14 多変数関数・連続性・偏微分

14
多変数関数・連続性・偏微分
基本事項
1 多変数関数の連続性
関数 f : A(⊂ RN ) → R が x0 ∈ A で連続である
[
]
def
⇐⇒ ∀ε > 0, ∃δ > 0, ∀x ∈ A |x − x0 | < δ ⇒ |f (x) − f (x0 )| < ε
√
)
(ただし,x = (x1 , x2 , · · · , xN ) ∈ RN に対して,|x| = x21 + x22 + · · · x2N である.
2 2変数関数の偏微分 (3変数以上の場合は教科書を参照)
A ⊂ R2 で定義された 2 変数関数 f : A → R について, (x0 , y0 ) ∈ A に対して,
(1) 変数 y を y0 に固定して, x 7→ f (x, y0 ) という x についての 1 変数関数を考える. この関数が x0 で微分可能
であるとき, 2 変数関数 f は点 (x0 , y0 ) においてx に関して偏微分可能であるという. この x0 での微分係数
lim
h→0
f (x0 + h, y0 ) − f (x0 , y0 )
h
∂f
(x0 , y0 ) または fx (x0 , y0 ) と表す. A の全て
∂x
の点で x に関して偏微分可能であるとき,A の各点 (x, y) にその点での x に関する偏微分係数 fx (x, y) を対
応させる関数を f の x についての偏導関数という.
を点 (x0 , y0 ) における関数 f の x に関する偏微分係数といい,
(2) 変数 x を x0 に固定して, y 7→ f (x0 , y) という y についての 1 変数関数を考える. この関数が y0 で微分可能
であるとき, 2 変数関数 f は点 (x0 , y0 ) においてy に関して偏微分可能であるという. この y0 での微分係数
lim
h→0
f (x0 , y0 + h) − f (x0 , y0 )
h
∂f
(x0 , y0 ) または fy (x0 , y0 ) と表す. A の全て
∂y
の点で y に関して偏微分可能であるとき,A の各点 (x, y) にその点での y に関する偏微分係数 fy (x, y) を対
応させる関数を f の y についての偏導関数という.
を点 (x0 , y0 ) における関数 f の y に関する偏微分係数といい,
3 C r 級関数
N 変数関数 f (x1 , x2 , . . . , xN ) の r 階以下のすべての偏導関数が存在し, それらがすべて連続なとき, f を
C r 級関数という. すべての r ∈ N に対して C r 級な関数を C ∞ 関数という.
【14−1】 次のように R2 → R の関数を定めたとき, f の原点 (0, 0) での連続性を調べよ.

 2xy
2
(
)


 x y
(x, y) ̸= (0, 0) ,
2
2
2
x +y
x + y2
(1) f (x, y) =
(2) f (x, y) =
(
)



0
(x, y) = (0, 0)
0


3
3
(
)
x2 y



 x −y
(x, y) ̸= (0, 0) ,
2
2
2
2
2
(x + y )
x +y
(3) f (x, y) =
(4) f (x, y) =
(
)




0
0
(x, y) = (0, 0)
(
)
(x, y) ̸= (0, 0) ,
(
)
(x, y) = (0, 0)
(
)
(x, y) ̸= (0, 0) ,
(
)
(x, y) = (0, 0)
【14−2】 関数 f (x, y) =





2xy
+ y2
for (x, y) ̸= (0, 0)
0
for (x, y) = (0, 0)
x2
について, fx (0, 0) と fy (0, 0) が存在する
ことを示せ.
【14−3】 次の関数の原点における偏微分係数を求めよ.

 √ xy
for (x, y) ̸= (0, 0)

√
2 + y2
x
(1) f (x, y) =
(2) g(x, y) = x2 + y 2


0
for (x, y) = (0, 0)
【14−4】 次の x, y に関する関数の 1 階偏導関数を求めよ. ただし, a, b は 0 でない定数とする.
(1) x2 y + x3 y 2
√
(3)
x2 + y 2 (x2 + y 2 ̸= 0)
x
(2) xy (x > 0, x ̸= 1)
(4) sin(ax + by)
(5) e y (y ̸= 0)
(6) log(x2 + y 2 ) (x2 + y 2 ̸= 0)
(7) logx y (x > 0, x ̸= 1, y > 0)
(8) tan−1
y
(x ̸= 0)
x
【14−5】 次の x, y に関する関数の 2 階偏導関数を求めよ.
(1) 2xy 3 + y 2
y
(3)
(x ̸= 0)
x

2
2

 xy(x − y )
x2 + y 2
【14−6】 関数 f (x, y) =


0
(1)
fx (0, y) と fy (x, 0) を求めよ.
(2)
fxy (0, 0) ̸= fyx (0, 0) を示せ.
2
2
(2) ex +y
√
(4) x x2 + y 2 (x2 + y 2 ̸= 0)
for (x, y) ̸= (0, 0)
for (x, y) = (0, 0)
について次の問いに答えよ.