ト マ ト

 トマト
第 2 章 栽培編
第 1 節 果菜類
真夏に強い野菜のように思われているが案外暑さ
には弱い。気温が 32 度を超えると肥料や水分の吸
収も悪くなり受粉機能も低下する。アンデス山脈が
トマトの故郷。日本の暑い夏を乗り切るには対策が
必要だ。
〈土作り〉植え付けの 1 週間~ 10 日程前に土作
りを済ませておく。幅 70 センチ長さ 2 メートルの
畑に苦土石灰 1 缶を撒き良く耕す。畑の中央に深さ
30 センチの溝を掘る。溝にたい肥バケツ 1 杯を撒く。
等が露地栽培では代表品種だ。中玉トマトや調理し
化学肥料 1.5 缶、過リン酸石灰 1/3 缶を溝に半分、
たらおいしい品種のトマトもある。栽培方法は同じ
土手の部分に半分施し埋め戻す(埋め戻した部分に
なので色々な種類を植えて楽しめる。
土手に施した肥料が入っていることになる)
。深く
堀り根を深く誘導し暑さに耐える環境を作る。土が
〈定植〉風のない暖かな日を選んで株間 50 センチ
乾燥していたら水を撒きマルチを敷く。マルチはシ
作幅 45 センチの間隔に定植をする。花を外側に向
ルバーマルチが温度の上昇も防ぎ、アブラムシの飛
け浅めに植え付け仮支柱を立てる。苗はハウスで育
来を防ぐのでオススメだ。
てられた温室育ち。定植後も保温をし徐々に気候に
慣らしていく必要があるので、寒冷紗か、気温が低
〈苗選び〉苗の善し悪しで収穫量も変わるので苗
いようであればビニールで保温しよう。定植後の水
選びは重要な作業だ。節間が詰まっていて全体が長
あげは上根になりやすいので控える。
方形でガッチリしたもの、一番花が咲き始めた苗が
良い。品種はいろいろあるが
「おおみや」
「いろどり」
20
21
第 2 章 栽培編
第 1 節 果菜類
〈支柱立て〉保温資材の天井に苗がぶつかるよう
になったら、資材を外して図のように支柱を立てる。
花が外に向くようにしながら苗を支柱に適度に縛る。
強く縛ると茎が太る過程でヒモが苗に食い込んでし
まうことがあるので注意が必要だ。
〈わき芽取り〉主枝 1 本で仕立てるので主枝と葉
の間のわき芽は切除する。わき芽を大きくしてしま
うと養分をロスしてしまうので早めに切除すること
が大事だ。
チと雨よけがオススメだ。またアブラムシはキラキ
〈受粉〉第一花房が咲く頃は気温も低く昆虫もま
ラした物を嫌う性質がある。高さ 2 メートルにヒモ
だ見あたらない時期だ。確実に着果させるために 2
を張り 50 センチ間隔にキラキラテープを垂らすと
~ 3 花が咲いたら植物ホルモンを噴霧するとよい。
アブラムシの飛来を防ぐ効果は大きい。
この時、ホルモン剤が葉の先端にかかるとホルモン
障害を起こすので注意して散布しよう。
〈収穫〉赤く色付いてきたら収穫。収穫の間近に
雨が多く降ると水分を吸いすぎて皮が割れることが
〈追肥〉最初の実がピンポン玉大になったら追肥
の始まり。2 週間間隔でマルチの外側に化学肥料
2/3 缶ずつ追肥をする。
〈病害虫対策〉トマトの病原菌の多くは雨水の媒
介による侵入が多い。簡易な雨よけでも効果は大き
ある。病気ではないので安心して収穫しよう。
コツのコツ
①果菜類は背丈が 2 メートル以上伸びる。支柱はなる
べく長いものを揃える(2.4 メートル以上の支柱を
そろえよう)
②アブラムシなどの害虫は黄色を好むので縛り付ける
ヒモなどは黄色の物は避ける
いので、農薬をできる限り使いたくない人にはマル
22
23