口中に広がる有明海の恵み むつごろう・地のり ラーメンセット 「夜明茶屋」やまひら 1 2 3 4 5 6 7 8 水郷の町として知られる福岡県柳川市。舟舞台で有名な沖端水天 宮のほど近くに「夜明茶屋」の屋号で親しまれている鮮魚介類卸 問屋「やまひら」があります。先々代はタイラギ漁で「有明の殿 さん」と呼ばれており、また日本一の干満差によって広大な干潟 が現れる有明海は、まさに豊穣な海産物が「湧いてくる」恵みの 海でした。しかし大堰やダムが出来て以後、山から川を通って流 れ着く養分が断たれヘドロが増加。やまひら4代目の金子英典さ んは「それなら山と同じ栄養を自分たちで作って海に流すば い!」と、知り合いの研究者や漁師たちの橋渡し役に。研究は産 学共同に発展し浄化効果の高い肥料の開発に成功。有明海のヘド ロは一か月で20㎝も減少し、一度は絶滅の危機に瀕した珍魚・ ムツゴロウも息を吹き返します。有明海の浄化の次に金子さんが 試みたのが「有明海の食文化の再生」でした。有明海の幸を食べ てくれる人たちがいてこそ、漁も守られ地域全体が再生するとい う信念のもと、金子さんが辿り着いたのが今や幅広く愛される ラーメンに有明海の幸をふんだんに使うというアイデア。 試行錯誤を重ねた上に完成した有明海 むつごろうラーメンは、漁 師さんが「オレたちのラーメンができたね」と言ってくれた渾身 のご当地ラーメン。天日干しのあと、じっくりと炙ったムツゴロ ウの粉末を惜しみなく使ったスープに、福岡県産小麦を使ったこ だわりの揚げ麺は、ユーモラスなムツゴロウのパッケージをいい 意味で裏切る、想像以上にマイルドでコクのある滋味豊かな味わ い。何も足さなくてもスープと麺だけでペロリと食べられる完成 度の高さが自慢です。次に出来た「有明海 地のりラーメン」は、 こんもり山盛りになるほどボリューミーな有明海苔の粉末をスー プにしっかり混ぜ、どんぶりを真っ黒にしながら磯の香りと一緒 に味わうのがおススメです。 金子さんの有明海への熱い思いは今、有明海と有明でくらす人た ちを巻き込んで、新たな有明海の物語をつむいでいます。 9 10 1 ムツゴロウ漁は4∼9月の干潟の現れる日に限られる。 漁をするのはこの道60年の藤川さん。 2 ハネ板に片足を乗せて重心をとり、片足 で蹴り出して進むのがムツゴロウの伝統漁法。1周で260本ほどの筒を順に差し込みその後引き上げる。これを1日3周行う。 3.4 紋様鮮やか なムツゴロウ。泥臭さはなく、刺身も美味。 5 天日干しできる季節は秋のみ。春と夏のムツゴロウは主に甘露煮などに使われる。 6 じっくり焼 き上げたあと舌触りを考慮し、なめらかさに粉砕。 7 麺には福岡県産のラーメン専用小麦を使用。一度蒸したあと国産100%のラードでしっか り揚げる。 8 「有明愛」を着実に実行に移す、やまひら4代目金子英典さん。 9 やさしい味ですごいコク!有明海 ムツゴロウラーメン。 10 海苔の量にびっくり!磯の香りごと味わいたい、有明海 地のりラーメン。
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