第 21 号 平成 27 年 10 月 1 日 褥瘡委員会と N S T の 合同勉 強会を実施しま した! (9 月 17 日) ******************** ~褥瘡予防&悪化防止のためのマットレス選び~ 褥瘡の定義 骨突出部位に強い圧力を短時間、あるいは弱 い圧力を長時間加えることにより、皮膚および 皮膚組織、骨隆起を覆う筋肉などの虚血性障 害とそれに続く壊死 ○褥瘡発症の要因 褥瘡は単に力が加わり、虚血状態によって起こる だけでなく、基礎疾患や栄養状態などの何らかの 創傷治癒阻害因子により創傷治癒のはたらきが弱 くなった結果、皮膚の傷が治りにくくなった状態にお いて発症する。 ①局所的要因 皮膚の解剖と生理からくる問題。高齢者の皮膚は 脆弱であり、軽微な外力により容易に皮内の出血 が出現したり、皮膚剥離が起こる。 →保湿剤塗布などのスキンケアが大切 ②全身的要因 褥瘡は自力で体動が困難な高齢者の骨突出部に 好発する。そのため痩せた方や低栄養状態の方に 多い。 PEM:Protein Energy Malnutrition たんぱく質エネルギー低栄養状態 高齢者の約 40%は PEM だと言われている。血 清アルブミン値や総たんぱく質値、体重変化率 にて評価できる。 ③社会的要因 近年褥瘡や医療機器の圧迫創は医療者の注目を 集めている。現場では看護介護職員の人手不足 や創傷に関する専門的知識を有する医療従事者 の不在等の問題がある。在宅では高齢者社会と核 家族化、独居の高齢者が増え充分な医療介護サ ービスを受けられていない方が多く存在する。 ******************** ○体圧と応力 体圧…体重などにより体表接触面において生ずる 垂直方向の力のうち、重力により生じるもの。 応力…人間の身体は楕円形に似ており、体圧が加 わることで様々な方向へ働く力のこと。 圧縮応力:垂直方向にかかる 引っ張り応力:接触面にかかる せん断応力:体圧に拮抗し皮膚がもとに 戻ろうとする ↑ この3つをいかに防御するか で、褥瘡予防ができる ○圧再分配 身体と床との接触領域に加わる圧を3つの機能で 分配し、1点に加わる圧を低くすること。 沈める・包む・経時的に接触部分を変える ******************** ○マットレス使用時の注意点 マットレスのカバーやリネン、下シーツを張りすぎな い。(エアマットレスの内圧管理、底付きの有無確 認、患者様が安全かつ安楽に過ごせているか確 認) ○背抜き・足抜き 背部や臀部にかけて書汁圧力や皮膚表面に起こ るズレを解除する。 <背抜き>背面とベッドの接触を解除。 着衣のしわを伸ばす。 <足抜き>ベッドと下腿後面の接触を解除。 着衣のしわを伸ばす。
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