救命救急病棟における多剤耐性緑膿菌(MDRP)

救命救急病棟における多剤耐性緑膿菌(MDRP)検出についての
ご説明とご協力のお願い
昨今、医療機関における多剤耐性菌(複数の抗菌薬が効きにくい細菌)が問
題となっております。当院におきましても、日頃より院内感染対策委員会およ
び感染対策チーム(ICT)を中心に多剤耐性菌の院内拡大防止に向けて、様々な
対策を講じてまいりましたが、昨年末より救命救急病棟に入院中の複数の患者
様から断続的に多剤耐性緑膿菌(MDRP)が検出され、事態を重く受け止め、
多摩立川保健所、東京都福祉保健局に報告するとともに、感染対策を強化して
おります。
MDRP は多剤耐性菌としては以前からよく知られており、厚生労働省のサー
ベイランスでは年間約 2000 人程度の報告があり、当院でも通常数ヶ月に1例程
度の検出があります。一般には毒素の弱い菌ですが、抵抗力が低下した患者様
に感染すると、重篤な感染症を引き起こす場合もあります。
現時点では MDRP が原因で重篤な症状に進行した患者様はいらっしゃいませ
んが、保菌状態となっている患者様からの接触感染による感染拡大を考えてお
ります。本菌検出後に対策会議を行い、職員の手指消毒等の感染予防策、患者
様が使用した病院環境の除菌清掃を含む環境整備を再度徹底しております。
対策強化のため、本菌が検出された患者様は個室に転室していただき、
「接触
感染予防策」を実施しております。ご面会の方の手洗い、マスク装着、エプロ
ン装着等に関しましても、必要に応じ、ご協力いただいております。入院中の
患者様やお見舞いに来られたご家族の皆様には大変ご迷惑とご心配をお掛けし
ておりますが、感染予防対策のためご協力いただきますようお願い申しあげま
す。
平成 28 年 2 月 29 日
国立病院機構災害医療センター
病院長
高里
良男