海外における安全保障事例紹介 - 地球観測データ利用ビジネス

平成26年度 地球観測データ利用ビジネスコミュニティ
(BizEarth)定期講演会
~宇宙と安全保障~
海外における安全保障事例紹介
- デュアルユースや民間からのサービス等 2015年1月16日
葛岡 成樹
株式会社サテライト・ビジネス・ネットワーク
アジェンダ
•
•
•
•
地球観測の市場
防衛・安全保障における地球観測
防衛・安全保障における民の役割
BizEarthメンバー企業へ向けて
1
地球観測の市場
商用衛星データ市場
2
地球観測の市場
衛星のバリューチェイン
単位はB US$
3
防衛・安全保障における地球観測
衛星画像の防衛・安全保障利用事例
冷戦・キューバ危機
ミサイル基地監視
ミサイル誘導用地図
アフガニスタン非対称戦
ベトナム戦争
イラク戦争
誘導武器ターゲッティング
ホーチミンルート
攻撃損害評価
物資輸送モニタ
作戦立案
Home Grown Terrorism
ロシアウクライナ侵攻
????
地図作成・作戦立案
UAVフライトプラン
動静監視
4
防衛・安全保障における地球観測
インテリジェンスとは
Knowledge
知識
インテリジェンス
地図等既存データ
モデルの構築
将
来
予
測
・
処
置
GIS
過去の説明
現地計測データ
データ
Simulation
情報
リモートセンシングデータ
5
防衛・安全保障における地球観測
各種のインテリジェンス
ALL SOURCE INT
IMINT
HUMINT
MASINT
GEOINT
TECHINT
SIGINT
OSINT
6
防衛・安全保障における地球観測
米国のインテリジェンス組織
Director of National Intelligence
James Robert Clapper, Jr.
United States Intelligence Community (IC)
19組織
2013予算: $52.7B (当初)→ $49.0B (減)
(約5.8兆円、日本の国家予算96兆円)
7
防衛・安全保障における地球観測
National Geospatial-Intelligence Agency: NGA
大統領から前線の兵士まで、防衛・安全保障に関する地理空間情報を提供
(インテリジェンスコミュニティーの中で、地理空間情報を集中的に生成・整備)
NGAの戦略的目標
• Contents (Geointプロダクトの有効な配付)
• Open IT Environment (IC全体で使える情報基盤整備・運用)
• Analytic Capabilities (解析)
• Customer Service (エンドユーザの重視)
• Workforce (人材)
https://www.youtube.co
• Workplace (労働環境)
m/watch?v=Kp9J9dJGR4Y
• Corporate and Functional Management (他機関・他国との協働)
Intelligence Community Information Technology Enterprise (IC ITE)
IC全体で使える情報基盤
(IC向け衛星データ利用促進プラットフォーム)
9
防衛・安全保障における地球観測
National Geospatial-Intelligence Agency: NGA
• 年間予算: $2.5B (約3,000億円)
• 人員: 14,000人 (半数の7,000人は民間からの契約出向)
• 民間企業との緊密な連携
雇用機会としての重要性
Tim Shorrock
Spies For Hire – The secret
world of intelligence
outsourcing
SIMON & SCHUSTER, 2008
防衛・安全保障における地球観測
Geointソリューション市場 (全世界)
AGR (%)
解析&プロダクト
COTSソフト&実装
システムエンジニアリング&支援
Visiongain2014
12
防衛・安全保障における民の役割
ダウンストリームとしてのデュアルユース (NGA)
• 秘のNRO衛星/UAVデータと商用衛星画像両方が対象
• 軍事作戦以外にも民生目的にインテリジェンス提供(例: ハリケーンカトリーナ・ハイチ)
• 民生のUSGSと校正検証など共同作業
13
防衛・安全保障における民の役割
民間の担い手
United States Geospatial Intelligence Foundation (USGIF)
•
•
•
•
地理空間情報関連の約240社が参加する業界団体
毎年地理空間情報コンファレンスGEOINTを開催
毎年$100,000を奨学金として拠出、学生の育成
政府に対するロビー活動
Commercial SAR Working Group (Airbus, ThalesAlenia, MDA)
SmallSat Working Group (Skybox, Lockheed, PlanetLabs, ….)
14
防衛・安全保障における民の役割
衛星画像のバリューチェインそれぞれの役割と民間企業
(ダウンストリーム、衛星オペレータ以降)
ポジション
役割
参考値
データ
リセーラー
衛星運用会社/チャ
ネル会社からのデー
タ再販
・低い利益率(10-20%)
・会社にとって主事業ではない
・$100K-$1M規模
付加価値
リセーラー
付加価値プロダクト
にして販売
・高い利益率(50-80%)
・$100k-$10M規模
・10-3000人規模
独占リセーラー 特定地域・顧客の独
(チャネルパー 占的な販売
トナー)
ビジネス
パートナー
Geointソリューション
を支える舞台を提供
企業例
・年$1M-$10Mをコミット
・まだビジネスモデル模索中
15
BizEarthメンバー企業へ向けて
• 防衛・安全保障は有望な市場(システム提供・COTS提供・データ/プロダクト提供・支援)
• 現状の日本ではまだ市場として認識されていない
(システム構築・データ提供のみ、ソリューションとしては未形成)
• USGIFのような、官と緊密な協働市場形成が必要
• 市場形成のため、海外状況を適切に官に情報提供が必要
• 単独企業だけではなく、業界団体としての発信・市場形成が必要
[要検討事項]
• 海外の状況収集・海外企業との情報交換
• LBS/Big Data Businessへの対応
• UAVへの対応 (大型UAVクラス、ドローンクラス)
• 地球観測衛星以外のGeointelligenceへの対応
• Business Intelligenceへの対応
17