海外安全対策情報(2015年7月~9月) 在トルコ日本国大使館 1 治安情勢及び一般犯罪の傾向 (1)治安情勢 シリア及び北イラクで活動しているイスラム過激派組織ISIL(イラク・レバン トのイスラム国)については、7月20日にトルコ南東部のシャンルウルファ県スル チュにおいて、シリア国内のクルド人を支援する団体を狙ったとみられる自爆テロ事 件を起こし、34人の死者を出しました。退避勧告が発せられているシリア国境付近 はもとより、トルコ南東部等においても、ISIL関係者の流入が懸念されています。 トルコ南東部を中心に、治安機関等に対するテロや武力攻撃を繰り広げてきた PKK(クルド労働者党)については、2013年3月に、停戦宣言が出されて以降、 テロ活動は減少傾向にあったものの、上述のスルチュにおける自爆テロ事件及び22 日にシャンルウルファ県で発生したPKKによる警察官2人の殺害事件以降、トルコ 政府はテロリストに対する取締りを強化し、PKKもテロ活動を活発化させたこと等 により、トルコ政府とPKKの和平交渉も停止し、南東部及び東部においては、PK Kによるトルコ軍及び警察へのテロ行為が多発しており、多くの兵士及び警察官が死 亡し、市民にも一部被害が出ています。 また、これらPKKによるテロ活動に抗議する市民デモが各地で行われており、一 部暴徒化したデモ参加者がクルド系の政党事務所に対する破壊活動等を行うなどして おり、デモに対しても十分注意が必要です。 (2)一般犯罪の傾向 ア 2007年以降の犯罪統計は公表されていないため、犯罪傾向を分析することは 困難ですが、特段、一般治安情勢が悪化しているとは認められません。 イ 日本人が巻き込まれやすい犯罪としては、イスタンブール等の観光地におけ る窃盗(スリ、置き引き、ひったくり等)及び詐欺(じゅうたん・宝石の押売、ぼ ったくりバー等)が挙げられます。 2 殺人・強盗等凶悪犯罪の事例 期間中、日本人の被害は報告されていません。 他方、これまでにも特に単独旅行中の邦人女性を狙った性犯罪が発生しています。 見知らぬ人に安易についていかないなど、自ら危険を回避する行動が必要です。 3 テロ・爆弾事件発生報告 7月20日のシャンルウルファ県スルチュにおけるISILによる自爆テロ事件以降 テロの数が増加しており、トルコ南東部及び東部において、7月は(7月20日以降) 13件、8月は74件、9月は62件のテロ行為が確認されています。主に、PKKに よるトルコ軍及び警察に対するテロ行為となっています。 4 誘拐・脅迫事件発生状況 日本人の被害は報告されていません。 5 その他在留邦人、邦人企業が注意すべき事項 イスタンブール、アンカラ等の都市部においては、社会情勢等を受けて突発的にデモ が発生する場合があり、警察当局の介入の仕方によっては、付近の通行人や建物等に被 害が及ぶ恐れもあるので、デモや抗議活動を認知したら不用意に近づかないなどの注意 を要します。 11月1日には再選挙が予定されていますが、6月には総選挙の2日前にトルコ南東 部のディヤルバクルにおける選挙集会の会場で爆弾テロが発生し、2人の死者、100 人以上の負傷者が出ています。11月の再選挙に向けて、選挙関連の場所、政府関係機 関等についてもテロの対象となる可能性がありますので、必要がない限り近づかないな どの注意を要します。 最新の安全情報については、外務省海外安全ホームページにてご確認ください。
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