教頭通信 2月④ 鹿川小学校教頭 河村 「ティーチングからラーニングへ」 ワークショップは学習者が主体の学びの場であり,その特徴は,①学習者がそれぞれの意見や発想 で相互に学び合う。②学習者の相互発信が意識や行動の変容へとつながる。②ネットワークが形成さ れ集団での創造的な活動へとつながる。③教えるだけの先生と学ぶだけの生徒はいない。④頭を動か し,身体を動かし,自分たちで解決策を導き出す。 (香川大学教授,清國祐二先生の資料より引用) このような学習者主体の学びのためには「教員が何を教えるか」から「学習者が何を学びとるか」 への視点の転換(ティーチングからラーニングへ)が必要です。また,学習者自身が学んでいること を意識化し確認していく作業,すなわち「ふりかえり」があってこそ学習であるといえると思います。 (国立教育政策研究所紀要第139集 和栗百恵さんの論文より引用) 学校教育でいうならば,これまでの「知識ベースの学び」に加え「コンピテンシーの育成を目指し た主体的な学び」を促す教育活動(「学びの変革」アクションプランより)に当たると思います。 学校教育でティーチングに加え,ラーニング(能動的な学び)へ発展させていくためには,仕掛け が必要です。今回は学びを創造していくための魔法の仕掛け(?)について考えていきましょう。 「HOOK(フック)・魔法の仕掛け」 ※これがキーワードだと思いますので,フックについて私の思いを書きます。自由に意見交流をしてみてください。 HOOK(フック)とは何? まずはここを共有 コピーライターにとってのフックとは「興味を引かせる強力なメッセージ」のこと。人のこころに 引っかかり,無意識に読ませていく工夫。感情を揺さぶり「気になってしょうがない」「読まずには いられない」状態にもっていくのがよいフックであるとされている。 映画「スティング」場面3が「The Hook 引っ掛け」大掛かりな仕掛けを大勢で演じることで, 宿敵ロネガンを見事信じ込ませる。フックを言い換えれば,相手をその気にさせる「魔法の仕掛け」 ※この映画は詐欺師の話。言葉は悪いが学ぶところがある。ただし,ためになるフックを考えましょう。 教育課程にフックを。 ワクワクどきどきするような教育課程。自ら学びたくなる魔法の仕掛けを仕組んでいく。そのため には題材名・行事名等にフックを,そして「体験と発見」これを仕掛ける。 例えば,「野外活動」→「サバイバル24時間」「調理実習」→「磯定食試食会」食材は里海から! 自然にのめり込んでいく体験を仕組むことがフックとなる。興味関心を引き出すように仕掛ける。 時には演じてみる。そして,ふりかえりの場と視点を与えることが学びを生み出す魔法となる。体験 と発見を繰り返すことがさらなるフックとなり,能動的な学び(課題発見・解決学習)へと発展する。 「キー・コンピテンシー」を自分の言葉で表現すると何? ※これも合わせて考えてみましょう。 ※「学びの変革」アクションプラン(広島県教育委員会)や「ふりかえり」と学習(論文)を参考にしましょう。 「学びの変革」アクションプランより コンピテンシーとは,グローバル化と 近代化により,多様化し,相互に繋が った社会を生き抜くために必要な能 力で,単なる知識や技能だけでなく, 態度などを含む様々な資質・能力を活 用して,複雑な要求(課題)に対応す ることができる能力。 「ふりかえり」と学習 (国立教育政策研究所紀要第139集 和栗百恵さんの論文より一部抜粋) 「ふりかえり(reflection)」は,価値観が多様化し,変化が激しい 社会の中で,他者とかかわりあいながら自主的に生き,学び続けるた めに必要な能力として昨今注目されている。例えばOECD(2005)は, 初等・中等教育レベルのキー・コンピテンシー(key competencies) の中核にリフレクティブネス(reflectiveness,省察性/ふりかえり ができること)を据えている。 「学びの変革」アクションプランにはワクワクする内容がたくさん入っていると感じました。また表題がフック になっていると思いました。このプラン等や自分の実践を踏まえて,「キー・コンピテンシー」を自分の言葉で 表現すると何になるでしょうか? ここを議論することが大切だと思います。また,意見交流をしましょう。
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