NO.12 パニック障害

2008 年 5 月 12 日
東京富士大学・大学院/東京富士大学短期大学部
学生相談室カウンセラー
松田美登子
学生相談室だより NO.12
「学生相談室だより」では、現代の若者に多い問題や悩みをテーマとして取り上げ、わかりやすくお伝えしています。ぜひ、自分の
問題解決やこころの発達に役立てていただきたいと思います。今回は、「パニック障害」をテーマにしました。
パニック障 害
最近注目を集めている疾患にパニック障害があります。パニック障害とは突然、激しい不安に襲われ,胸がドキドキしたり息が苦しく
なったり、めまいがしたりする発作を繰り返す病気です。過呼吸発作を伴うこともあります。発作が起きると「このまま死んでしまうので
はないか」との不安にかられる人も少なくありません。このような発作がいつ起こるか不安なため、駅間隔が短い各駅停車にしか乗れ
ないケースや授業が落ち着いて受けられないケースも珍しくありません。ひどくなると、電車に乗れないために通学ができなくなり、
退学に至るケースもあります。「死の恐怖」にも関わらず、検査をしても異常が見つからないのが特徴です。また、男性よりも女性に多
いのも特徴です。発作は数分から30分、長くても1時間以内にはなくなります。パニック障害はきちんと治療すれば治る病気です。
パニック発作とパニック障害のメカニズム
破 壊 的 認 知
不安・緊張
不安・緊張
ちょっとした
(死ぬかも知れない)
回
避
行
動
(発作が起きた場所を避ける)
ス ト レ ス
(睡眠不足・風邪気味・過労など)
解 消
(
一時的でよくあること
パニック障害
パニック発作
)
( 慢 性 化 )
私たちは常に、日常生活でちょっとしたストレスから不安や緊張感を感じています。しかし、それらのほとんどは自然に解消
してしまいます。しかし、タイミングが悪くパニック発作を起こしてしまい、それが慢性化してしまう場合があります。それがパニ
ック障害です。
対処行動と治療法
先に述べたように、この発作は長時間続かないので、焦らずにゆっくりと呼吸をして、静かに休んで症状がおさまるのを待ちましょう。
呼吸法に関しては、前回の「学生相談室だより NO.11」を参考にしてください。不安が強い場合は、薬物療法が有効です。早めに精
神科や心療内科を受診しましょう。この病気のメカニズムについて説明してもらうだけでもかなり楽になります。心理カウ
ンセリングも有効です。この病気の場合のカウンセリングは「この発作で死ぬかもしれない」というような破壊的認知や
発作が起きた場所を避けるための回避行動の修正をめざす認知行動療法的カウンセリングが有効です。最近は薬物療法と認知行
動療法の併用がもっとも望ましいとされています。
(⇒くわしくは学生相談室へ)