No13 2015年12月発行 ~歯周病で糖尿病が悪化!~ 糖尿病になると歯周病リスクが高まる! けんせい歯科 歯科衛生士 田中 舞 糖尿病と歯周病は深く関係しています。歯周病菌は歯周組織を破壊するだけで なく、全身にも悪影響を及ぼします。元々は、プラーク(歯垢)や歯石の中に潜んでいた歯周 病の原因菌が、歯肉から血管の中に入って全身を巡ります。血液中に侵入した歯周病菌は、 糖尿病の他、心筋梗塞などの心臓病、動脈硬化、脳梗塞などのリスクを高めるとも言われ、 口の中だけの問題ではなく命を脅かすほどの悪影響を及ぼすことがあります。 歯周病が糖尿病を悪化するメカニズム 糖尿病とは、血糖値のコントロールがうまくいかず高血糖の状態が続いてしまう病気です。原因は 様々ですが、その一つにインスリン(インシュリン)が作用しにくくなってしまうことが挙げられます。 インスリンとは、血糖値を下げる働きを持つ唯一のホルモンで、このインスリンが不足したり、働き が弱くなったりすると血糖値の高い状態が続きます。歯周病菌は、血液中に侵入してこのインスリン の分泌を抑制する働きがあるため糖尿病を悪化させてしまいます。そのため、糖尿病の方は、血糖値 のコントロールに加え、プラークコントロールや歯周病の適切な治療が重要となります。 糖尿病だと歯周病が進行しやすい! 糖尿病になると、傷が治りにくい、唾液の 分泌が減少し口が渇きやすい、血管の柔軟性 も低下し、さらには体を守る力も低下して くるため様々な病気に感染しやすくなります。 そのため、細菌が原因の歯周病も同様で、 糖尿病だと歯周病が進行しやすくなります。 糖尿病と歯周病の悪循環 糖尿病になる と歯周病を進行 させやすく、歯周病に なると糖尿病を悪化 させてしまいます。つまり、糖尿病が悪化すると、歯周病が進行し、 さらなる糖尿病の悪化を招きます。糖尿病には、様々な合併症があり ますが、歯周病も合併症の一つと言われています。 参考「歯周病バイブル:糖尿病と歯周病の関連性」 ―糖尿病・歯周病イラストよりー (periodontosis-bible.info/diabetes-periodontosis html.)より
© Copyright 2024 ExpyDoc