AxyPrep MAG フラグメントセレクト

Axygen® AxyPrep MAG
フラグメントセレクト - I キット
Illumina® および Life Technologies ™ の次世代シークエンシングに
対応したフラグメントサイズセレクション
概要
AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I キットは、独自のマグネティックビーズ技術を用いた、DNA
サイズ選択を迅速かつハイスループットで行うためのキットです。Illumina® および Life Technologies™
の次世代シークエンシングプラットフォームにおける、フラグメントサイズの選択プロセスに適していま
す。AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬の濃度を変えることにより、様々なフラグメントサイ
ズの DNA が、選択的にビーズへ吸着します。AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬の濃度が高
いほど、短い DNA フラグメントがビーズへ吸着します。
AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I キットは、大きく二つのプロセスに分かれています。まずは目
的の DNA サイズに合わせて、AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬量と DNA サンプル量の最
適な比率を決定します。次に、その比率を用いて、目的の DNA フラグメントサイズを選択、精製します。
AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I キットを用いて目的の DNA フラグメントサイズを選択するに
は二通りの方法があります。短い DNA フラグメントを除くことのみが目的であれば、1 ステップ法で
完了します。もし長い DNA フラグメントと短い DNA フラグメントの両方を取り除くことが必要であれ
ば、2 ステップ法で行うことをお勧めします。
AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I キットは、DNA 溶液の容量によって、チューブと 96 ウェルフォーマッ
トのどちらでも実施可能です。
操作法は以下より構成されています:
◗◗ 目的長より長い DNA フラグメントをマグネティックビーズに結合させる。
◗◗ 目的のフラグメントサイズの DNA をマグネティックビーズに結合させる。
◗◗ 目的の DNA フラグメントを回収する。
• エタノール洗浄により夾雑物を取り除く。
• 最終溶出ステップで、目的の DNA フラグメントを回収する。
目的のサイズより長いフラグメントおよび短いフラグメントは、結合ステップと洗浄ステップで取り
除かれます。精製された DNA フラグメントは夾雑物を含みません。マグネティックビーズに吸着する
DNA フラグメントは DNA サンプルに添加する AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬の量に依
存します。添加する AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬の量が増加すると、より短い DNA フ
ラグメントが抽出されます。本キットは、AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬の量を調節する
ことにより、200 bp - 1,000 bp の範囲で DNA フラグメントサイズを選択できます。
AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I キットを用いたアプリケーション例
◗◗ PCR
◗◗ シークエンシング(サンガー法、NGS)
◗◗ クローニング
1
試料調製
◗◗ サンプルは、分子生物学グレード水もしくは Tris-HCl(例:10 mM Tris, pH8.5)や TE バッファー
(例:10 mM Tris, 0.1 mM EDTA, pH8.5)などの一般的なバッファーに溶解する。
◗◗ 目的とするフラグメントサイズは 200 bp から 1,000 bp の範囲内とする。
◗◗ ピペッティングの正確さを保つため、サンプル量は 50 µ L 以上とする。サンプル量が 50 µ L
未満の場合は、分子生物学グレード水もしくは一般的なバッファー(Tris-HCl や TE バッファー)
を用いて、50 µL にする。
◗◗ サンプルの DNA 濃度は 50 µg/mL 以上であることが望ましい。低濃度のサンプルを用いること
は、目的とするフラグメントの低回収率につながる。
プロセスの概要
A. 1 ステップ法:短い DNA フラグメントの除去
1. AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I を DNA 溶液に加え、長いフラグメントをマグネティッ
クビーズへ吸着させる(添加する AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬の量を減らすと、
沈殿効率が低下するため、長い DNA がビーズへ吸着する)。目的とする DNA フラグメントサ
イズより小さなフラグメントが溶液中に残る。
2. マグネティック装置に設置し、目的のフラグメント(ビーズへ吸着)と短い DNA フラグメント
(溶液中)を分離する。
3. 上澄み液を取り除く。
4. マグネティック装置へ設置したまま、80% エタノールでビーズを洗浄し、塩や夾雑物を取り除く。
2 回行う。
5. 目的の DNA フラグメントを溶出し、新しいプレートへ回収する。
B. 2 ステップ法:長い DNA フラグメントおよび短い DNA フラグメントの除去
1. AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I を DNA 溶液に加え、長いフラグメントをマグネティック
ビーズへ吸着させる(このステップで目的とする DNA フラグメントサイズより長い DNA を除去
する)
2. ビーズと上澄み液を分離する。
3. 2 の上澄み液にビーズをさらに加え、目的とするサイズの DNA フラグメントをマグネティック
ビーズに吸着させる。
4. 80% エタノールでビーズを洗浄し、塩や夾雑物を取り除く。2 回行う。
5. 目的とする DNA フラグメントを回収する。
キット内容
◗◗ AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬
• キットがお手元に届きましたら 4℃で保存してください。
• 使用期限は製造より 12 ヶ月です。
• 使用前には室温に戻し、よく懸濁の上ご使用ください。
• 見ため上、均一に混和する必要があります。
ご用意いただく試薬及び器具
◗◗ 100% エタノール
◗◗ 70% エタノール
◗◗ 10 mM Tris-HCl, pH=8.0
◗◗ 試薬グレード水
◗◗ 10 mM Tris-HCl pH=8.0, 1 mM EDTA
◗◗ 96 ウェル PCR プレート(Axygen Cat. No.:PCR-96-FS-C, PCR-96M2-HS-C)
◗◗ IMAG マグネティックセパレーション装置(Axygen Cat. No.:IMAG-12T, IMAG-96P)
2
IMAG マグネティックセパレーション装置セレクションガイド
(キットには含まれていません。お近くの Corning / Axygen 取扱代理店へお問い合わせください)
IMAG マグネティックセパレーション装置は各種 AxyPrep MAG キットのプロトコルに適するよう
設計されています。使用容量に応じて下表より最適なチューブおよびプレートを選択してください。
カタログ番号
IMG-12T
IMG-96P
製品名
IMG マグネティックセパレーション装置
スクリューキャップチューブ用
IMG ユニバーサルマグネティック装置
PCR および 96 ウェルプレート用
入数
ブランド
1組
Axygen
1組
Axygen
IMAG-12T マグネティックセパレーション装置用スクリューキャップチューブ
カタログ番号
製品名
入数
ブランド
SCT-050-SS-C
0.5 mL 自立型スクリューキャップチューブ
O リング付きキャップ 透明
500 本 / 包
4000 本 / ケース
Axygen
SCT-150-SS-C
1.5 mL 自立型スクリューキャップチューブ
O リング付きキャップ 透明
500 本 / 包
4000 本 / ケース
Axygen
SCT-200-SS-C
2.0 mL 自立型スクリューキャップチューブ
O リング付きキャップ 透明
500 本 / 包
4000 本 / ケース
Axygen
IMAG-96P マグネティックセパレーション装置用 96 ウェルプレート
カタログ番号
製品名
3365
360 µL 96 ウェル丸底プレート
3797
330 µL 96 ウェル丸底プレート
3957
0.5 mL 96 ウェル V 底プレート
PCR-96-FS-C
0.2 mL 96 ウェル PCR プレートフルスカート
PCR-96M2-HS-C 0.2 mL 96 ウェル PCR プレートハーフスカート
3359
1 mL 96 ウェル丸底プレート
3961
2 mL 96 ウェル丸底プレート
入数
25 枚 / 包
100 枚 / ケース
25 枚 / 包
100 枚 / ケース
10 枚 / 包
100 枚 / ケース
10 枚 / 包
50 枚 / ケース
10 枚 / 包
50 枚 / ケース
5枚/包
100 枚 / ケース
5枚/包
100 枚 / ケース
ブランド
Corning
Corning
Corning
Axygen
Axygen
Corning
Corning
3
AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I キットの 1 ステップ操作法
1. 常温に戻した AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬 35 µL を、50 µL の DNA 溶液に
加える(目的の DNA フラグメントサイズ:>400 bp)。ピペッティングを 5 回繰り返し混合
する。その後、室温で 5 分静置する。この時、400 bp 以上のフラグメントサイズがマグネティック
ビーズに吸着し、短い DNA フラグメントが溶液に残る。
注:400 bp のフラグメントサイズを得るときの AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬
の DNA 溶液に対する比率は 0.7x です。DNA 溶液の量が 50 µL 以上の場合、この比率に
従って添加する AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬の量を調整する。
注:AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬は、
サンプルへの添加前に軽くボルテックスする。
2. マグネティック装置に設置し、目的の DNA フラグメントが含まれる溶液とマグネティックビー
ズを分離する。溶液が透明になるまで、室温に静置する。
3. 透明な上澄み液を取り除く。
4. プレートをマグネティック装置に設置したまま、200 µL の 80% エタノールを用いてビーズを
洗浄する。ビーズを乱さないよう、軽くピペッティングを 5 回繰り返す。エタノールを取り除く。
注:ピペッティングは、ビーズが吸着している面と反対の壁面で行い、ビーズを乱さないよう
注意する。
5. 3, 4 を繰り返す。
6. 2 回目の洗浄後、80% エタノールを完全に取り除き、室温で 5 分間風乾する。
注:残留したエタノールは、下流アプリケーションに影響を与えるため、長めの風乾が必要にな
ることがある。ただし、過度に風乾した場合( 37 ℃ で風乾するなど)、溶出効率が著し
く低下する。
7. プレートをマグネティック装置から外し、20 µL の分子生物学グレード水もしくは一般的な
バッファー(Tris-HCl や TE バッファー)を加え、目的の DNA フラグメントを溶出する。
8. プレートをマグネティック装置に設置し、溶液とビーズを分離する。透明になるまで 1 分間
静置する。
9. 透明な DNA 溶液を新しいプレートへ移す。
10. Bioanalyzer を用いて、回収した DNA フラグメントサイズと濃度を確認する。
4
AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I キットの 2 ステップ操作法
(目的フラグメントサイズ:300 bp – 400 bp)
1. 常温に戻した AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬 35 µL を 50 µL の DNA 溶液に
加える。ピペッティングを 5 回繰り返し混合する。その後、室温で 5 分静置する。この時、
400 bp 以上のフラグメントサイズがマグネティックビーズに吸着し、短い DNA フラグメントが
溶液に残る。
注:400 bp のフラグメントサイズを得るときの AxyPrep フラグメントセレクト - I 試薬の DNA
溶液に対する比率は 0.7x です。DNA 溶液の量が 50 µL 以上の場合、この比率に従って
添加する AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬の量を調整してください。
注:AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬は、
サンプルへの添加前に軽くボルテックスする。
2. マグネティック装置に設置し、目的の DNA フラグメントが含まれる溶液とマグネティックビー
ズを分離する。溶液が透明になるまで、室温に静置する。
3. 上澄み液を新しいプレートに移す。
4. 10 µL の AxyPrep MAG フラグメントセレクト - I 試薬を、3 の上澄み液に加える。ピペッティング
を 5 回繰り返す。その後、室温で 5 分静置する。
5. 96 ウェルプレートをマグネティック装置へ設置し、透明になるまで静置する。
注:目的の DNA フラグメントはビーズへ結合している。
6. 透明な上澄み液を取り除く。
7. プレートをマグネティック装置に設置したまま、200 µL の 80% エタノールを用いてビーズを
洗浄する。ビーズを乱さないよう、軽くピペッティングを 5 回繰り返す。エタノールを取り除く。
注:ピペッティングは、ビーズが吸着している面と反対の壁面で行い、ビーズを乱さないよう注
意する。
8. 6, 7 を繰り返す。
9. 2 回目の洗浄後、80% エタノールを取り除き、室温で 5 分間風乾する。
注:残留したエタノールは、下流アプリケーションに影響を与えるため、長めの風乾が必要に
、溶出効率が著しく
なることがある。ただし、過度に風乾した場合(37℃ で風乾するなど)
低下する。
5
10. プレートをマグネティック装置から外し、20 µL の分子生物学グレード水もしくは一般的な
バッファー(Tris-HCl や TE バッファー)を加え、目的の DNA フラグメントを溶出する。
11. プレートをマグネティック装置に設置し、溶液とビーズを分離する。透明になるまで静置する。
12. 透明な DNA 溶液を新しいプレートへ移す。
13. Bioanalyzer を用いて、回収した DNA フラグメントサイズと濃度を確認する。
2 ステップ操作法での目的フラグメントサイズごとの推奨比率(バッファー中のビーズ量 / サンプル
量)組み合わせ表
第 1 結合
第 2 結合
目的フラグメントサイズ範囲
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
0.7
0.8
0.9
1.0
1.1
1.2
400 bp – 1,000 bp
300 bp – 800 bp
300 bp – 400 bp
200 bp – 300 bp
200 bp – 300 bp
200 bp
注:最終的に回収される DNA フラグメントは該当するフラグメントサイズ範囲内で分散しています。
均一のフラグメントサイズのみが回収されるわけではありません。
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