緑内障と緑内障発作は別物 緑内障は年単位で徐々に悪化しますが、緑内障発作は時間単位で 急激に悪化します。 しかも、緑内障の眼圧は 20 とか 25mmHg なのですが、 緑内障発作は 50 とか 60mmHg になります。 無治療だと失明する可能性が高いです。 緑内障発作の機序 ではなぜこんなに眼圧が高くなってしまうのでしょうか? それは水晶体が厚くなるからです。 房水は毛様体で産生されて、水晶体と虹彩との間を通り、 隅角にあるシュレム管から吸収されます。 水晶体は加齢と伴に少しずつ厚くなります。 そうすると、水晶体と虹彩との隙間が狭くなります。 引用:町田病院 その結果、房水の流れが悪くなり後房に房水がたまります。 すると、後房の圧があがり虹彩を押し、さらに房水の流れが悪くなります。 するとより眼圧が上がり、ますます房水の流れが悪くなります。これを繰り返しあっという間に眼 圧が 50 や 60mmHg になってしまいます。 緑内障発作の治療 まずは点眼です。ピロカルピン(縮瞳薬)を頻繁に点眼します。 瞳孔を縮瞳させることで房水の排出がよくなります。そして、マンニトールの点滴も行います。 浸透圧の高いマンニトールを血管に入れることで、房水を血管に引っ張り、眼圧を下げます。 さらに、虹彩にレーザーを当て、穴を開けます。 するとそこから房水が前房に移動できるので 眼圧を下げることができます。 引用:岩間眼科 これを見たら緑内障発作を考えましょう。 緑内障発作では散瞳と毛様充血(虹彩と強膜との間の充血)がおこります。 以上 コウメイ塾引用 アトロピンは添付文書に緑内障が禁忌とされていますが アトロピン(散瞳薬)が処方されたことがありました。水晶体と虹彩との間をあけることで後房で房 水圧がさがり、虹彩の押しあがりがなおります。房水の流れがよくなり、眼圧が下がるためです。 これに関する参考文がありました。 本当は緑内障患者にアトロピンを使用しても問題ないと思っている。眼科医が閉塞隅角緑内障と 診断しておきながらこれを放置しておくことなどまずあり得ない。いろんな患者を診なくてはなら ない僻地の内科医が眼圧を測定して緑内障と診断したが,閉塞隅角か開放隅角かわからないという 状況もないだろう。つまり「緑内障と診断されているということは,閉塞隅角なら既にレーザー治 療などを施行されており,失明のおそれのある危険な状態ではない」と信じている。危険だろうか。 アトロピンの添付文書に緑内障が禁忌とされている以上,カルテに緑内障と明記されている患者に はアトロピンを一切使用すべきではないかもしれない。しかし,リバースは我慢できても急な徐脈 ではアトロピンなしではつらい。ワンショット用に薄めたプロタノールを用意しておくという手も あるが。緑内障が既知の場合はまだ対策の立てようもあるが,本当に怖いのは閉塞隅角緑内障であ りながら眼科受診をしていない症例だ。フフリー酔科医の(引用 フリー麻酔科医のひとりごと)
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