ビジネスプリンター 購入ガイド

特集
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! 安い! 最新機種のトレンドと選び方
速い
ビジネスプリンター
購入ガイド
各種書類の印刷やコピーで日々活躍し、機種によって
はファクスにもなるプリンターや複合機。職場では仕事
の効率にも直結する。中小オフィスに最適なビジネスプ
リンターの最新トレンドと選択のポイントを紹介する。 岡村 秀昭=ライター
●プリンターは価格と速度、印刷方式で大まかに分類できる
オフィス向けのプリンターは、か
どちらを選ぶ?
高い
つてはトナーを使って印刷するレー
ザープリンターの独壇場だった。し
かし近年、ビジネスインクジェット
価格
家庭向け
インクジェット
安い
低速
ビジネス
インクジェット
カラーレーザー
モノクロレーザー
インクで印刷
デジタル複合機
トナーで印刷
印刷速度
が台頭してきている(図1)
。
進化するインクジェット
日本ヒューレット・パッカード
高速
(HP)が 2013 年 11月、同価格帯のレ
ーザーを上回る 42 枚/分の高速機
図 1 プリンターは「インクジェット」と「レーザー」に大別される。インクジェットは「家庭向け」と「ビジ
ネス向け」がある。レーザーは基本的にビジネス向けであり、一般的なタイプと大型のコピー機を兼ねる「デ
ジタル複合機」がある。ただし、最近はインクジェットの高速化が進み、速度差は小さくなった
を発売。セイコーエプソンは 2014 年
●手軽なインクジェットと大量印刷に向くレーザー
度と画質を上げた新機種を順次投入。
レーザープリンター
ビジネスインクジェットプリンター
(LEDプリンターを含む)
10~35枚/分(連続印刷が高速)
カセット増設で500〜3000枚以上
(各種用紙に広く対応)
細い線もシャープに描写
(耐水性が高い)
部品交換すれば数十万枚
定期的に部品の交換が必要
数万~十数万円
(低速機は1万円から)
スピード
給紙
印刷品質
耐久性
メンテナンス
本体価格
8~20枚/分(1枚目の印刷が速い)
100~500枚程度
(手差し給紙は非対応が多い)
線がわずかに太くなる
(染料インクの場合は水に弱い)
2万~20万枚程度
ノズルのクリーニングが時々必要
高くても数万円
(特に複合機が割安)
トナーはインクより高額
ランニング
コスト
印刷時は最大1kW前後
消費電力
印刷時でも数十W
重量・
サイズ
一般に小型で軽い
一般に大きく重い
部署での共有プリンター、
帳票印刷、
ちらし/POP作成
主な用途
レーザープリンターより安い
部署ごとのプリンター、
企業内個人、
SOHO/自営業の出力機、
店舗など
図 2 中堅モデルでそれぞれの長所と短所を比較した。 一般に、レーザーは多人数での共用に向き、ビ
ジネスインクジェットは少人数のオフィス向きだ
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日経パソコン 2015.3.23
に入って、新開発の印刷ヘッドで速
同年 9 月にはレーザープリンターで
トップシェアを持つキヤノンが、製
品選択の幅を広げるとしてビジネス
インクジェットに新規参入している。
製品の耐久枚数も、セイコーエプ
ソンの上位モデル「PX-M7050F」な
どは 30 万枚まで向上。ジェルジェッ
トと呼ぶ独自方式を採用するリコー
の定番モデル「GX e5500」も20 万枚
と、印刷枚数の多い業務にも堪えら
れるレベルとなっている。
仕事で使うプリンターとして、イ
ンクジェットとレーザーのどちらを
選ぶべきか。選択基準を見ていこう。
全般的にいえば、レーザーは印刷性
能が高く、ビジネスインクジェット
はコスト面に優位性がある(図 2)
。