1 9. 炭化水素 9.1. 飽和炭化水素 有機物とよばれるものは炭素を骨格

9. 炭化水素
9.1. 飽和炭化水素
有機物とよばれるものは炭素を骨格として、炭素がつき、その周りに水素、
酸素、窒素やその他の元素がついている。その最も基本が炭化水素である。こ
れは、炭素と水素からなっている。
炭化水素には、飽和炭化水素と不飽和炭化水素がある。これは、水素がさら
に反応して結合できるかどうかで呼び名が決まる。不飽和炭化水素は更に水素
と反応することができる。飽和炭化水素は、水素と結合を作ることができず、
一般に CnH2n+2 と書く。(n は炭素の数。)一番簡単なのがメタンである。
CH4 である。n が増えるに従い、表のような名前が付けられる。
最初の10個くらいは覚えよう。
n
1
化学式
CH4
名称
メタン
英語名
Methane
置換基
メチル
CH3
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
C2H6
C3H8
C4H10
C5H12
C6H14
C7H16
C8H18
C9H20
C10H22
C11H24
Ethane
Propane
Butane
Pentane
Hexane
Heptane
Octane
Nonane
Decane
Undecane
エチル
プロピル
ブチル
ペンチル
ヘキシル
へプチル
オクチル
ノナニル
デシル
ウンデシル
C2H5
C3H7
C4H9
C5H11
C6H13
C7H15
C8H17
C9H19
C10H21
C11H23
12
13
C12H26
C13H28
Dodecane
Tridecane
C12H25
ドデシル
トリデシル C13H27
14
C14H30
Tetrodecane
15
C15H32
エタン
プロパン
ブタン
ペンタン
ヘキサン
へプタン
オクタン
ノナン
デカン
ウンデカ
ン
ドデカン
トリデカ
ン
テトラデ
カン
ペンタデ
カン
テトラデし C14H29
ル
ペンタデシ C15H31
ル
Pentadecane
さて、C4H10 も2種類ある。
1
左側を normal(直鎖) 右を Branch(枝分かれ)型と呼ぶ。それぞれ命名法と
して、ブタン、イソブタンと呼ばれるが、後者の命名法では,直鎖の部分が基
本となり,イソブタンは,2 メチルプロパンと呼ばれる.最初の 2 は位置をあ
らわし,端から 1,2 とつき,枝分かれの位置を示す.枝分かれした先に何が
ついているかを次に書く.このときはメチルがついてる.(CH3 をメチルとい
う.)
この置換基の命名法としては,表の一番右端に示してあり、上から順番にメチ
ル,エチル,プロピル,ブチルとつづく.すなわち,メタンの最後の語尾を
(イ)ルにすれば,CH3,C2H5 といった置換基に変身する.
9.2. 不飽和炭化水素
CnH2n で表される一群の化合物がある.
n 化学式
2 C2H4
名称
エテン
英語名
Ethene
慣用名
エチレン
環状
なし
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
プロペン
ブテン
ペンテン
ヘキセン
へプテン
オクテン
ノネン
デセン
ウンデセン
ドデセン
トリデセン
テトラデセン
ペンタデセン
Propene
Butene
Pentene
Hexene
Heptene
Octene
Nonene
Decene
Undecene
Dodecene
Tridecene
Tetrodecene
Pentadecene
プロピレン
ブチレン
シクロプロパン
シクロブタン
シクロペンタン
シクロヘキサン
シクロへプタン
シクロオクタン
シクロノナン
シクロデカン
シクロウンデカン
シクロドデカン
トリデカン
シクロテトラデカン
シクロペンタデカン
C3H6
C4H8
C5H10
C6H12
C7H14
C8H16
C9H18
C10H20
C11H22
C12H24
C13H26
C14H28
C15H30
構造的には,C=C の 2 重結合を一つ持つものである.
問1
C4H8 には 2 重結合が異な3種類の異性体がある.それぞれの構造式をのべよ.
末端から数えて 2 重結合の位置が一番にあるのと 2 番目にある C4H8 でそれぞ
れ 1-ブテン,2-ブテンと呼ぶ.また,一つの炭素に二つの炭素がくっつくと,
2
C4H8 の化学式でありながら,枝分かれが生じてくる.これは,2 メチルプロペ
ンとよぶ.(慣用名イソブタン)
問2
2 重結合がなくても C4H8 とかけるものがある.その構造を述べよ.
ブタンを考えてみよう.末端の C 同士が H を一個ずつのぞいて,結びつき,環
状構造をとったらどうなるだろうか? そう C4H8 とかける.これは,環状の
ブタンということで,シクロブタンと呼ぶ.一般にシクロプロパンから存在す
るが,環を無理矢理曲げているので,不安定であり,シクロヘキサンくらいか
ら安定化する.
環になれば,シクロがつくと覚えておけばよい.
では,3 重結合はどうなるか C2H2 はアセチレンである.アセチレンバーナと
かで使われている.日本では,エチンと呼ぶ.Ethyne.となる.ane-> yne とすれ
ばよい.この系列は,CnH2n-2 と書き表すことができる.
ベンゼン、芳香族
炭化水素で有名なものにベンゼンがある。化学式で書くと C6H6
である。交互に 2 重結合があると書くと、表すことができる。
(共役 2 重結合)一般に水素は略して
かく。ほかにも交互に 2 重結合がある
ものがある。ナフタレンがそうである。
問 3 ベンゼン環の書き方にもう一種類ある。どういう書き方であるか?
ものか?
この二つはちがう
ベンゼンの亀の子がどんどん増えていったらどうなるだろうか
しまいには、黒鉛まで行き着く。
9.3. 異性体の話,
有機化合物には同じ化学式でかけても構造の違い多数の異性体が存在する.
大きく分けて,炭素や置換基の並び方が違う構造異性体と立体的な配置の違う
立体異性体がある.
3
立体異性体には配座異性体と配置異性体があり,
配置異性体には,幾何,光学,ジアステレオマーがある.
図にすると下のようになる.
問 9.3-1 各異性体を調べ A4 3page にまとめよ
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