演習プリント

演習 14-1 幅 2b = 20mm 、厚さ h = 5mm の帯板に直径 2a = 10mm の円孔が開いている。この帯板に
加えることのできる最大引張荷重 Pmax を算定せよ。ただし、許容応力を s a = 90MPa とする。
演習解答 14-1 教科書 P.52 の図 3.17 を参照すると、a / b = 0.5 であるので、応力集中係数は a = 2.16 と
よめる。したがって、最大応力 s max が許容応力 s a に等しくなるときの荷重が Pmax であるから、
Pmax =
sa
(2h(b - a )) = 2083(N ) @ 2.08(kN )
a
注)最大応力 s max の算定式は、
s max = a
P
2h(b - a )
ですが、教科書では述べられていません。教科書の記述は a  b のケースのみが言及されています。
a  b ではない場合は上式を用います。この式は教科書 P.52 の図 3.17 中に記されています。
演習 14-2 図 ex14-2 に示されているような軟鋼
製帯板が引張荷重を受けている。この帯板の板厚
を h = 3mm 、降伏強さを s y = 250MPa 、安全率
を f = 1.65 としたときにこの帯板が塑性化を起
こさないで、許容できる引張荷重 Pmax を算定せよ。
応力集中係数は下段の図より読み取れ。(図では応
図 ex14-2
力集中係数は K となっている)
演習解答 14-2 隅肉部(fillet)では、
r 10
=
= 0 .5
b 20
であるから、下段の図より、
a = K = 1.35
である。塑性化を起こさないことが条件であるから、下記の式が限界状態である。
s max = s y = as 0 = a
Py
bh
ここに、 Py は塑性化を起こさない限界荷重である。ここで、安全率が f = 1.65 であるので、許容でき
る引張荷重 Pmax は、
Pmax =
Py
f
=
bhs y
af
=
20 ´ 3 ´ 250
= 6734(N ) @ 6.73(kN )
1.35 ´ 1.65
安全率の考慮は、 Py を求めるときにしてもよい。
演習 14-3 図 ex14-3 に示されている板で、許容応力 s a = 100MPa を超えることのないことを条件とし
て、限界の引張荷重 Pmax を算定せよ。応力集中係数は下段の図より読み取れ。ただし、板厚を h = 10mm
とする。(図では応力集中係数は K となっている)
図 ex14-3
演習解答 14-3 隅肉部(m-m 断面)での応力集中係数は下段図より
r 10
=
= 0 .5
b 20
であるから、目分量で、
a = K = 1.35
である。塑性化を起こさないことが条件であるから、下記の式が限界状態である。
s max = s y = as 0 = a
Py
bh
=
1.35Py
60 ´ 10
(
= 2.25 ´ 10 -3 Py N/mm 2
)
一方、円孔部では
r ¢ 10
=
= 0.1
b¢ 100
であるので、下段図より、
a = K = 2.5
であり、塑性化を起こさないことが条件であるから、下記の式が限界状態である。
s max = s y = as 0 = a
Py
b ¢h¢
=
2.5Py
100 ´ 10
(
= 2.5 ´ 10 -3 Py N/mm 2
)
荷重にかかる係数が大きいほど,限界荷重が小さいから、円孔部で考えて、
s max = 100(MPa ) = 2.5 ´ 10 -3 Py
Py =
100
= 40000(N ) = 40.0(kN )
2.5 ´ 10 -3
応力集中係数を求める図