山村振興に係る平成24年度補正予算、平成25年度予算・税制改正に関 する要望書 平成 25 年 1 月 山村振興につきましては、日頃から格別のご配慮を賜り、厚く御礼申し上げ ます。 さて、近年、我が国を取り巻く経済環境が不透明な中で、国全体の経済・景 気が低迷し、経済基盤の脆弱な山村地域へ大きな打撃となっております。 このような状況の中、この度、政府におかれては、緊急経済対策が検討され、 強力な景気対策が行われようとしており、このことについては大いに期待する ところですが、もともと経済基盤の脆弱な山村地域の市町村については、その 効果が行き渡るためには、相当の時間を要します。 そもそも、山村地域は、道路、情報通信、生活環境の整備水準が全国に比べ て低位な状況にあり、高齢化の進展により、耕作放棄地の増大、鳥獣被害の多 発、集落機能の低下等一刻を争う危機的な状況にあります。 このため、政府・国会におかれては、山村地域が我が日本精神の原点である ことを踏まえ、その振興を図ることこそが、国全体の発展につながること十分 ご認識いただき、国全体の景気対策と併せて、山村振興を国の重点課題に据え て、下記の事項の実現を図っていただくよう強く要望いたします。 記 Ⅰ 山村振興対策の総合的・計画的推進 山村計画に基づき、道路・情報通信・生活基盤の整備、産業基盤の整備、 医療・保健・福祉対策の充実、教育・文化対策の充実を図るほか、辺地債・ 過疎債の確保、農山漁村活性化対策、森林・林業振興対策等にかかる地方財 政措置の充実強化、地方交付税の算定に当たっての山村特有の事情の配慮を 行う等の地方交付税の充実強化を図ること。 また、国土強靭化対策を推進し、東日本大震災の復旧・復興対策に努める こと。 さらに、山村地域における機械等の取得に係る特別償却制度の延長とその 拡充を図ること。 Ⅱ 多面的・公益的機能の維持発揮 森林が二酸化炭素吸収源として大きな役割を担うことを踏まえ、計画的な 間伐等の森林施業とこれと一体的となった森林作業道の開設を促進すること。 また、治山、治水、砂防事業の充実強化を図るとともに、水源かん養等の 国土保全対策にかかる地方財政措置の継続実施を図ること。 さらに、森林吸収源対策に係る所要の税制措置を講ずるとともに、地方税 財源を確保・充実する制度を創設すること。 Ⅲ 集落機能の維持強化と施設整備 山村地域における農林水産業の振興、生活環境の向上を図るため、農山漁 村活性化プロジェクト支援交付金制度の充実を図るとともに、山村の持つ豊 かな資源を活用して行われる地域コミュニティーの再生と地域活性化に向け た地域をあげた取り組みを支援するための制度を創設すること。 また、山村地域において安定的な農業生産活動が行われるよう、 「中山間地 域等直接支払交付金制度」、「農地・水保全管理支払交付金制度」、「耕作放棄 地再生利用緊急対策交付金制度」の充実・強化を図ること。 さらに、山村地域における共同利用施設の整備を支援するための強い農業 作り交付金の充実・強化を図ること。 Ⅳ 攻めの農林水産業対策、地域資源の活用対策 山村地域の発展には、地域資源を生かした産業振興が不可欠であり、農林 漁業の振興とその 6 次産業化の推進を図るとともに、豊かな森林資源を活用 した川上から川下に至る一貫した林業、木材産業の振興対策の充実強化を図 るほか、農地等の土地資源、優れた環境等を活用した新たな企業立地の対策 を充実・強化すること。 また、地域材の利用促進を行うため、強い林業・木材産業構築緊急対策、 「木 材利用ポイント」付与する地域材活用促進支援事業、きのこ原木増産体制緊 急支援事業を創設すること。 さらに、再生可能エネルギー対策を推進するため、地域バイオマスを活用 した産業の確立、地域還元型再生可能エネルギーモデルの早期確立、小水力 等再生可能エネルギーの導入、木質バイオマス産業化促進等を積極的に推進 すること。 Ⅴ 鳥獣被害対策 近年深刻化している鳥獣被害対策を充実強化するため、予算枠の拡大を図 るとともに、捕獲した者に頭数に応じた捕獲活動経費を助成する等の捕獲活 動へのインセンティブを与える制度を創設すること。 Ⅵ その他 山村と都市の共生対流を図るため、グリーンツーリズムの推進、ボランテ ィア活動の促進、教育の場での体験活動の促進を図ること。 また、山村地域への定住促進、都市との連携による山村の活性化に努める こと。
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