一橋大学(前期)【地理】解答例 Ⅰ 問1 コーヒー豆=X、茶=Y 問2 ア=ブラジル、イ=ベトナム、ウ=インドネシア、エ=コートジボワール、 オ=ケニア、カ=トルコ 問3 主要生産国の多くで国内消費が増加しており、生産量が増加しているものの、輸出割 合は低下傾向にある。また、旧ソ連の崩壊や、ク国でYからX、アメリカでXからY へ嗜好が変化していることを背景に、伝統的なク国に加えてロシアやアメリカも大輸 入国化している。(122 字) 問4 工業化の遅れたエ国、オ国の経済はこれら三つの農産物の輸出に強く依存し、その動 向に左右される不安定なモノカルチャー経済となっている。一方、近年急速に工業化 を遂げて輸出品が多角化しているイ国、ウ国の経済は、エ国、オ国のような状況から の脱却が進んでいる。(124 字) 問5 消費国、消費者が生産国、生産者農民から搾取して、貧困を強いるという、植民地支 配の負の遺産でもある不平等、不公正が維持され、従属関係に変化がないこと。 (74 字) Ⅱ 問1 シェンゲン協定。旅券による国境検査を撤廃し、域内における人の自由な移動の実現 を目指すものであった。 (49 字) 問2 A=「貧困」状態、B=製造業従事者、C=65 歳以上人口、 サ=ルーマニア、シ=チェコ、ス=ブルガリア、セ=エストニア 問3 人口規模、国民の生活水準、少子高齢化の進行状況などに差異はあるが、新規加盟国 の大部分が EU 平均、全体よりも貧しい小国である。このため、EU 域内で負の方向 への格差拡大や、新規加盟国と既存加盟国の間の利害対立が生じ、結束に亀裂が入る こととなった。 (119 字) 問4 世界金融危機を契機に、スペイン、イタリアは人口流入から人口流出に転じた。ポー ランドにおける人口流入の増大は、この結果生じた労働者の帰国に起因する。一方、 ユーロ危機時も良好な経済状況にあったドイツでは、それ以降人口流入が活発化し、 この状況はシリア内戦に伴う難民流入の影響もあって激化している。 (145 字) Ⅲ 問1 国土が山がちで農地の拡大が容易でないうえ、零細経営農家が多く、主業農家が少な く、農業就労者も高齢化している。このため農畜産物の増産は容易でない。また、農 家の多くが稲作を営んでいるため、輸入農畜産物を国内生産に切り替えると、入れ違 いに栽培時に水資源を大量消費する米を輸入依存することになる。 (144 字) 問2 パラグアイ X=小麦、Y=大豆 問3 収益重視の農業経営を展開する両国は、遺伝子組み換え品種を導入するなど近年価格 が高騰しているY栽培に傾注しているが、タではこれが他作物との輪作の一環とされ ている。一方、タでは高収量品種の導入などX栽培も盛んだが、チではYなどへの転 換が活発化している。(124 字) 問4 先住民族などが居住する開発の遅れた自然植生が豊かに残存している土地を農地化す る目的で、巨大な資本力を持つ農業企業が彼らに対して半強制的に立ち退きを迫るな ど、土地の奪取を図ったため。 (90 字)
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