演習問題8

微分積分学および演習Ⅱ 演習問題 8
2016 年度後期
工学部・未来科学部 1 年
担当: 原 隆 (未来科学部数学系列・助教)
演習課題
Exercises in class ※ ∗ 印の付いた問題は少し計算が大変な問題、∗∗ 印の付いた問題はチャレンジ問題です。
問題 8-1. (2 変数関数の極値問題)
以下の 2 変数関数 f (x, y) の極値および極値をとる点を、次の手順にしたがって求めなさい。
【手順】
それぞれの関数の偏導関数 fx (x, y), fy (x, y) を計算し、臨界点をすべて求めなさ
い。また、それぞれのヘッセ行列 Hf (x, y) およびヘッセ行列式 hf (x, y) を計算し、求めた臨
界点が (ⅰ) 極大値を取る
(ⅱ) 極小値を取る
(ⅲ) どちらでもない (鞍点) のどれに当て
嵌るかを判定しなさい。
※ 参考資料 5 の「極値判定のフローチャート」も参考にすること!!
(1) f (x, y) = −x2 − 2y 2 + 4x
(2) f (x, y) = x2 + xy − y 2 − 5x
(3) f (x, y) = x2 − 2xy + 3y 2 + 2x + 4y + 1
(4) f (x, y) = x3 − 3x2 + y 2 + 2xy − 4y + 2
(5) f (x, y) = y 4 + x2 − 2xy − 7y 2 + 3
(6) f (x, y) = sin x + cos y
∗
(7) f (x, y) = (x + y )e
2
2
(8)∗∗ f (x, y) = xye−(x
2
(0 ≤ x, y ≤ 2π の範囲で )
y 2 −x2
+y 2 )
問題 8-2. (2 変数関数の極値問題: ヘッセ行列式の値が 0 となるとき)∗∗
2 変数関数 f (x, y) = 3x2 + 10xy 2 + 3y 4 および g(x, y) = 4x2 − 12xy 2 + 9y 4 について以下の設問に
答えなさい。
(1) 関数 f (x, y), g(x, y) はそれぞれ 唯一つ の臨界点 (xf , yf ) および (xg , yg ) を持つ。それぞれ
の臨界点 (xf , yf ) と (xg , yg ) を求めなさい。
(2) 臨界点に於けるヘッセ行列式の値
hf(xf , yf ), hg (xg , yg ) が 共に 0 となる ことを示しなさい。
(3) 関数 f (x, y), g(x, y) を 因数分解 しなさい。
【ヒント】分かりづらければ Y = y 2 と変数変換してみなさい。
∗∗
(4)
(3) の結果を用いて f (x, y) − f (xf , yf ) および g(x, y) − g(xg , yg ) の 符号 がどうなって
いるかを考察しなさい。その考察をもとに、(xf , yf ) および (xg , yg ) がそれぞれ極大点であ
るか、極小点であるか、鞍点であるかを判定しなさい。
※ 本問のように、ヘッセ行列式の値が 0 になっている臨界点で極値を取るかどうかを
簡単に判定出来るケースは非常に稀であって、ヘッセ行列式の値が 0 であるような
臨界点の極値判定問題は一般には 非常に困難極まりない問題 である。