学校だより6月号 - さいたま市立春岡小学校

春岡小だより
第3号
平成27年5月29日(金)
さいたま市立春岡小学校
℡ 683-3281
日常を大切にする
校長
渡邊
朋久
月の始めに5連休があり、5月は実質3週間余しかありませんでした。そしてその大半
が運動会の準備期間でした。この学校だよりを書いている今は、仕上げの練習の真最中で
す。保護者の皆様には毎日お洗濯ありがとうございます。近隣の皆様には大変お騒がせを
しております。ご理解ご協力に心から感謝申し上げます。本番の様子は別にご報告します
ので、ここでは立派な仕上がりになることを期待して、筆を進めたいと思います。
さて、大きな行事があると子どもたちも教職員もそのことに気持ちの多くを奪われがち
なのですが、そうしたときにも勉強であったり、係活動であったり、今の時期だと健康診
断であったり、いわゆる日常の生活というものは当たり前に続いているわけです。その日
常にきちんと注意を払って、やるべきことを丁寧にやり、身に付けるべきことを正しく身
に付けることがはたしてできているでしょうか。大きなことに心を取られて、小さいけれ
ど大切なことをうっかりして後で後悔するのは、誰にでもありがちな過ちではないかと思
います。
本校が目指す児童像「は・る・お・か」の「る」、「ルールを守る子」のテーマに「くつ
をそろえよう。」を取り上げたのは、この日々の生活を立ち止まって見つめなおしてほしい
と願ったからです。
私が休日によく利用するある公共施設の男子トイレに大中小3足の
スリッパが用意されています。私はそこを使うとき必ず3足ともつま
先が向こうを向くように揃えて出てくるのですが、残念ながら次に行
くときに揃ったままになっていることはあまりありません。見るとは
なしに見ていると、2足揃っているときはたいていの人が同じように
揃えて出てきます。でも、3足同時に出払ってしまって見本になるものがなくなってしま
うと、そこまで気が回らない。その先のことに心を取られて、足元のスリッパはポンと脱
ぎ捨てられてしまうようです。こんなふうに私たちは、特に悪気はなくても、ちょっとし
た油断で小さなルール違反やマナー違反をしてしまうものなのだと思います。
「くつをそろえよう」というのは、そんな自分を戒めて、ちょっと立ち止まる習慣を身
に付けてほしいということなのです。ちょっと立ち止まって自分の行動を確かめる。それ
はルールやマナーを守るということばかりではありません。友だちと話すときちょっと立
ち止まって言葉づかいに気を付ける。勉強が一段落したところで、ちょっと立ち止まって
もう一度ミスがないかを確かめる。道路を渡るときにちょっと止まって安全を確かめるの
と同じように、日常の生活を丁寧に生きるということです。
そんなに神経質にならなくていいのです。一挙手一投足そのたびに考え込んでいたら何
もできませんから。ただ、ときどき立ち止まってみる。確かめてみる。靴を揃えることが
そのきっかけになってくれればよいと思います。