社債市場が 注目される年

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21 世紀の投資テーマ
お客さま用資料
PERSPECTIVES
2015 年
12 月
2016 年の見通し
社債市場が
注目される年
金融政策と世界経済の成長見通しが 2016 年の債券市場のトレ
ンドを決定づける要因となると見られますが、その観点から社
債は最も魅力的な投資対象と考えられます。米連邦準備制度理
事会(FRB)の金融引き締めが、時期および規模において市場予
想の範囲内にとどまる限り、米国の金利上昇リスクは比較的限
フィデリティ・インターナショナル
ヘッド・オブ・クオンテイテイブ・リサーチ
デイビット・バックル
定されたものとなると予想されます。一方で、FRB の行動が市
場の思惑と異なる場合には、リスク資産が影響を受けることと
なるでしょう。債券市場にとって鍵となるのは中国の動向であ
ると思われ、中国経済のさらなる減速が通貨安競争を生み、ソブ
リン債の下落を引き起こす可能性があると考えられます。
マクロ経済要因がパフォーマンスを決定づける
2016 年の投資パフォーマンスを決定づけるものはマクロ経
国の政策金利の動向ですが、世界経済の成長見通しもまた、
済要因となるでしょう。その中で最も重要なものは主要先進
詳細な分析が必要と言えるでしょう。
金融の二極化
2016 年は先進国の二極化した金利政策で特徴づけられる年
しつつも、安定的な経済成長を十分維持できると認められれ
となるでしょう。米国では、満を持した利上げサイクルが始
ば、リスク資産の好調なパフォーマンスが期待でき、株式市
まることが予想されますが、その利上げは 2016 年を通して
場全般および米国社債市場などに恩恵がもたらされると予
緩やかで小幅なものにとどまると見られます。米国の政策金
想されます。しかし反対に、
(生産設備や雇用の不足等によ
利は引き続き比較的低水準で維持され、米国債にとっては良
る)生産制約が現れる前に FRB が市場予想を上回る速度・規
好な環境が続くと考えられるため、マイナスのリターンとな
模で金融引き締めを実施し、経済の成長見通しを減速させる
る可能性は低いと言えるでしょう。
ことにつながれば、米国のリスク資産は伸び悩むこととなる
可能性があります。
米国債を取り巻く状況とは違って、FRB の政策に対する市場
の評価は、リスク資産全般にとって、その命運を左右するも
米国とは異なり、ユーロ圏の金融政策は、さらなる利下げと
のとなるでしょう。FRB の政策行動に対する市場の評価が、
量 的 金 融 緩 和 拡 大 の 可 能 性 が あ り ま す 。欧 州 中 央 銀 行
労働市場の逼迫によるインフレ圧力の兆しをコントロール
( ECB )は、インフレ率の目標を 2 %弱としていますが、現在
※記載は当レポート作成月時点の投資環境の見方です。今後の相場を保証または示唆するものではありません。
また予告なく変更されることがあります。最終ページを必ずお読みください。
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のインフレ率はこれより実質的にかなり低い水準にありま
ロ圏の国債利回りは 2016 年も引き続き低水準で推移すると
す。インフレ率が早急に上昇する兆しは見られず、低インフ
ともに、債券価格は全般に下支えされる見通しです。
レが継続するものと見られます。低金利の継続により、ユー
インフレ、通貨安競争
2016 年は、概して言えば、主に以下に述べる 2 つのリスク要
ことを念頭に置く必要があります。世界経済の成長に伴って
因により、ソブリン債よりも社債市場がより魅力的で底堅い
中国経済が加速し、主に新興国経済の減速を埋め合わせると
動きとなると考えています。リスク要因の 1 つは、米国のイ
いうことが理想的と言えますが、中国の経済成長、ひいては
ンフレがいよいよ加速し、欧州への波及が拡大することで、
世界経済が減速した場合、2015 年に起きた通貨安競争が再燃
金融政策の見通しが変わってしまう可能性です。そうなった
しかねません。世界経済のさらなる鈍化によって、中国やそ
場合、特に低利回りの欧州を中心に、国債の魅力は大幅に減
の他の新興国が外貨準備を取り崩し、これらの国々が保有す
少してしまうことも考えられます。
る外国債券を売却せざるを得なくなる可能性が示唆されま
す。この流れが国債市場の重しとなり、その国の経済とは関
しかし、最大のリスクは、世界的な経済減速に呼応する形で
係なく、利回りが上昇する背景となるかもしれません。とは
の新興市場による通貨安競争の再燃でしょう。米国は世界の
い え 、中 国 の 金 融 当 局 に は 、金 融 機 関 向 け の 預 金 準 備 率
経済成長の牽引役となってきましたが、今後もその状況が続
(RRR)と政策金利の引き下げを通じて、信用拡大を図る余地
くと思われます。この構図は 2016 年の世界の経済成長を引
がいまだ残っています。景気減速に歯止めをかけるため、こ
き上げるには十分なものかもしれませんが、一方でそれは中
のような金融緩和が 2016 年も継続すると見ています。
国の経済見通しと国内消費の動向に大きく左右されるという
※記載は当レポート作成月時点の投資環境の見方です。今後の相場を保証または示唆するものではありません。
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客様の求める資産形成を実現することを使命としています。フィデリティ・インターナショナルは 1946 年米国ボストンで創業された
「フィデリティ・インベスメンツ」の国際投資部門として 1969 年に設立されました。1980 年に米国の組織から独立し、現在は経営陣
と創業家が主要株主となっています。
(※ 1 ドル= 119.765 円で計算、データは 2015 年 9 月 30 日現在)
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