電子記録債権制度への期待について 平成27年2月 経済

電子記録債権制度への期待について
平成27年2月
経済産業省経済産業政策局産業資金課
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電子記録債権とは
 手形・小切手とも指名債権とも異なる新しい種類の債権。*
 発生・譲渡記録によって発生し、譲渡される。
 発生原因が無効となっても当然には無効にならない(無因性)。
記録機関
記録原簿
(1) 発生記録
債務者
(2) 譲渡記録
債権者
(1) 発行
新債権者
(2) 譲渡
(3) 口座間送金決済

手形・小切手と同水準の安全性
•
存在及び帰属を電子的記録の形式で
可視化(譲渡禁止特約や二重譲渡の
リスクなし)

手形・小切手にはない利便性
•
•
分割可能
印紙税、手形要件の確認、紛失・盗難
防止等の事務・管理コストを節減

手形・小切手代替的な利用形態以
外にも様々な用途に対応
•
•
•
•
証券化
キャッシュ・マネジメント・システム
一括ファクタリング
シンジケートローン流動化 等

なお、将来債権譲渡での利用(AB
Lでの活用)可能性が電子記録債
権の「最大の課題」
* 電子記録債権法(平成19年法律第102号)
2
電子記録債権制度創設の背景(1)
 中小企業向け貸出金は減少傾向。
 手形取引も縮小傾向。
 e-Japan II 戦略(平成15年度IT戦略本部決定)において、与信方法の多様化、融資に関す
る手続の簡素化により中小企業の資金調達環境を改善することが「先導的取組」として位置
付けられる。
単位 : 兆円
300
ピーク 266兆円
e Japan II 戦略
(IT戦略本部決定)
250
電子記録債権法成立
171兆円
200
貸出
150
受取手形
100
支払手形
50
0
1995
2000
2005
2010
(出所) 日本銀行 貸出先別貸出金、法人企業統計年報
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電子記録債権制度創設の背景(2)
 商流、物流に加え、金流を電子化。
経済活動
IT化前
IT化後
商流
発注
請求
電話・FAX
標準EDI
物流
出荷
検品
伝票・バーコード
(手作業)
ICタグ
金流
債権
発生
債権
移転
売掛債権
手形債権
電子債権
債権
消滅
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電子記録債権制度創設の経緯
平成15年
IT戦略
本部
経産省
電子記録債権法成立
(平成19年6月)
平成16年
平成17年
電子債権法提言
電子債権構想
電子債権プログラム
金融システム化
に関する
検討小委員会
ビジネスモデル
WG
電子記録債権法施行
(平成20年12月)
平成18年
平成19年
平成20年
電子債権の管理・
流通インフラに関
する研究会
電子記録債権
制度に関する
研究会
電子記録債権
制度の活用に
関する研究会
下請法の調整等
私法面の検討
法要綱作成
電子債権研究会
法制審議会
電子債権法部会
金融システム面
記録期間の要件検討
金融審議会
金融審議会
E‐Japan II 戦略
沖縄電子債権
実証実験
法務省
関係制度の整備
金融庁
全銀協
「電子記録債権の
活用・環境整備に
向けて」を公表
電子記録債権
利用推進等
懇談会5
電子記録債権に関する最近の動向(1)
(電子記録債権の近時の動向)
 全銀行参加型の電子債権記録機関「でんさいネット」開業。【全銀協】
 金融検査マニュアルの改訂により電子記録債権の取扱いを明記。【金融庁】
 小規模企業活性化法案による中小企業信用保険法の改正により、信用保証の対象に電子
記録債権を活用した資金調達を追加。【経済産業省】
⇒ 事務コスト削減効果のある 「手形から電債へのシフト」が進むことが予想される。
(電子記録債権普及への今後の課題)
 現行の総合振込の利便性や大企業の債権譲渡禁止特約の実務慣行等もあり、 「売掛金か
ら電債へのシフト」が進むには、一定の時間を要することが予想される。
⇒ 今後も官民一体での一層の普及促進活動が必要。
※ 受取手形約24兆円に対し、売掛金約192兆円
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電子記録債権の最近の動向(2) 海外展開について【ご参考】
 国際連合国際商取引法委員会(UNCITRAL)第四作業部会で「電子的移転可能記録」(Electric
Transferable Records)を検討中。
 検討結果(モデル法等)が紙媒体の移転可能証券の電子化を基本としたものとなり、アジア各国がこれに
倣った国内法を制定する場合、我が国の電子記録債権法が国際的に見て特異な法体系となり(ガラパゴ
ス化)、電子記録債権制度の海外展開の妨げとなるおそれがある。
 作業部会では、モデル法の射程、「電子的移転可能記録」の定義が主要な論点の一つ。
•
•
モデル法の事務局草案は、 「電子的移転可能記録」を紙媒体の移転可能証券の電子的同等物と定義。(我が国の
電子記録債権法と異なる枠組み。)
第47会期では、「電子的移転可能記録」を紙媒体の証券に言及することなく機能に焦点を当てて定義すべきとの、
我が国の主張について、各国から一定の理解を得ることができた。
 今後も法務省、金融庁と連携して動向を注視する必要がある。
UNCITRALの概要
正式名称
国際連合国際商取引法委員会 (United Nations Commission on International Trade Law)
目的
国際商取引法の段階的なハーモナイゼーションと統一の促進
設立
1966年12月17日 (国連総会決議)
構成国
国連加盟国60カ国 (任期6年、3年ごとの半数改選)
活動内容
条約、モデル法、勧告、文書等
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電子記録債権制度に対する期待(1) 「手形から電債へのシフト」
【手形・小切手と同水準の安全性】
 存在及び帰属の可視化(譲渡禁止特約や二重譲渡のリスクなし)
 無因性(発生原因が無効となっても当然には無効にならない)
【手形・小切手にはない利便性】
 電子記録債権は分割可能
 手形・小切手特有のリスク・コストがない

紛失・盗難等のリスクなし

手形の発行・交付のコスト節減

手形には書き込めない多様な記載事項が可能

印紙税などの課税がない
手
形
か
ら
電
債
へ
8
電子記録債権制度に対する期待(1) 「手形から電債へのシフト」
【建設業における手形から電債へのシフトの例】
 ゼネコン/発注者から受け取った電子記録債権を分割して、下請先への支払いに回すこと
も可能。
X社(ゼネコン)が発⽣させた電⼦記録債権の活⽤例
元請企業
X社からの受取
電⼦記録債権
1000
資⾦化
⼀次下請企業
⼆次下請企業
A社へ⽀払
X社の
電⼦記録債権
350
C社へ⽀払
X社の
電⼦記録債権
200
B社へ⽀払
X社の
電⼦記録債権
200
D社へ⽀払
X社の
電⼦記録債権
100
資⾦化
資⾦化
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電子記録債権制度に対する期待(2) 「企業間信用の拡大」
【売掛金・買掛金の電子債権化】
 支払企業、受取企業相互にインセンティブがある取引条件(電債払い)を双方から提示
→ 電債による企業間信用の拡大
販売企業メリット
 売掛金より安全な電子債権へ
 従来より早く現金化可
購入企業メリット
 支払サイトの延長
→ キャッシュフロー改善
→ 売掛金の金融資産化
売掛金・買掛金から電債へ
→
企業間信用の合理的な拡大
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電子記録債権制度に対する期待(2) 「企業間信用の拡大」
売掛金の電子債権化~売る側からの電債提案~
 販売先に対して、従来の現金振込と共に、よりサイトの長い電債支払を提示
 取引条件例

現金振込
毎月末日締切、翌月末現金支払

電債払い
毎月末日締切、翌月15日に(締切日起算60日)電債支払 (支払サイト60日)
販売企業
 売掛金より安全な電子債権へ
 従来より早く現金化可
(支払サイト30日)
購入企業
 支払サイトの延長
→ キャッシュフロー改善
→ 売掛金の金融資産化
双方にメリットのある企業間信用の
拡大
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電子記録債権制度に対する期待(2) 「企業間信用の拡大」
買掛金の電子債権化~買う側からの電債提案~
 購買先に対して、従来の現金振込と共に、よりサイトの長い電債支払を依頼
 取引条件例

現金振込
毎月末日締切、翌月末現金支払

電債払い
毎月末日締切、翌月15日に(締切日起算60日)電債支払 (支払サイト60日)
販売企業
 売掛金より安全な電子債権へ
 従来より早く現金化可
(支払サイト30日)
購入企業
 支払サイトの延長
→ キャッシュフロー改善
→ 売掛金の金融資産化
双方にメリットのある企業間信用の
拡大
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電子記録債権制度に対する期待(2) 「企業間信用の拡大」
取引条件例

現金振込
毎月末日締切、翌月末現金支払

電債払い
毎月末日締切、翌月15日に(締切日起算60日)電債支払 (支払サイト60日)
月末締切
翌月15日
(支払サイト30日)
翌月末
翌々月末
<支払側>
現金支出
現金振込
<受取側>
現金化可能
<受取側>
15日早い現
金化が可能
電債払い
<支払側>
電債発行
<受取側>
現金化可能
双方にメリット
電債
<支払側>
30日遅い現
金支出が可能
<支払側>
現金支出
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課題と取組について
~「企業単位の規制改革」の実現~
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【再掲】電子記録債権とは
 手形・小切手とも指名債権とも異なる新しい種類の債権。*
 発生・譲渡記録によって発生し、譲渡される。
 発生原因が無効となっても当然には無効にならない(無因性)。
記録機関
記録原簿
(1) 発生記録
債務者
(2) 譲渡記録
債権者
(1) 発行
新債権者
(2) 譲渡
(3) 口座間送金決済

手形・小切手と同水準の安全性
•
存在及び帰属を電子的記録の形式で
可視化(譲渡禁止特約や二重譲渡の
リスクなし)

手形・小切手にはない利便性
•
•
分割可能
印紙税、手形要件の確認、紛失・盗難
防止等の事務・管理コストを節減

手形・小切手代替的な利用形態以
外にも様々な用途に対応
•
•
•
•
証券化
キャッシュ・マネジメント・システム
一括ファクタリング
シンジケートローン流動化 等

なお、将来債権譲渡での利用(AB
Lでの活用)可能性が電子記録債
権の「最大の課題」
* 電子記録債権法(平成19年法律第102号)
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日本再興戦略のこれまでの流れ
日本再興戦略
平成25年6月
・日本産業再興プラン ・戦略市場創造プラン ・国際展開戦略
臨時国会(成長戦略実行国会)
・産業競争力強化法
・国家戦略特別区域法
・再生医療等安全性確保法
・農地中間管理事業推進法
など、計9本の成長戦略関連法律を成立
平成26年1月
今後の検討方針
・働く人と企業への環境整備 ・新たな成長分野の育成・地域中小企業への成長の果実の波及
通常国会(好循環実現国会)
・税制改正法案
・雇用保険法改正法案
・健康・医療戦略推進法案
・小規模企業振興基本法案
など、計30本程度の成長戦略関連法案が成立
平成26年6月
成長戦略改訂
骨太の方針2014
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産業競争力強化法における規制改革の位置付け
「企業実証特例制度」及び「グレーゾーン解消制度」を盛り込んだ「産業競争力強化法」は、第185回臨時国会において
成立(平成25年12月4日)。平成26年1月20日に施行。
グレーゾーン解消制度
・事業者が事業計画に即して、規制の適用の
有無を照会。
・事業所管大臣を通じ、規制所管大臣に確認
を求める。
・規制所管大臣から回答を得る。
企業実証特例制度
・事業者が、規制の特例措置を提案。
・事業・規制所管両大臣が協議し、特例措置
を創設。
・安全性等を確保する措置を含む事業計画の
認定を通じ、規制の特例措置の利用を認める。
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「三層構造」の取組による規制改革の推進
○ 規制改革は、民需主導の持続的な経済成長の実現に向けた重要な政策課題。
○ 規制改革会議等での検討を通じた「全国単位」の改革、国家戦略特区など特区制度による「地域単位」の改革、「企
業実証特例制度」による「企業単位」の改革といった、三層構造の仕組みを活用し、規制改革を推進。
規制改革案件
制度等
規制改革会議等
特区制度
企業実証特例制度
単 位
全 国
地 域
事業者
対象事業者
全ての事業者
特定の地域に
所在する事業者
特定の事業者
対象地域
全 国
特定の地域
事業計画で定める地域
(全国も可)
・道路の占有基準の緩和
・酒税法の緩和 等
事業者のビジネスモデル
に沿った特例措置の申
請を受け、措置予定
・電力システム改革
・査証発給要件緩和 等
政府全体として、規制改革を強力に推進
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グレーゾーン解消制度<制度の概要・流れ>
事業者が、現行の規制の適用範囲が不明確な分野においても、安心して新事業活動を行い得るよう、具体的な事業
計画に即して、あらかじめ、規制の適用の有無を確認できる制度。
事業者
<前 段 階 >
グレーゾーンの
明確化
規制適用の
有無の照会
事業所管大臣
➀
確認の求め
確認
➁
回答
③
規制の適用
の確認
規制所管大臣
制度のポイント
○ 事業所管大臣が、意欲ある事業者の新たな挑戦を支援する立場に立って、規制所管大臣と協議を行う。
○ 仮に、確認の結果、規制の対象であることが明らかになった場合、事業所管大臣は、事業者の意向を踏まえつつ、
① 「企業実証特例制度」を活用し、規制の特例措置を提案する、あるいは、
② 規制に抵触しない形に事業計画を変更することを含め、きめ細かい指導・助言を行う。
○ 事業開始後における規制所管大臣又は利害関係者とのトラブルリスクを未然に回避。
制度の流れ
① 事業者は、照会書に必要事項を記入し、事業所管大臣に申請。
② 申請を受けた事業所管大臣は、規制所管大臣に規制の適用の有無を確認。規制所管大臣は、事業者の具体的
な事業計画に即して、規制の適用の有無を判断し、事業所管大臣に回答。
③ 規制所管大臣の回答は、事業所管大臣から事業者に通知。
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企業実証特例制度<制度の概要>
○ 新事業活動を行おうとする事業者が、その支障となる規制の特例措置を提案。
○ 提案の内容を検討した上で、安全性等の確保を条件として、「企業単位」で、規制の特例措置の適用を認める制度。
事業者
<第1段階>
特例措置の創設
規制改革要望
➀
特例措置
要望
事業所管大臣
要請
②
回答
回答
規制所管大臣
<第2段階>
特例措置の活用
特例措置の
一般化・全国展開
新事業活動
計画の策定
①
申請
・規制の特例措置
・安全性確保等の「措置」
③
同意
認定
規制の特例措置
の創設
新事業活動計画
の認定
規制所管大臣
事業所管大臣
事業実施
安全性確保等の
「措置」の実証
事業所管大臣
②
③
報告
意見
検討
規制所管大臣
規制の撤廃又は
緩和のための措置
制度のポイント
○
○
○
○
事業所管大臣が、意欲ある事業者の新たな挑戦を支援する立場に立って、規制所管大臣との協議を行う。
事業所管大臣が事業者をサポートするため、特に、経験や人材が少ない中小企業にとって有益。
「産業競争力の強化」と「規制が求める安全性等の確保」の同時実現を目指す。
原則、1ヶ月以内で回答。1ヶ月以内に回答が出来ない場合には、1ヶ月毎にその理由を申請者に通知する。
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制度の活用について
グレーゾーン解消制度、企業実証特例制度については、事業所管省庁が、申請を検討している事業者
側に立って、申請までの各段階において、丁寧なサポートを実施。
例:グレーゾーン解消制度を活用する際の流れ
現時点で、確認したい規制が明確な事業者
新事業を行う際、■■法の規制
に抵触する可能性がある。
確認したい。
事業所管省庁
申請書を事業所管省庁に提出
規制所管省庁に申請書に
対する回答の要請・折衝を実施
現時点で、確認したい規制が明確ではない事業者や、
申請書作成に不安を持つ事業者 等
新事業を進めたいが、何か
しらの規制にひっかかるの
ではないか、不安だ・・。
申請書類の記載内容
について、事業所管省庁の
意見を聴きたい。
①:事業所管省庁へ相談
②事業者の相談内容を踏まえ、
必要なサポート
・関連する規制の有無の確認
・申請書の記載内容についての
改善点を提案 等
を実施。
③:申請書を事業所管省庁に提出
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制度の活用について(問合せ先)
<問合せ窓口一覧>
【経済産業省の窓口】
○経済産業省 経済産業政策局 産業構造課 新事業開拓制度推進室
(地方経済産業局)
北海道経済産業局
地域経済課
011-709-1782
東北経済産業局
総務課企画室
022-221-4861
関東経済産業局
地域経済課
048-600-0254
中部経済産業局
産業振興課
052-951-0520
中部経済産業局
北陸支局総務課
076-432-5588
近畿経済産業局
企画課
06-6966-6003
中国経済産業局
地域経済課
082-224-5684
四国経済産業局
地域経済課
087-811-8513
九州経済産業局
地域経済課
092-482-5430
沖縄総合事務局
地域経済課
098-866-1730
荒木、福原 03-3501-1628 (直通)
【各省庁での窓口】
○警 察 庁 生活安全局 生活安全企画課 03-3581-0141(代表)(内線:3028)
※自動車運転代行業等、交通局関係の場合は、交通局 交通企画課 03-3581-0141(代表)(内線:5063)
○金 融 庁 総務企画局 政策課 03-3506-6785(直通)
○総 務 省 大臣官房 企画課
03-5253-5155(直通)
○財 務 省 ※たばこ・塩事業関係の場合は、理財局 総務課 たばこ塩事業室 03-3581-4111(代表)(内線:2259)
※酒類業関係の場合は、国税庁 酒税課 03-3581-4161(代表)(内線:3739)
○厚生労働省 大臣官房 総務課
03-3595-3038(直通)
○農林水産省 食料産業局 新事業創出課 03-3502-8111(代表)(内線:4284)
○国土交通省 総合政策局 政策課
03-5253-8320(直通)
○環 境 省 大臣官房 政策評価広報課
03-3581-3351(代表)(内線:6059、6057)
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