応用計量経済分析 B

[重回帰の決定係数 R 2 ]
2015年度 秋学期 金曜4限

決定係数
= 回帰によって説明できる変動÷ Yの全変動
∑
∑
応用計量経済分析 B
第6回
SY1: X1とYの共分散のn倍
2015.10.30
SY2: X2とYの共分散のn倍
担 当: 石 川 達 哉
([email protected])
SYY: Yの分散のn倍
教育用ホームページはhttp://www1.meijigakuin.ac.jp/~ishikawa
明治学院大学 2015年度 秋学期
[自由度調整(修正)済決定係数

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[偏相関係数]
]
指定教科書の自由度調整済決定係数

X1を一定としたときのYとX2の偏相関係数: RY2・1
=
:サンプル数、 :定数項以外の説明変数の数

説明変数増加による見かけ上の当てはまりの良さを修正
∞≦
X2を一定としたときのYとX1の偏相関係数: RY1・2
≦1
(注)他の教科書では、 を定数項含む説明変数の数として、
以下の式を採用することが多い
自由度調整済決定係数
=
1
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ただし、 RY1 : YとX1の単純相関係数
RY2 : YとX2の単純相関係数
1
R12 : X1とX2の単純相関係数
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[正規分布とt分布]

[回帰係数のt検定(1)]
中心極限定理:分布がどのようなものであって
も、特定の平均値と分散を持つ母集団からとられ
た標本の分布は、標本数が大きくなるにつれて正
規分布に近づく


⇒ 回帰係数がゼロではないことを統計学的に検証。回帰係数は
ゼロとする帰無仮説を棄却できれば、本来主張したい対立仮説を
支持できる。その棄却域の確率を有意水準として、有意水準に応
じた判定を行う
母集団が正規分布する場合の大標本
⇒ 標本分散に基づく平均値の検定は正規分布に
拠って行うことができる

母集団が正規分布する場合の小標本
⇒ 標本分散に基づく平均値の検定は t分布に
拠って行うことができる。平均μ、分散σ2の正規
分布に従う母集団から得たn個の標本に関して、
次式で与えられるTは自由度 (n-1) のt分布に従う
T=


t 検定:t分布に拠る回帰係数の有意性検定

導出過程から明らかなように、推定係数は確率変数を定義式
に含むため、確率変数である(確率変数ではない説明変数も定
義式に含む)

推定モデルにおける誤差項は正規分布(平均ゼロ、一定の分
散を持つ)に従う確率変数
n
( X- )
ˆ
σ
t分布:分布の形状は自由度のみに依存。自由
度が大きくなるにつれて、正規分布に近づく
分子が正規分布する変数、分母がカイ二乗( )
分布する変数を自由度で除した値の平方根によっ
て与えられる変数はt分布に従う
横軸上の数値は中央(例:シャドー部分の内側)
に95%の確率を含む区間
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明治学院大学 2015年度 秋学期
[回帰係数の t 検定(2)]
[単純回帰における回帰係数の t値]

回帰係数はゼロだとする仮説(帰無仮説)を棄却することによって、
回帰係数が有意である(ゼロではない)と判定

帰無仮説 H0:β=0
対立仮説 H1:β≠0

tβˆ
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[両側検定]

t 値=回帰係数の推定値÷回帰係数の標準誤差

回帰方程式の標準誤差=残差分散の正の平方根

残差分散=残差平方和÷(サンプル数-説明変数の数-1)
t ˆ =
ˆ
β
=
ˆ βˆ
σ
棄却域
ˆ  0)
(β
s ˆ
ˆX)
ˆ +β
・残差: û i =Yi  Ŷi  Yi  (α
i
uˆi
n2

X2
s 2 X 2
2
2 1

=
・̂ の分散: sˆ =s  +
2 
2
2
 n ( X  X )  nX  (X )
2
2
・残差分散: s =
回帰係数とその標準誤差に基づいて
算出される統計量の絶対値が t 以上
の値であれば、回帰係数がゼロであ
ることは稀(確率p以下)にしか起こら
ないので、帰無仮説は棄却される
p
(シャドー部分の面積=確率):
・ t 以上の値をとるか、-t 以下の値をとる確率
・ t は、有意水準と自由度に応じた固有の値
⇒ t 分布表
ex. 有意水準5%、自由度20ならば、t は2.086
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2
・ ̂ の分散: s ˆ =
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s2
s 2n
=
2
2
( X  X )
nX  (X ) 2
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