2015年度理事長所信 平成26年9月吉日 一般社団法人堺高石青年会議所 理事長予定者 東口 剛 (スローガン) 素直な心で大志を貫け! ~未来に繋げよう熱き想いを~ はじめに ご縁があり、堺高石JCに入会いたしました。そして、沢山の方々に成長する機会を与 えていただいたことに心より感謝を申し上げます。また本年度、2015年度は60周年 という歴史的に大きな節目を迎えることとなりました。これもひとえに、先輩諸兄や地域 の方々のご理解やご協力があったからこそであります。今日まで諸先輩方が自ら行動し、 気概と覚悟をもって本気でJC運動に取り組む姿勢を魅せてくれました。JCの役割を果 たそうと情熱を燃やし、一灯となり地域を照らしておられました。だからこそ私は先輩諸 兄の想いも背負って、本年度は自信と誇りを胸に素直な心で一年間、大志を貫き職責を全 うしていきます。 私も人生を折り返すような年齢となり、人から感謝する心を与えていただいたことをL OMメンバーに、地域に、そして人に心(愛情)を与える人になるべく一年間邁進してま いります。 近年、我が国は政治・経済ともに危機的状況が続いており、アベノミクスの効果で、大 企業や中小零細企業の一部の建設・製造(輸出)業は徐々に好景気がはじまっており、オリ ンピックへ向けて景気が上向きはじめ、明るい兆しが見えているといわれておりますが、 実感するに至っている企業は少ないと感じます。ついこの間までは世界2位の経済大国と いわれていたのも過去の栄光で、現在は急速に進むグローバル化の波にのまれ、国際競争 に打ち勝つことができない状況が続いています。近隣諸国との経済・政治・外交の関係に おいても不安定な状態であります。その状況は年々深刻の一途を辿っています。 そのような混沌とした時代だからこそ、大志をしっかり持たなくてはなりません。LO Mメンバーが志をひとつに集結させ、70周年のビジョンを実現させる為の未来への一歩 を踏み出します。 まちを描き、人生を描く 60年に渡り、先輩諸兄が汗と努力で築いてこられた歴史をメンバー一人ひとりが深く 学び、認識ともに意識を高めることが大切です。自分たちが住み暮らすまちにどのような 変化をもたらしてきたのか、まちの人々にどのような意識変革をもたらすJC運動をおこ なってきたのか。そのような事柄を改めて検証することが出発点であります。そして、そ の検証をもとに固定観念にとらわれることなく斬新な夢あふれるまちの未来を創造してい きます。過去から学び、未来を創造することで〝今ここ〟現在の私たちのすべき運動方針 を掲げ、このまちの市民の皆様に広く発信する場とします。 子どもたちに夢を与える 子どもたちが大きな夢を抱き、笑顔溢れるまちにしていく必要があります。そのために はまずは大人たちが大きな夢、大きな志を持つことが重要です。子どもたちの心は真っ白 で素直です。どんな夢でも描くことができ、実現できる可能性を持っています。しかしな がら、子どもたちだけでは、どのように描き、描いたものをどのように実現していくのか が、わからないのです。もちろん大人が子どもの代わりに実現はできません。あくまでも サポートや応援することぐらいしかできません。子育てでもそうではないでしょうか。出 来ることは大人が夢溢れる背中を子どもたちに見せ続けることです。憧れとなる存在にな ることです。そうすることで子どもたちには目で見るものだけでなく、生きるために大事 なものが観えてくるのです。大人が成長していくための過程や努力そのものが教育の根幹 だと考えております。大切なことは大人と子どもが共に成長していくことであります。 世界のリーダーとなるために 世界の経済情勢、社会情勢にも近年大きな変化が現れてきております。米国が国際的影 響力を失った今、世界のリーダーと呼べる国が無くなっていると感じます。そんな時代だ からこそ、世界の秩序を守る為にも我が国がすべきことがあるのです。欧米諸国との連携 はもちろんですが、更なる東アジア諸国との連携が重要になっていると感じます。アジア の中でも、ものの見方、考え方が近い国、ナショナリズムが近い国との文化交流、経済交 流を推し進めていくべきであります。近い将来の話ですが日本の人口減少は約10年後か ら加速していきます。今から改革を推し進めても、すぐに人口が増加するわけでもなく、 人口増加には時間がかります。しかしながら、時間は待ってくれません。日本の経済を衰 退させないためにも、日本の技術や文化の輸出、海外からの人材を迎え入れ日本の精神性 や文化をベースとした人材育成をし、その後母国の発展に貢献してもらうことが、日本が 東アジア諸国へリーダーシップを取ることとなり、さらには東アジア諸国の発展に繋がる こととなります。そうすることによって日本は、経済だけでなく、真の先進国、世界のリ ーダーになることが出来ます。アジアの拠点としても堺市・高石市というまちは関西国際 空港や特定重要港湾堺泉北港に近く、国際的な交通基盤が充実している立地や中近世の1 5世紀末から17世紀初めにかけては、日明貿易、南蛮貿易、キリスト教宣教師の来堺な どによって、我が国を代表する国際交易の拠点の貿易都市・自由都市として栄えた歴史的 背景からも今こそ重要な役割を果たせると確信しております。 一念を大志に 人口減少社会は未来の話ではなく、既にこの地域にも迫ってきております。全国的には 各地青年会議所の会員数は減少傾向にあります。そのような時代背景の中でも堺高石JC は近年、LOMメンバーの努力や先輩諸兄のご協力により会員数を増やしてまいりました。 しかしながら、青年会議所の仕組みにおいて年齢制限がある以上、毎年新たな会員を入会 へと導かなくてはなりません。それは単に会員を増やすということではなく、一人でも多 くの市民の方々に私たちが行う運動、活動を伝えていくためでもあるのです。自分たちが 住み暮らすまちに志を同じくする1人でも多くの青年を増やすことが、明るい豊かなまち を築くことに繋がります。 JAYCEEとして、人としての成長 近年、会員一人ひとりの意識向上と共に全国で会員数が第7位という規模のLOMに成 (2014年1月時点) 長しました。その反面、入会してから2年目、3年目という会員が増えたことで理念の浸 透、事業目的の理解の低下という問題点が生まれました。LOMの弱体化を防ぐため、よ り良い運動をおこなっていくために、様々な研修を開催し会員資質の向上に努めます。「な ぜ青年会議所があるのか?」 「JAYCEEは何をするためにいるのか?」その答えを探す ことで共にたくましく「生き抜く力」や「生かされていることへの感謝」が溢れてくると 確信しております。 子どもたちの無限の可能性 人口減少が進む中、子どもたちはまさに「この国のたから」「地域のたから」「家族のた から」であります。子どもたちの可能性は無限大であり、その可能性を最大限に引き出し てあげるためにも教育が非常に大切な役割を果たすと考えます。しかしながら現在の学校 の教育が本当に今の時代にあっているのかと疑問を抱きます。だからこそ、JCだからで きる子どもたちへの教育が今必要だと考えます。子どもは自分たちの生まれる場所、環境 は選ぶことができません。責任世代の私たちは子どもたちをより輝かせる責任があるので す。学校教育にすべてを任せ、本来は家庭教育にあるべき責任までも学校へ預けている親 が増えている現状があります。子どもたちの本当の幸せを願うからこそ「健全な価値観」 「健 全な道徳観」をきちんと子どもたちに伝えていく責任があります。 悠久の自然国家の誇り 日本は2674年の悠久の歴史を誇る万世一系の世界最古の自然国家であります。民族、 言語、国土、文化、宗教というナショナリズムの五大要素がほぼ一致した民族が自然に成 立した国であります。それだけ、様々なものを思いやる心を持った民族なのです。しかし ながら近年、その気高き日本の精神性が失われているといわれておりますが、私はそうは 思いません。失われたのではなく、ただ眠っているだけなのです。眠らせている要因は世 間の風潮にあると思います。教育機関だけの問題でなく世間の風潮なのです。綿々と培わ れてきた私たちのお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんそのまた、ご先祖様 の心が歴史を通じて私たちに脈々と流れています。そんな気高き日本の「大和魂」を呼び 起こさなくてはいけません。今こそ「大和魂」を呼び起こし、経済の先進国だけでなく、 心の先進国を確立しなければなりません。 安全で安心なまちづくり 私たちが安心して豊かに暮らしていくための環境整備、いわゆるまちづくりにも斬新な ことを創造する必要がある時代ではないでしょうか。時代と共にニーズも多様化し公な機 関だけでのまちづくりには限界があります。また、地域住民や地域企業と公の機関が創意 工夫をしてまちづくりをすすめていく必要性が高まっております。安全と安心は異なるも のです。安全はどこまでいっても安心とはなりません。インフラが整備され、どこまでも 便利に、そして安全になっても人は完全に安心とはならないのです。人と人との心が通う まちづくりこそが安心して暮らせるまちづくりであります。そんな幸せ溢れるまちづくり をおこなってまいります。 身近な人の大切さ 家庭、会社など社会で必ず必要となるのが対人交流であります。家庭が楽しい、職場が 楽しいというのは、そこにおける対人関係がより良い関係だからであります。まずは家族 という一番、小さなコミュニティー内での交流が幸せなものでなければいけません。私た ちが明るい豊かなまちづくりを実現するためにおこなっているJC運動も、その大切な家 族のためであります。しかしながら、身近な存在に成れば成るほど、大切さを毎日意識し ていない気がします。家族といってもお互いに人間なのです。完全な人はこの世には居ま せん。人だから不完全であり、お互いの不完全さを受け入れ、価値観を認め合い、相互理 解を深めることで身近な大切さを改めて感じることができると思います。まずは小さなコ ミュニティーをより良くすることで、地域社会がより良くなることでしょう。 支え合うことの大切さ 2014年度は50名近い、大勢の出向者を日本JC、近畿地区協議会、大阪ブロック 協議会に輩出いたしました。その結果、出向先での新たな出会い、新たな学びを得ること ができました。そして、その学びをLOMにフィードバックしLOMメンバーと情報を共 有することでLOM内の活性化へと繋がりました。2015年度はさらなる出向者の増員 をおこなってまいります。またLOMメンバーが増加する中、京都会議やサマーコンファ レンス、大規模大会に多くのメンバーが参加しやすい環境を整えていく必要も生まれてき ました。そこで2015年度は出向者の能力を最大限に引き出せるように日本JC、近畿 地区協議会、大阪ブロック協議会といった多方面の出向先とのやりとりを出向者にかわり サポートできる環境を創ってまいります。 伝える為の創意工夫 2013年度に取得した堺高石JC会館を更に活用する必要があります。同時に会員の 増加と共に組織運営としてのより良い変化が必要だとも考えます。より円滑な運営をおこ なうためにもJC会館の活用、事務局の運営をおこない、総会や理事会にも斬新な工夫を 創造し、より良い堺高石JCの実現をしてまいります。また、より多くの方へ堺高石青年 会議所がおこなう活動、運動をLOM内外へ伝えていく必要があります。IT化の多様性 が急速に進む中、WEBやソーシャルネットワーキングサービスを活用してより良い情報 提供をおこなうことが、多くの機会の提供へと繋がります。そのために新たな情報発信の 方法を創造してまいります。 最後に 私には「日本の子どもたちに夢を与える社会を創る」という夢があります。その夢の実 現のために、積小為大の精神で地に足をつけて小さなことを積み上げていきます。夢の実 現に向けて私たちがおこなう誠実な行動こそが子どもたちに夢を描く素晴らしさを伝える ことができると信じています。自らを律し、素直な心で誠実につとめてまいります。 「積小為大」 大事を成さんと欲せば小なることを怠らず勤むべし。小積もりて大となればなり。およそ 小人の常大なる事を欲して小なる事を怠り、出来難き事を憂いて出来易き事を勤めず。そ れ故、終に大なる事をなすこと能わず。
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