白金族ナノ粒子の析出方法、触媒材料

13219[B01J:B82B:B22F:C23C]
国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構保有特許
出願番号2009-005113
白金族ナノ粒子担持材料とその製造方法、白金族ナノ粒子の析出方法、触媒材料
(特許第5235140号 )
技術的特長
発明の効果
1.硫酸還元菌の密封・硫化水素除去装置等を必要とせずに、安価に効率良く白金族ナノ粒子担持材料を
製造できる。
2.本発明の白金族ナノ粒子担持材料は、優れた触媒材料として、特に水素同位体分離に有効である。
本特許の活用用途
触媒能に優れる白金族元素は、燃料電池電極や排ガス浄化、水素同位体交換等の触媒として広く使用さ
れ、比表面積の大きいナノ粒子化は化学、自動車、環境等で不可欠である。
(1)自動車・燃料電池産業 (2)環境保全・監視機関 (3)(貴)金属メーカ (4)化学プラント (5)原子力施設
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国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構
研究連携成果展開部
水素同位体分離等触媒能に優れる白金族ナノ粒子
担持材料を、安価に効率良く製造できる
水素同位体分離等に使用される白金族ナノ粒子担持材料を製造する際に、微生物細胞表面に析出させた
白金属ナノ粒子を、無機質担体に担持(付着)させるようにする。これにより、優れた触媒作用のある白金族
ナノ粒子担持材料を容易に効率良く製造できる。
13219[B01J:B82B:B22F:C23C]
更に詳しくは、次のような特許内容、特長を有しています。
特 許 内 容
従来の問題点
粒子径・純度等所要のナノ粒子を得るまでのプ
ロセスが複雑で多大な費用を要するなど、必要
なナノ粒子を効率的に廉価に製造できない。
本特許の具体的内容
1.好気性条件下で培養した鉄還元菌*の微生
物細胞を、白金属イオン含有液に接触させ、
細胞表面に白金属ナノ粒子を析出させる。
同粒子を微生物細胞と共に藻土等の無機質
担体に担持(付着)する。
【図1】微生物細胞上の白金ナノ粒子形成を
示す電子顕微鏡写真(SEM)
*3価鉄イオンを1, 2価イオンに還元(電子供給)
できるシェワレナ・ピュ-トリ フェイシャンス菌等
2.その結果、【図1】電子顕微鏡写真(SEM)に
示すように、楕円型の微生物細胞上に白金
族ナノ粒子(白点)が析出する。また、特性X
線スペクトル【図2】より、地点A(細胞部分)で
は白金(Pt)のピークが得られ、微生物細胞中
に白金元素の存在が確認された。
3.白金ナノ粒子の触媒による水素同位体分離
特性を示す【図3】より、触媒カラムを通した
H2-D2混合ガス中の水素・重水素と重水素分
子の比(HD/D2)は時間と共に増加し、触媒作
用で水素や重水素分子が水素・重水素分子
になることを示している。
【図2】微生物細胞中の地点Aにおける白金(Pt)
元素の特性X線スペクトル
【図3】水素同位体分離特性(水素と重
水素の存在比経時変化)