三価ランタノイドと三価アクチノイドの分離方法(特許第5515093号)

13389[G21F:C01B]
国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構保有特許
出願番号2009-241686
三価ランタノイドと三価アクチノイドの分離方法(特許第5515093号 )
技術的特長
*ユーロピウム(Eu)など原子番号57から71まで15の元素の総称
**アメリシウム(Am)やキュリウム(Cm)など原子番号89から103まで15の元素の総称
発明の効果
1.安価で化学的に安定な炭素系材料と溶液のpH調整(酸性)により、長寿命放射性元素を簡便かつ
効率的に分離できる。
2.活性炭などは入手・取扱い性が容易であり、廃棄物処理性なども良好である。
本特許の活用用途
もんじゅ等高速炉を用いて、アメリシウム(Am)やキュリウム(Cm)等の超長寿命アクチノイドを分離・核変
換処理後、低毒性化・減容化を図るための必須の技術である。
(1)もんじゅ等高速炉 (2)加速器所有機関 (3)使用済燃料再処理施設 (4)同関連機器メーカ
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国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構
研究連携成果展開部
安価な炭素系材料と溶液を酸性に調整するだけで、
高レベル放射性廃液中の長寿命元素を簡便に分離できる
高レベル放射性廃液中に含まれる三価ランタノイド*と三価アクチノイド**を分離する際に、活性炭・炭素
粉末等の炭素系材料を固定相として用い、同元素を含む溶液を酸性に調整して固定相に接触させる。
これにより、同元素物質を簡便かつ効率的に分離できる。
13389[G21F:C01B]
更に詳しくは、次のような特許内容、特長を有しています。
特 許 内 容
従来の問題点
【表1】AmとEuの分配係数及び分離係数(硝酸酸性条件下)
溶媒抽出法における化学的不安定性、難溶解性や、
クロマト樹脂の化学的脆弱性などの問題が残り、簡
便な方法はなかった。
本特許の具体的内容
1.溶液中に含まれる三価ランタノイドと三価アクチ
ノイドをクロマトグラフ法*により分離する際に、活
性炭・炭素粉末等の炭素系材料を固定相として
用い、同元素を含む溶液をpH1~4の範囲の酸性
に調整して固定相に接触させる。
*混合物中各成分の吸着性の差などを利用する分離方法
2.硝酸水溶液中のユーロピウム(Eu-152)及びアメ
リシウム(Am-141)の分離性能を示す【表1】より、
Amの分配係数(Kd:固定相への移行量と水相へ
の残留量比)はEuを上回り、酸性条件下で分離
係数(分配係数比(Am/Eu))は1よりも大きく、Am
とEuとを分離可能である。
3.約pH2に調整したAmとEuを含む硝酸酸性水溶液
からの溶離結果の【図1】より、Amの溶離ピーク
とEuのピークが十分離れており、各々の分離が
可能である。
【図1】AmとEuを含む硝酸酸性水溶液からの溶離結果