13278[G21G:C01F:B01J:A61K] 国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構保有特許 出願番号2009-072558 抗体標識が可能な無担体177Luの分離精製法(特許第5376130号) 癌治療に適したルテチウム(177Lu)を分離精製する際に、177Luと抗体との結合を阻害するCa, Fe, Znの 混入を防止するため、精製された177Lu含有溶離液を使用し、分離後に不純物を除去する工程を導入 する。これにより、無担体*177Luの精製純度を向上させ、標識率の高い177Lu-抗体が得られる。 *非放射性同位体(RI)を含まない状態のRI 発明の効果 1.無担体177Luの精製純度が向上するので、標識率の高い177Lu抗体を提供できる。 2.癌細胞に発現する抗原に特異的に結合する、177Lu-抗体を用いた癌治療研究が進展し得る。 本特許の活用用途 177Luは半減期6.73日と癌治療に適しており、また最大エネルギー498keVのβ線を放出するので、癌 治療に有望な核種である。また、PET診断用陽電子放出器に使用される。 (1)病院・癌研究機関 (2)PET等医用検査機器メーカ (3)年代測定機関(176Lu) 癌細胞中で特異的に結合する無担体 Lu -の精製純度を 向上させ、同 抗-体を用いた有望な癌治療法に貢献 技術的特長 177 ご相談は下記まで御連絡ください 〒319-1195 茨城県那珂郡東海村白方白根2-4 TEL:029-282-6467 FAX:029-284-3679 国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 研究連携成果展開部 13278[G21G:C01F:B01J:A61K] 更に詳しくは、次のような特許内容、特長を有しています。 特 許 内 容 従来の問題点 分離精製後の177LuにCa, Fe, Znが大量に含ま れ、177Lu-抗体の標識率が低下し、177Luの治 療効果が低下する。 本特許の具体的内容 1.【図1】の177Lu分離精製フローに示すように、 177Luのターゲット176Yb O を原子炉で照射[3] 2 3 * し 、これを塩酸に溶解したHCl溶液をHPLC( 高速液体分離)カラムに通して177Luとターゲ ットYbとを分離[4]する。 * 176Yb(n,γ) 177Yb(半減期1.97時間)→177Lu 反応 2.同分離の際、あらかじめ陽イオン交換及び キレート*交換により精製[1, 2]した分離液を 使用する。また、陽イオン交換による177Luの 除去分離[5]後、更に陰イオン交換によりFe を精製[6]する。 *金属イオンを蟹が挟む(キレート(chelete)) ように囲んで結合した環状構造化合物 3.Ca, Fe, Znの残留量及び標識率の測定結果 【表1】より、実施例の分離・精製方法では従 来法(対照1, 2)に比べ、Ca, Fe, Znの残留量 が大幅に減少し、標識率は向上する。 【図1】177Luの分離精製フロー 【表1】Ca, Fe, Znの残留量及び標識率
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