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中学校
1
題材名
音楽科学習指導案
曲想の変化を感じ取って、速度や強弱の変化を生かした表現を工夫しよう
教材名:「カリブ 夢の旅」
2
第1学年
平野 祐香里作詞/橋本 祥路作曲
題材の目標
・歌詞の内容や曲想に関心をもち、音楽表現を工夫して歌う学習に主体的に取り組む。
【音楽への関心・意欲・態度】
・旋律、速度、強弱などを知覚し、それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら、歌詞の
内容や曲想を感じ取って音楽表現を工夫し、どのように歌うかについて思いや意図をもつ。
【音楽表現の創意工夫】
・歌詞の内容や曲想を生かした音楽表現をするために必要な技能を身につけて歌う。
【音楽表現の技能】
(学習指導要領の内容との関連)
A表現(1)
歌唱ア「歌詞の内容や曲想を感じ取り、表現を工夫して歌うこと。」
〔共通事項〕
旋律、速度、強弱、リズム、accel.、ff、Coda、テヌート
3 指導に当たって
(1)題材観
本題材では、混声合唱の響きを感じ、歌詞の内容や曲想を感じ取ることによって、イメージを
ふくらませ、表現を工夫することをねらいとしている。
「カリブ夢の旅」は、合唱教材として比較
的歌いやすく、取り組みやすい教材である。詩と旋律の結びつきに関心を持たせ、歌詞の内容や
曲想を感じ取っていく。また、音楽を形づくっている要素(旋律、速度、強弱)に着目させ、曲
のもつ旋律の流れの変化を感じ取り、曲の雰囲気をとらえた歌い方の工夫ができる。前半部は、
穏やかなテンポに乗って順次進行をした旋律で作られている。後半部は速いテンポで跳躍音やシ
ンコペーションが使われている。前半部分と後半部分の曲の特徴がとらえやすく、表現の工夫を
する初期段階の生徒にとってふさわしい曲だと考え、設定した。
(2)生徒観
男子19名、女子16名、合計35名のクラスである。歌唱への取り組みについては積極的に
表現活動に取り組む生徒が多い。男子は意欲的に声を出し、合唱への興味・関心が高いが、変声
前や変声中の生徒がおり、不安定である。女子は声が安定しているが、積極的に表現しようとす
る生徒が少ない。1学期に取り扱った「朝の風に」では、歌詞の内容や情景を思い浮かべて歌う
ことに取り組み、混声二部合唱の導入を行うことができた。本題材では、混声三部合唱の響きを
味わい、旋律や速度・強弱を知覚し、歌詞の内容や曲想を音楽表現することができると考える。
また、合唱の体験も少ないので、合唱への興味・関心を高め、技能を伸ばし、合唱の楽しさを体
験することで、生徒たちの音楽表現の幅を広げ、より豊かな合唱を味わうことができると考える。
(3)指導観
これまでの学習では斉唱や混声二部合唱を行ってきたが、その中で音程をしっかりつかんで
歌うことや響きのある声づくりを中心に指導してきた。本題材では、歌詞の内容や曲想の変化
に気づき、表現を工夫するところまで取り組ませたいと考える。まず、歌詞を読ませたり範唱
CD を聴いたりして、曲やめあてとする合唱のイメージを持たせる。これは、イメージをもつこ
とが曲作りでの豊かな表現につながると考えるからである。言葉の表現に合った歌い方に気づ
くような助言をしていきたい。「カリブ夢の旅」は、歌詞の抑揚やリズムにあった親しみやす
い旋律の流れである。前半部は、しっとりとした情景を思い浮かべながら表現することができ
るが、後半部でアッチェレランドがかかり、ビートに乗った躍動感あふれる雰囲気を表現でき
ると考える。また、歌詞に表わされている気持ちを表現するために、歌詞のもつリズムや言葉
の抑揚と旋律の関係に着目させて表現を工夫させたい。自分のイメージを発表させたり前半と
後半の曲の変化を感じたりする場を設定し、交流の中で曲の雰囲気をつかませ、1 つの曲をみ
んなで作り上げていく楽しさや良さを味わわせたい。
4
題材の指導・評価計画(総時数6時間)
次
主な学習活動
評価規準
○曲の雰囲気をとらえる。
○歌詞の内容や曲想に関心をもち、音楽表現を
・範唱を聴く。
工夫して歌う学習に主体的に取り組もうとして
・歌詞の表す情景を想像しながら朗読する。
いる。
評価の観点
① ② ③ ④
○
一(3)
・各パートの楽譜を確認しながら旋律を聴
く。
○パート練習をする。
○歌詞の内容や曲想を生かした音楽表現をする
・発声に気をつけて自分のパートの旋律を確
ために必要な技能を身につけて歌っている。
○
認する。
・パートリーダーのもと、協力して練習に取
り組む。
○旋律の動きや曲想の変化をつかんだ歌い
○旋律、速度、強弱などを知覚し、それらの働
方を工夫する。
(本時)
きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら、歌
・速度の変化に着目して、曲想の変化を工夫
詞の内容や曲想を感じ取って音楽表現を工夫
する。
二(3)
・強弱記号など、音楽記号の意味を理解しな
○
し、どのように歌うかについて思いや意図をも
っている。
がら表情豊かな合唱をする。
○各パートの声のバランスや表現の仕方を
○歌詞の内容や曲想に関心をもち、音楽表現を
確かめ合い、合唱を仕上げる。
工夫して歌う学習に主体的に取り組もうとして
・各パートの声のバランスや曲全体のまとま
いる。
り、表現について見直し、仕上げる。
○歌詞の内容や曲想を生かした音楽表現をする
ために必要な技能を身につけて歌っている。
○
○
5 本時の学習(第2次 第1時)
(1)小題材名
曲想の変化をつかんだ歌い方を工夫しよう
(2)本時のねらい 旋律、速度、強弱などを知覚し、それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受し
ながら、歌詞の内容や曲想を感じ取って音楽表現を工夫し、どのように歌うかに
ついて思いや意図をもつ。
【音楽表現の創意工夫】
(3)準備・資料等 拡大楽譜、メトロノーム、ふり返りシート
(4)本時の展開
時間
学習活動
指導上の留意点
評価(観点,方法等)
5
・「カリブ 夢の旅」を合唱する。 ・緊張感をほぐし、リラックス
Aの速度で全曲歌う。
させ、合唱の雰囲気をつくる。
かなり速く歌ってみる。
・本時の学習のねらいである速
度に着目させて、意図的にAの
速さで歌わせる。
・本時の学習の見通しを持つ。
・学習の流れを確認し、今日の
学習の見通しが持てるようにす
る。
速度に着目して、表現を工夫しよう。
10
・様々な速度で歌い、歌詞の内容や
旋律、
リズムにあった速度について
話し合う。
(一斉)
A
B
① ♩=84
そのまま
② ♩=84
かなり速く
・速度の違いを比較させてどの
くらいの速度がよいのか、なぜ
その速度で歌うのがよいのかに
ついて、歌わせながら考えさせ
る。
10
・B の部分の速さについて話し合
い、歌う。
(パート)
・パートリーダーに話し合う時
間とポイントを指示する。
・それぞれのパートを回り、旋
律や記号に注目させるように支
援する。
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○旋律、速度、強弱など
を知覚し、それらの働き
が生み出す特質や雰囲気
を感受しながら、歌詞の
内容や曲想を感じ取って
音楽表現を工夫し、どの
・パートで話し合った速度につい ・決定した速度について歌詞や ように歌うかについて思
て、それぞれ比較しながら歌い合唱 旋律などの根拠を話させる。
いや意図をもっている。
する。
(一斉)
【音楽表現の創意工夫】
・前半と後半の表現の違いを区 Cへの手立て:楽譜を確認さ
せるなどの個別支援を行い、
別する重要なポイントである
accel.の役割について着目させ 活動の意欲を促す。
る。
(観察・ワークシート)
A
B
なめらか、冒険が始まる前 → ゆっくり ♩=84
ノリノリ、リズムが細かい、強気な気持ち → A より速く ♩=118
5
・本時の学習を振り返り、次時の学 ・本時の学習を振り返りシート
習を知る。
に記入させ、学びを振り返る。