電磁気学 2 秋学期 レポート問題 第 6 回 2015/11/17 解答 1. (a) 内側の

電磁気学 2
秋学期 レポート問題
第 6 回 2015/11/17 解答
各レポートの問題と解答は
http://www-het.ph.tsukuba.ac.jp/˜ishizuka/Link/gakumu.html
にあります。
1. (a) 内側の半径 a の導体に電荷 +Q を、外側の半径 b の導体に電荷 −Q を帯電させたとす
⃗ と静電 potential : ϕ を求める。同軸導体の中心軸を z
る。このとき発生する電場 : E
⃗ は対称性から以下の形をとる。
軸にとることにする。電場 : E
⃗ r) = E(R) · ⃗eR
E(⃗
{
⃗r = (x, y, z)
⃗eR = (x, y, 0)/R ,
R=
√
x2 + y 2
(1)
同軸導体の中心軸同じくする半径 R (a < R < b)、高さ h の円筒を V とし、その表面
を S をする。その円筒 V で積分型 Gauss の法則を使うと以下を得る。
∫
∫
∫
3
3 ⃗
⃗
⃗
d rρ=ϵ
d r ∇ · E = ϵ dS ⃗n · E
V
V
= Qh/l
S
= ϵ · (2πRh) · E(R)
(2)
Q
2πϵlR
(3)
よって、
E(R) =
これを積分して静電 potential ϕ を求めると以下である。
ϕ=−
Q
log(R/b) + C
2πϵl
( C : 積分定数 )
(4)
よって、内側の半径 a,b の導体の間の電位差 V は
V = ϕ(a) − ϕ(b) =
Q
log(b/a)
2πϵl
(5)
である。従って静電容量 C は以下である。
C = Q/V =
1
2πϵl
log(b/a)
(6)
(b) 内側の半径 a の導体に電荷 +Q を、外側の半径 b の導体に電荷 −Q を帯電させたとす
⃗ と、電束密度 D
⃗ は対称性から以下の形をとる。
る。電場 E
⃗ r) = E(R) · ⃗eR
E(⃗
⃗ r) = D(R) · ⃗eR
D(⃗
{
⃗r = (x, y, z)
⃗eR = (x, y, 0)/R ,
R=
√
x2 + y 2
(7)
同軸導体の中心軸同じくする半径 R (a < R < b)、高さ h の円筒を V とし、その表面
⃗ に対し積分型 Gauss の法則を使う。
を S をする。その円筒 V で、電束密度 D
∫
∫
∫
3 ⃗
3
⃗
⃗
dS ⃗n · D
d r ∇·D =
d rρ=
S
V
V
= Qh/l
= (2πRh) · D(R)
(8)
Q
2πlR
(9)
よって、
D(R) =
これから、電位差 V は以下である。
(∫ c
∫
⃗
d⃗r · E(⃗r) +
V =−
b
(∫
c
c
=−
)
⃗
d⃗r · E(⃗r)
a
∫
)
a
⃗ r)/ϵ1 +
d⃗r · D(⃗
b
Q
=−
2πl
(∫
⃗ r)/ϵ2
d⃗r · D(⃗
c
c
∫
a
)
dr(1/r)/ϵ2 +
dr(1/r)/ϵ1
(
)
1
1
Q
log(c/b) + log(a/c)
=−
2πl ϵ2
ϵ1
(
)
1
Q
1
=
log(b/c) + log(c/a)
2πl ϵ2
ϵ1
b
c
(10)
従って静電容量 C は以下である。
(
C = Q/V = 2πl/
)
1
1
log(b/c) + log(c/a)
ϵ2
ϵ1
2
(11)
(c) 内側の半径 a の導体に電荷 +Q を、外側の半径 b の導体に電荷 −Q を帯電させたと
⃗ r) = E1 (R)⃗eR と E(⃗
⃗ r) = E2 (R)⃗eR (⃗r = (x, y, z),
する。誘電体 ϵ1 と ϵ2 で、電場が E(⃗
⃗ = (x, y, 0), R = |R|,
⃗ ⃗eR = R/R
⃗
R
) と書けることを使う。電場の誘電体境界の接戦方向
が連続なので、E1 = E2 である。
同軸導体の中心軸同じくする半径 R (a < R < b)、高さ h の円筒を V とし、その表面
を S をする。その円筒 V で、積分型 Gauss の法則を使う。
∫
∫
∫
3
3 ⃗
⃗
⃗
d rρ=
d r ∇·D =
dS ⃗n · D
V
= Qh/l
V
S
= (Rh)(θ1 · D1 (R) + (2π − θ1 ) · D2 (R))
= (Rh)(θ1 ϵ1 · E1 (R) + (2π − θ1 )ϵ2 · E2 (R))
= (Rh)(θ1 ϵ1 + θ2 ϵ2 )E1 (R)
(12)
ここで、θ2 = 2π − θ1 である。よって、
E1 (R) =
Q
(θ1 ϵ1 + θ2 ϵ2 )
lR
これから、電位差 V は以下である。
∫ a
⃗ r) = Q /(θ1 ϵ1 + θ2 ϵ2 ) · log(b/a)
V =−
d⃗r · E(⃗
l
b
(13)
(14)
従って静電容量 C は以下である。
C = Q/V = l (θ1 ϵ1 + θ2 ϵ2 ) / log(b/a)
3
(15)
2. 半径が r と r + dR の間の抵抗は Ohm の法則より以下である。
dR = ρ
dr
4πr2
これを積分してこの抵抗器の抵抗 R が以下の様に求まる。
∫ b
∫ b
dr
ρ
R=
dR =
ρ
(1/a − 1/b)
=
2
4πr
4π
a
a
4
(16)
(17)