24 老若男女が仲よくすすめる村づくりは熟年パワーの特産づくりで

名田庄村
老若男女が仲よくすすめる村づくりは熟年パワーの特産づくりで
名田庄自然薯生産組合
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集団の概要
◆
所在地
遠敷郡名田庄村井上
◆
代表者
岡
◆
人
45 人
◆
設立年
数
勝治
昭和 57 年
地域の農業・農村の概要
井上集落は名田庄村の中央部に位置し、集落の東側を南川が流れている。両脇から山が迫り、狭い
谷間に集落がある。農家戸数 46 戸、専業農家 5 戸、耕地面積 19ha。耕地は土地改良が終了しており、
30a の大きさの田が大部分である。
地域の基幹品目は水稲で、名田庄村特産の自然薯を栽培している。
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活
(1)
動
内
容
活動の動機・目的
四方を深い山に囲まれた山間特有の昼間は暖かく、夜冷え込むという気温差のある名田庄村で、
この環境条件を利用して何か特産を作れないだろうかと、昭和 57 年、井上地区の壮年会員が村内
の森林に自生している自然薯を掘り出し、これを元に、パイプ栽培を試みた。この自然薯栽培を名
田庄村の代名詞となるような特産品にしていくことを目指して、組合が昭和 61 年に発足した。
(2)
活動状況
①
自然薯栽培
昭和 57 年に初めて山から種芋を掘り出して、パイプ栽培を試みた。先進地の南条町や山口県
に視察研修に出かけ、芋が地中に真っすぐ伸びると収穫が困難なためビニールパイプを斜めに埋
め、浅いところに種芋を植え、パイプの中へ伸びる仕掛けを採用することにした。パイプに無菌
の赤土を入れ、50cm の深さの畑に埋め込んで、栽培を行った。その結果、昭和 61 年に商品化に
こぎつけ、発売を始めた。
昭和 63 年ごろには、サルやイノシシの被害が増加し、芋が掘り起こされてしまうなど栽培で
きる圃場が限定されるようになった。その対策として、平成 7 年には、組合員の手で、750m に
わたって、電気柵をはり、夜も安心して眠れるようになった。
また、10 年も連作することによりいろいろな障害が出てきて、不作の年が続いた。太く成長し
た自然薯を掘り起こしてみると、真中が黒く腐っていたりすることがあり、新しい圃場を求めて
開拓する必要があった。新しい団地を求めて会員の手で圃場を開拓し、平成 8 年には、新しい圃
場で一部集団栽培をすることになった。
平成 9 年からは、芽だしをせずに種芋を植える技術を研究した。その結果、よい結果が出た。
②
自然薯の加工
栽培をしていると必ずくず芋が出てくるということで、組合員の男性は、自然薯焼酎(玉の舞)、
ブランデー(都わすれ)を酒造会社と契約し、商品化した。その発売発表会の時には、マスコミ、
村関係者も呼び、酒と共に自然薯料理を披露した。
組合員の女性は、自然薯そばに挑戦してみることとなり、何回となくそばを打ち、腕が回らな
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くなるほど研究した。今庄町のそば道場にも研修に行き、参考とした。苦心の末、昭和 63 年に
商品化にこぎつけ、名田庄商会にて、製造・販売されることとなった。
その後も加工品開発に取組み、平成 6 年、組合の中に婦人部をつくり、クッキーの研究を行っ
た。材料の配合も何回も試作し、サクサクのクッキーが出来上がった。形にもこだわり、名田庄
村のシンボルである星を形どったさわやかなイメージの素朴なクッキーである。平成 8 年から、
本格的に売り出すために、県・村からの助成と自分達の出資金を合わせ、機械(ミキサー、パイ
ローラー、オーブン)を導入し、生産を開始した。名田庄商会のほか、村内の商店や小浜の森林
の水PR館やフィッシャーマンズワーフなどの観光客の来る場所で販売している。
(3)
活動の成果
自然薯のパイプ栽培の研究の末、商品化し、自然薯を名田庄村の代名詞となる程の特産品まで成
長させた。連作障害やサルやイノシシの被害に遭い、一年の成果が収穫できないというような形で
表れることに頭を痛め、作る意欲を失いかけながらも、来年こそは、来年こそはと夢見て、自然薯
栽培を継続してきた。
春のパイプの植え込み、秋の収穫の日曜日は、自然薯の畑は老若男女でにぎわい、それぞれの家
の息子夫婦と孫達が応援するという光景がある。これは、若い人、子供達へ農村生活のよさを伝え
る機会にもなっている。また、自然薯そばやクッキーの商品化は、名田庄村の特産を誕生させただ
けでなく、女性や熟年者の就労の場作りにもなった。
平成 9 年度、農林漁業とくらしのイメージアップ活動表彰では優良賞を受賞。
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今後の方向
芽出ししていない種芋を植える技術の研究、普及をより進めていくなど、より質のよい自然薯生産
と生産量の安定を目指していくことをすすめる。
また、加工品についても、クッキーの販売量の増加の他、名田庄村の特産品を利用し、クッキーに
続くものを開発して、特産品を増やしていく必要がある。
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