6 伸びる子のご家庭の条件

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伸びる子のご家庭の条件
また、小学生で学業がふるわない子の典型的な口癖は「だってお母さんが~。」です。ギルフォードの
問題解決モデルで重要な役割を担う「評価能力」は自立度のバロメーターと言われ、自分のことに自分
伸びる子のご家庭の条件については、各種雑誌や書籍で、いろいろな方が意見を述べられております。
で責任を持つことによって育ちます。その日の勉強道具の用意はご本人に任せるか、幼児ならば一緒に
この記事の最後にも、1 冊参考文献を挙げさせていただきました。
してあげて、そしてその荷物は自分で持つようにご指導をお願いいたします。
ここでは、必要な条件全部を網羅できているかどうかという点は気にせず、純粋に今までライトスタッフに在籍していた生徒
もちろん、無関心の放任はいけません。コツは、「手をかけずに目をかける」です。
さんとご家庭を観察していて気付いた点だけを紹介させていただきます。
5. 取り組んだという事実をほめる。
また、内容が「教室にとって都合の良いご家庭像」を並べた我田引水のように見えるかも知れませんが、そうではありません。
「ほめる」ことの重要性は随所で語られていますが、一番勘違いが多いのは「結
そして、これは以下があてはまらない方に対する嫌味や当てつけでは決してありません。どうか、一度客観的な視点で受け止め
果をほめる」のが良いと思われていることです。正解したらほめる、点数が良かっ
ていただけますと幸いです。
たからほめる。これでは、「とにかく正解する」「とにかく点数を取る」ことだけに
お子様の気持ちが向いてしまいます。そうすると、考える過程部分に興味が向かな
1.
授業開始の5~10 分前に教室に入る。定刻にあいさつをして授業を開始できる。
くなってしまうのです。
やむを得ず遅れる場合は電話連絡を入れる。
そうではなく、お返しした教材について、正誤に関係なく「ふーん、そんな風に
2.
授業料の引き落としや書類の提出が、きちんと期日までに完了する。
考えたんだ~。面白いねぇ。」とか、
「難しそうだけど、良く覚えたね~。」とか、
「取
配布物に必ず目を通している。
り組んだ」という事実をほめてください。
「最終的にどうなったか」だけでなく、
「途
遅刻したり、提出物を忘れたりする親御さんの姿を、お子さんも見ています。
中、どう取り組んだか」に関心を持ってもらえると、お子様は「よし!今度も頑張
「ふーん。世の中って、あんなんでええんや。」と無意識で思ってしまいますよね。
ろう」と思ってくれるはずです。
また、マンツーマンの授業であれ、集団授業であれ、開始時刻ジャストや数分遅刻で入室すると、気
持ちが落ち着かないままいきなり課題に入ることになります。
6.
生徒さんには、「先生は絶対だ」と言う。しかし、疑問点はきちんと別の機会に問い合わせる。
まだ低年齢のお子様ですから、講師に対する信頼感はとても大事です。信頼を持って素直に授業を受
3.
習い事は尐なめ。
けていただけましたら、きっと多くのことを吸収できます。
目安としては、日曜日以外に1~2 日は完全にフリーで遊べる日を残しましょう。
しかし、疑問点はどしどしご質問ください。「宿題が難しすぎるんじゃないか?」「解けていない知能
一日に2つ習い事をかけもちするのは良くありません。
開発教材をそのままにしていて良いのか?」「先生に言われたこんな言葉を子供が気にしている。」など
一つ一つの習い事に対して全力で取り組むことができなくなり、流れ作業のようにこなすだけになっ
など。ライトスタッフとしての意図をご説明し、ご相談の結果もっと良いアプローチがありそうな場合
てしまいます。
には柔軟に対応します。
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4.
宿題、持ち物は自己管理させる。自分の荷物は自分で持たせる。
宿題をすべてやっていなくても、分からないと空欄になっていても、それはそのままライトスタッフ
に持ってきてください。4 年生以上の大規模塾と違って一人一人の取り組み具合はきっちり把握できます
ので、教室で叱られたりしながら宿題のペース配分を中学受験塾に進学される前に覚えていただきます。
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もちろん、全てがそんなに思い通りに行くわけではありません。しかし、
「あるべき姿」
「やるべきこと」を知っておいた上で、
それに近づく努力をライトスタッフと一緒にしてみましょう。
完璧主義は、それはそれであまり良くありません。昨日よりも今日、今日よりも明日、一つでも実践できれば良いのではない
でしょうか。気負わず、お子さんの成長を楽しんでまいりましょう!
また空欄についても、全力で考えた結果の仕方のない空欄なのか、それほど時間をかけずに「とりあ
えず」空欄にしたのか、ライトスタッフではすぐに分かります。分からなかった問題については教室で
参考文献
:
ヒントを小出しにしたり、調べ方を教えたりして仕上げて行きますので、ご協力をよろしくお願いしま
元聖徳学園小学校校長
園田達彦先生
著
「知能を伸ばす」
す。
待合室の本棚最上段にありますのでぜひ一度ご覧ください。
Ⅰ-三
子どもの知能を伸ばす15か条