台湾から見た新潟①

「台湾から見た新潟」・・新潟をもっと世界に発信を
サラリーマン時代から今の事業に至る間に約20年、台湾という地にお世話
になっています。日本を離れ、台湾とは言え「海外」に身を置くと、日本に居
れば見落とす日本の良さ、地元の特徴がよく見えるものです。
当たり前に美味しい米や「旬」の料理、透き通った空気に自然の水、街は清潔
感にあふれ、行き交う人々は誠に親切。時節に合った清潔な服装を楽しみ、四
季を楽しむ。外食レストランは心地よい静かな安らぐ空間を提供する。
台湾をはじめ、世界の人々は日本をそんな「世界で一番素晴らしい国」と憧れ
ているのです。
さて、それでは新潟に対してそういう世界の人々はどういう風に思っている
のでしょうか?少なくとも私が居る台湾の方々はこんな風に思っています。
・「こしひかり」で有名な米どころ。美味しいお米があれば、清酒とお醤油がある。
・冬は雪が深く、カニやエビを始め、魚介が美味なところ。
・金物加工を始め多くの企業を持つところ。
・大都会東京から遥かに離れた田舎の都市。
・黒部立山に近いところで、温泉が多く、地震があるのかな?
この印象が当たっているのか、外れているのか?
いや、もっと、もっと良いところがある、知るべきものがあるのかも知れませ
んが、こんなものです。
2020年の東京五輪に向け、日本政府は海外からの観光客を2,000万
人にしたいと各方面で強化策が打ち出し、予算は潤沢に付いているのでしょう。
一方、日本自体は少子高齢化で日本市場(人口)が確実に縮小し、並行して TPP
等の世界の経済圏の枠組みが再編され市場競争が激烈化する現実に面し、企業
間競争は鮮烈。近い将来(或いは既に)、いろいろな形で今の経営から脱皮し、
新しい経営で鎬を削ることになるのか。
世界に開かれた日本です。ビジネスの勝機にいかに備えるか。備えを怠れば、
失うものは大きい。備えれば、得るものも又大きい。
昨年度台湾から日本へ観光で訪れた台湾人は297万人を数えました。総人
口約2,300万人の台湾から297万人です。想像を遥かに超えています。
訪日海外観光客総数が約1,340万人であったので、台湾人の占めるその割
合は20%を超える訳で、ある種の驚異と言えます。
その台湾人が果たしてどれだけ「新潟」を訪れ、
「また訪問したい」と言う思い
で帰国したのでしょうか。
多くの台湾企業家は日本の経営者を敬服し、日本の技術そのものを尊く思っ
ています。同時に、台湾の技術開発力の限界を悟っており、日本に学びたいと
切望しています。また、世界市場での日本の販売開発力とネットワークの強さ
を羨望しています。いわゆる、「日本のブランド力」、台湾にはないその力。
連携の形はいろいろありますが、何とか日本企業との連携を模索する台湾の経
営者たち。
高齢の台湾経営者の中にはまだまだ「日本精神」
「大和魂」という日本でも消
えかかった言葉を使って、日・台の「連帯」を経営の基礎としている方々がい
ます。流石に、50歳以下の経営者はそこまではいきませんが、その「思い」
は共通するものを持っています。
大企業が跋扈(ばっこ)する領域でなく、どちらかと言えば
「Basical Technology」の世界で日本と台湾の技術連会を実現し、日・台の連
合体で世界市場に打って出、勝ち戦を進めるという図柄が理想と考えます。
「新潟の産業」「新潟の観光」が新しい日本の中でどの様に変身するのか。
今からでも遅くない。一歩、前に踏み出しましょう。