熊本大学学術リポジトリ Kumamoto University Repository System Title 膵β細胞を標的とした抗糖尿病薬創出を目指した研究 Author(s) 中島, 隆太郎 Citation Issue date 2015-12-25 Type Thesis or Dissertation URL http://hdl.handle.net/2298/34063 Right 膵β細胞 を標 的 と した抗糖尿病薬創 出を 目指 した研究 (Studies aiming at the discovery of anti-diabetic drugs 中 島 隆 太 郎 targeting on pancreatic β cell) 学位論文抄録 p細胞の維持や惇 p細胞量の回復には、高い未充足ニーズが p細胞を標的とした薬剤創出を目的として、 2つのアブローチで研究 [目的l糖尿病治療において、機能的 存在する。本研究では、膝 G S I S ) 促進活性を有する新規 GPR40アゴ を行った。研究 1:グルコース依存的インスリン分泌 ( ニスト DS-1558の有効性を検証した。研究 2:匪性幹 ( E S ) 細胞及び人工多能性幹(iPS) 細胞 から効率的に機能的惇 p 細胞を作製するには、膝 p 細胞分化誘導法の改良が必要である。低コス ト・効率化した迅速スクリーニング系を構築し、新たに取得した隠 p 細胞分化促進化合物の機序 解明を行った。 [方法l研究 1:DS-1558の薬理活性を GPR40発現 CHO細胞、 GPR40ノックアウト (GPR40KO) マウス及び耐糖能不全 Zucker白句r ラットを用いて検討した。 GLP-1受容体 (GLP-1R) アゴニス / dbマウスにおける糖負荷試験で検討した。研究 2: トとの併用効果を正常ラット及び糖尿病 db P a n c r ea t i ca n dd u o d e n a lhomeoboxg e n e1プロモーターの制御下に緑色蛍光タンパク質 (GFP) を発 2日間の降 現するマウス ES細胞 SK7株を用いて 1 p細胞分化誘導系を構築した。インスリンと GFPを指標に膝 p細胞を検出して化合物ライブラリーをスクリーニングした。最も活性があった 化合物 m y c o p h e n o l i ca c i d (MPA) の機序解明にマイクロアレイ解析、免疫細胞化学染色、細胞共 培養等を用いた。 [結果 l研究 1:DS-1558の作用は、 GPR40KOで消失した。また、 Zuckerf a t t yラットにおいて、 ・8 7 5の 1 11 0 0の用量で同等の薬効を示した。 GSIS及び耐糖能に対する GLP-1R 既知化合物 TAK アゴニストとの併用効果が、正常ラット及び db / dbマウスにおいて認められた。研究 2:新規ス 2個の化合物を得た。 MPA処理で誘導した膝 クリーニング系を用いて 1 p細胞の GSISを確認し ゅーカテニン経路に注目した。膝 p細 た。孔1PA処理後のマイクロアレイ解析から神経細胞と Wn 胞分化誘導系において MPA処理で神経細胞減少を認めた。神経細胞共培養で膝 p細胞分化が抑 P S細胞においても同様であった。 Wn t ls -力テニン経路限害剤は、 MPAの豚 制され、これはヒト i Wn t ls -カテニン経路活性化剤は、神経細胞の膝 p細胞分化抑制を解除 p細胞分化促進を解除し、 しT こ 。 i 考 察l研究 1:DS-1558の GPR40を介した強力な耐糖能改善作用を見出した。また、 GLP-1Rア ゴニストとの併用により更に強力な抗糖尿病薬効が発揮できることを示した。研究 2:新規スク リーニング系が豚 p細胞分化促進物質の発見に有効であることを確認した。 MPAは、神経細胞 減少に起因した膝 p 細胞分化促進作用を示した。更に、膝 p 細胞分化誘導系において、神経細胞 由来液性因子が Wn ゆ-カテニン経路を阻害して豚 p細胞分化を抑制することが示唆された。 [結輪l新規 GPR40アゴニスト DS-1558が、強力かつ併用可能な抗糖尿病薬として新たな治療の 選択肢となり得ることを示した。また、膝 p 細胞分化促進物質迅速スクリーニング系を構築して 化合物を取得し、ヒット化合物乱。A の神経細胞減少を介した豚 p細胞分化促進作用を解明した。
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