今回の開催結果 平成 27 年 6 月 30 日(火) 14:00~15:30 テーマ:「良いほくろ、悪いほくろ」 講師 :一宮市立市民病院 皮膚科医師 内容 :パワーポイントによる講義 笹田 佳江 参加者:44 名 講演要旨: 一般にほくろと言われているものは医学的には色素性母斑という良性腫瘍を意味します。 これは表皮の一番下の基底層にあるメラニンを作る母斑細胞が腫瘍性に増殖した腫瘍で、 メラニンの量、メラニンの存在する深さにより色やその濃さが変わってきます。 色素性母斑は良性であり大きくなる事はあっても転移はしないため、治療の必要はありま せん。また刺激を加える事によって悪性化したりする事もありません。 一方、母斑細胞が癌化し腫瘍性に増殖したものは悪性黒色腫という悪性腫瘍になります。 悪性黒色腫は皮膚癌の一種で悪性度が強いため、放置しておくと体のリンパ節や内臓に転 移をしていきます。転移する前に早期発見をして早期治療を行うことが望ましく、早期発 見のポイントとしてABCDに注意する事が必要とされています。 A:asymmetry:左右不対称、 B:bordee C:color irregularity:境界不鮮明、 variegation:色調の色むら、 D:diameter:径 6mm以上、 ABCDが必ず悪性を意味するという事はないですが、悪性を疑う手がかりになります。 診断は、ダーマスコピーという病変を 10~30 倍にしてみる器具を使用して判断する場合と、 病変を一部または全部切除して顕微鏡で細胞をみる病理組織検査で判断する場合がありま す。 悪性黒色腫は悪性度の強い悪性腫瘍ですが、早期発見・早期治療を行えば生命に関わらない ため、体に気になる腫瘍がある場合は皮膚科に受診をして下さい。
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