April 2015 水痘の流行状況 4 定期接種 2回目をお忘れなく! ▶水痘患者数 減少傾向に 水痘は冬から春にかけて流行する感染症ですが、2015年第11週 (3/9∼15)における小児科定点当たりの患者報告数は0.51人で あり、過去同時期と比較して最も少ない報告数となっています。 水痘 定点当たりの患者報告数 (2005年∼2015年第11週) 昨年10月に水痘が定期接種に導入され約半年が経過しました。 2回目の標準的な接種時期は1回目接種から6カ月以降であるこ とから、 これから本格的に2回目の接種が実施されます。2回接種 が浸透することで水痘の患者数がどのように変化するのか、今後 の動向が注目されます。 2014年10月∼ 水痘ワクチン定期化 水痘 定期接種スケジュール (対象者:生後12~36カ月未満の者) ① 3ヵ月以上あける 【①標準的な接種期間】 生後12∼15カ月未満 2015年 患者報告数 ② 【②標準的な接種期間】 1回目接種後6∼12カ月までの間 (週) 出典:国立感染症研究所 感染症疫学センター IDWR 『感染症発生動向調査』∼5類感染症∼ 「感染症発生動向調査」は医療機関の協力の下、 感染症の発生状況を把握・分析し、今後の感染症 対策に生かすことを目的として行われている国の サーベイランス事業です。 感染症法では、感染症を感染力や重篤性などで1類から5類に分類してい ます。 このうち5類感染症には、全医療機関から全数報告される疾患(全数 把握疾患) と、指定された医療機関(定点)から報告される疾患(定点把握 疾患)があり、定点には小児科定点、基幹定点などの種類があります。 水痘(入院例に限る)が全数報告になる等、近年ワクチン導入による効果を検証するため、報告の対象に追 加される疾患(下記表:赤字)が増えています。調査へのご協力をお願いします。 5類感染症(2015年3月時点) 分類 報告対象の疾患(届出が開始された時期) 報告を行う医療機関 全数把握 【一部抜粋】侵襲性インフルエンザ菌感染症(2013/4/1-)、侵 全医療機関(全ての医師) 疾患 襲性髄膜炎菌感染症、侵襲性肺炎球菌感染症(2013/4/1-)、 水痘【入院例に限る】 (2014/9/19-) 、先天性風しん症候群、破 傷風、風しん、麻しんなど 定点把握 疾患 報告方法 定点数* 診断から 7日以内 RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭 小児科定点 炎、感染性胃腸炎、水痘、手足口病、伝染性紅斑、突発性発し (小児科医療機関から指定) ん、百日咳、 ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎 週単位 3,142 インフルエンザ【鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等 インフルエンザ定点 感染症を除く】 (小児科定点+内科医療機関から指定) 週単位 4,917 急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎 眼科定点(眼科医療機関から指定) 週単位 682 性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コ ンジローマ、淋菌感染症 性感染症定点(産科、婦人科、産婦人科、性 病科、泌尿器科、皮膚科医療機関から指定) 月単位 974 週単位 471 月単位 475 感染性胃腸炎【病原体がロタウイルスであるものに限る】 基幹定点 (2013/10/14-) 、 クラミジア肺炎 【オウム病を除く】 、細菌性髄膜 (内科および外科の診療科を持つ300人以 炎 【髄膜炎菌、肺炎球菌、 インフルエンザ菌を原因として同定さ 上収容する施設を有する病院(小児科医療 と内科医療を提供しているもの) を2次医療 れた場合を除く】 、 マイコプラズマ肺炎、無菌性髄膜炎 圏域毎に1カ所以上指定) ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、 メチシリン耐性黄色ブドウ球 菌感染症、薬剤耐性緑膿菌感染症 *定点となる医療機関数は、保健所管内の人口を参考として算出されます(表中は2013年の定点数)。 出典:厚生労働省 感染症法に基づく医師の届出のお願い、 感染症発生動向調査事業実施要綱、 国立感染症研究所 感染症疫学センター IDWR 企画編集:一般財団法人 阪大微生物病研究会(http://www.biken.or.jp) 発行:一般財団法人 阪大微生物病研究会/田辺三菱製薬株式会社 ▲上記本文中の内容に関するお問い合わせは、お受けしておりません 5BI-415A-
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