )の感染増殖実験などにより明らかにされた。
DNA は、糖の( c )、塩基、および( d )からなる( e )が、鎖状につながった高分子
化合物であり、2 本のポリ( e )鎖に含まれる相補的な塩基同士が( f )結合を形成することに
よって( g )構造を取っている。
細胞分裂を経ても、元の DNA と全く同一の DNA が 2 つの新しい細胞に受け継がれるのは、分裂よりも
前に DNA が正確に複製されるからである。DNA 複製は、DNA の 2 本鎖がほどけて 1 本鎖になり、それぞ
れが鋳型となって、鋳型の塩基に対して相補的な塩基を持つ( e )が DNA ポリメラーゼにより次々
と連結されていくことにより行われる。このように元の DNA 由来の 1 本鎖を鋳型として新しい 1 本鎖が
合成される複製は、( h )複製とよばれる。
問1 ( a )~( h )に入る最も適当な語を答えなさい。
問2 下線部について、DNA に含まれる相補的な塩基の組み合わせをすべて書きなさい。ただし、塩基
の名前はカタカナで表記すること。
問3 ある動物の DNA に含まれる塩基の組成を調べたところ、グアニンが 28 %であった。アデニンの
割合は何%と考えられるか。
問4 細胞が分裂を 2 回繰り返して増殖する間に、細胞周期の各期において細胞 1 個あたりに含まれる
DNA 量の変動を解答用紙のグラフに記入しなさい。ただし、初めの G 1 期の DNA 量を 1 として、
グラフ中の太い線から続けて記入すること。
[問題3]
血液に関する次の文章を読んで、( a )~( k )に入る最も適当な語を答えなさい。
ヒトの血液は、有形成分である( a )、
( b )、
( c )と、液体成分である( d )からなっ
ている。
( a )は、酸素と結合する( e )というタンパク質を含み、酸素の運搬を行う。( b )
は免疫反応を担い、( c )は血液凝固に関わっている。
( b )に含まれる( f )は、獲得免疫において、重要な役割を果たしている。病原体(抗原)が
体内に侵入してくると、樹状細胞などがそれを取り込んで分解し、抗原の一部は細胞表面に提示される。
( f )は、樹状細胞表面に提示された抗原を認識し、その抗原に対応する( g )の増殖を促進す
る。
( g )は、抗体産生細胞へと分化し、抗原と特異的に結合する抗体を生産して体液中に放出する。
後天性免疫不全症候群(エイズ)は、ヒト免疫不全ウイルス( HIV )の感染により起こる病気である。
HIV は、
( f )に感染し、その内部で増殖し、
( f )を破壊していく。そのために、免疫機能が低下
し、エイズの患者はがんを発症しやすくなる。また、健康な状態では感染しない病原体に感染するように
なる。これを( h )感染という。
出血すると、血管の破れたところに( c )が集まってかたまりをつくる。( c )から放出される
凝固因子と( d )中に存在する凝固因子やカルシウムイオンなどのはたらきにより、( d )中の
プロトロンビンと呼ばれるタンパク質から、( i )と呼ばれる酵素が生じる。( i )は、( d )
中のフィブリノーゲンと呼ばれるタンパク質を繊維状の( j )に変える。( j )は血球と絡み合っ
て血ぺいをつくり、血ぺいが傷口をふさいで止血される。
採血した血液を試験管に入れておくと、血液はやがて凝固し、血ぺいを生じる。このとき、血ぺいと
ならない淡黄色の液体は、( k )と呼ばれる。