ASEANにおける日系企業の動向

ASEANにおける日系企業の動向
~日系企業活動における課題について
2016年3月2日
トランザクションバンキング本部
国際業務部
海外ビジネスアドバイザリーグループ
アジア経済の主役:日本・中国・インド・ASEAN
日本・中国・インド・アセアンから成り立つアジア経済圏
13.7億人
10.3兆ドル
日本
6.7千社
4.6兆ドル
$$$
日系現法
GDP
$$
人口
GDP
中国
(中華人民共和国)
インド
12.9億人
アセアン(10ヶ国)
6.2億人
6.9千社
0.7千社
日系現法
2.0兆ドル
2.5兆ドル
$
$
GDP
人口
(出所)人口・GDP:IMF、JETRO等、日系進出現法数:東洋経済「海外進出企業総覧」2015年版
2
日系現法
GDP
人口
ASEANを取り巻く経済連携
AEC、TPPに加え、RCEPにも期待
2015年12月AEC発足、TPPは合意済、RCEPは2016年合意を目指す
RCEP(東アジア地域包括的経済連携)
ASEAN
TPP
インド
ミャンマー
ラオス
ベトナム
カンボジア
フィリピン
マレーシア
タイ
インドネシア
ペルー
カナダ
メキシコ
ブルネイ
シンガポール
AEC
日中韓FTA
米国
チリ
韓国
中国
日本
オーストラリア
ニュージーランド
その他FTA等
トルコ
パキスタン
BIMSTEC
ベンガル湾多分野技術協力・経済協力イニシアチブ
参加国: バングラデシュ、インド、ミャンマー、スリランカ、ネパール、ブータン
(枠組協定)
(出所)各種報道など
3
アジア諸国の概要
各国の概要
タイ
ベトナム
インドネシア
マレーシア
フィリピン
シンガポール
ミャンマー
中国
インド
513
332
1,905
330
300
7.1
676
9,597
3,287
日本の約1.4倍
九州を除く
日本程度
日本の約5倍
日本の約0.9倍
日本の約0.8倍
東京23区程度
日本の約1.8倍
日本の約26倍
日本の約9倍
65.1
(2014年)
90.7
(2014年)
252.2
(2014年)
30.3
(2014年)
99.9
(2014年)
5.5
(2014年)
51.4
(2014年)
1,367.8
(2014年)
1,295.2
(2014年)
国土(千km²)
人口(百万人)
民族
タイ族
80%
キン族
90%
マレー系 大多数
マレー系
62%
マレー系
中国系
74%
ビルマ族
68%
中国系
10%
中国系
3%
その他(中国系
5%程度含む)
中国系
23%
マレー系
13%
シャン族
9%
インド系
7%
その他(中国系、
スペイン系及び
これらとの混血、
少数民族等)
インド系
9%
カレン族
7%
その他135の少数
民族
モンゴロイド系 3%
キリスト教
93%
イスラム教
5%
仏教、イスラム教、 上座部仏教 89%
キリスト教、道教、 キリスト教
5%
ヒンドゥー教
4%
イスラム教
他
他
儒教、道教、仏教、 ヒンドゥー教 81%
キリスト教
イスラム教 13%
等
2%
キリスト教
その他(マレー系、 その他52の少数
少数民族など)
民族
宗教
仏教
イスラム教
94%
5%
仏教
イスラム教
88%
カトリック、
カオダイ教
キリスト教
9%
ヒンドゥ-教
2%
他
他
80%
イスラム教
(連邦の宗教)、
仏教、儒教、
ヒンドゥー教、
キリスト教
95%
他
その他
3%
漢族
92%
その他55の少数
民族
等
政治体制
日系進出企業数
(2014年)
立憲君主制
社会主義共和国
立憲共和制
立憲君主制
立憲共和制
共和制
議員内閣制
社会主義制度の
人民民主共和国
連邦共和制
インド・アーリヤ系
72%
ドラビダ系
25%
シク教
2%
仏教
1%
連邦共和制
2,178
804
1,071
898
521
1,248
58
6,707
718
日本の対外直接
投資残高
(2014年末、百万ドル)
52,337
12,011
23,630
13,706
11,164
45,639
N.A.
104,355
13,597
在留邦人数
(2014年10月)
64,285
13,547
17,893
22,056
18,870
35,982
1,330
133,902
8,313
(出所)各種公表
4
アジア諸国の経済データ
各国の経済データ
タイ
ベトナム
インドネシア
マレーシア
フィリピン
シンガポール
ミャンマー
中国
インド
1人当たりGDP
(USD)
2014年
5,444
2,052
3,533
10,803
2,865
56,319
1,221
7,589
1,626
名目GDP総額
(USD10億)
2014年
374
186
889
327
285
308
63
10,380
2,049
2014年
0.9%
6.0%
5.0%
6.0%
6.1%
2.9%
7.8%
7.4%
7.3%
2015年
2.8%
6.7%
4.8%
5.0%
5.8%
2.1%
8.3%※
6.9%
6.4%※
2014年
1.9%
4.1%
6.4%
3.1%
4.2%
1.0%
5.9%
2.0%
6.0%
2014年
0.8%
2.5%
6.1%
2.9%
6.8%
2.0%
4.0%
4.1%
4.9%
経常収支
(USD億)
2014年
131
101
(262)
151
127
588
外貨準備
(USD億)
2014年
1,513
342
1,088
1,146
721
2,566
対外債務残高
(USD億)
2014年
1,407
2,926
2,276
585
0
実質GDP成長率
消費者物価上昇率
失業率
491
※ 予測値
(出所)JETRO「各国・地域データ比較」、IMF World Economic Outlook、各国中銀資料、JCIF等、一部予測値含む
5
(15)
(2013年)
70
(2012年)
26
(2012年)
2,197
(323)
(2013年)
38,592
3,035
8,955
4,619
アジア諸国の1人当たりGDP
主要都市別一人当たりGDP
アジア諸国の1人当たり名目GDP推移(2014年)
(USD)
都市名
北京
上海
クアランプール
マニラ首都圏
バンコク
ジャカルタ
ホーチミン
ハノイ
1960年~1980年代の日本のイベント
1人あたり GDP
16,278
15,847
24,324
4,535
11,507
10,159
5,131
2,985
10,000
9,000
8,000
シンガポール 56,319
1964年: 東京オリンピック開催
東海道新幹線開通
1966年: いざなぎ景気
1970年: 大阪万博開催
1971年: 円が変動相場制に移行
1973年: オイルショック
1979年: 第二次オイルショック
1985年: 民営化によりNTT、JT発足
日本
中国
7,589
7,000
タイ
5,444
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
マレーシア
10,803
36,331
カンボジア
1,081
ミャンマー
1,228
インド
1,626
ベトナム
2,052
ラオス
1,693
フィリピン
2,865
インドネシア
3,533
1,000
0
1960年
1965年
1970年
1975年
1980年
(日本が到達した年)
1964年
東京五輪
1970年
大阪万博
(出所)IMF - World Economic Outlook Databases 2014年4月版
6
1971年
円変動相場制
1973年
オイルショック
1979年
第2次オイルショック
アジア諸国の人口ボーナス
東南アジアの人口ピラミッド
東南アジアの人口ボーナス期
(百万人)
年
国・地域
50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 0
シンガポール
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60
1970~2015
マレーシア
2020~
1970~2045
フィリピン
1970~2050
タイ
2055~
1975~2015
インドネシア
2020~
1975~2025
ベトナム
2030~
1975~2035
中国
2040~
1975~2015
インド
2020~
1970~2040
日本
1955~1990
2045~
1995~
人口ボーナス期
(出所)US Census Bureau
2050~
人口オーナス期
(出所)国連のデータを元に作成
日本の人口ピラミッド
東南アジア主要国の人口
(百万人)
(百万人)
インドネシア
254
フィリピン
108
ベトナム
93
タイ
68
ミャンマー
56
マレーシア
30
カンボジア
15
ラオス
7
シンガポール
6
0
(出所)US Census Bureau
7
(出所)US Census Bureau
50
100
150
200
250
300
アジア諸国の失業率、賃金比較
失業率各国比較
製造業:一般工の月額賃金比較
(USD)
12%
タイ
10%
バンコク
8%
6%
4%
インド
ネシア マレーシア
中国
クアラルン
深セン ジャカルタ プール
上海
ベトナム
ミャンマー フィリピン カンボジア
ハノイ ホーチミン ヤンゴン
マニラ
ニュー
デリー
月額
賃金
369
472
413
263
453
173
185
127
267
113
381
日本
(100)
との比
較※
15.5
19.8
17.4
11.0
19.0
7.2
7.7
5.3
11.2
4.7
16.0
※ 日本(東京)一般工の月額賃金(USD):2,373
製造業:中間管理職(課長クラス)の月額賃金比較
2%
(USD)
0%
タイ
日本
インドネシア
フィリピン
ベトナム
中国
マレーシア
タイ
月額
賃金
日本
(100)
との比
較※
インド
ネシア マレーシア
中国
クアラルン
深セン ジャカルタ プール
ベトナム
バンコク
上海
ハノイ
1,487
1,556
1,304
1,015
1,857
859
783
35.1
36.8
30.8
24.0
43.9
20.3
18.5
ミャンマー フィリピン カンボジア
(出所)IMF - World Economic Outlook Databases
2015年9月版
インド
マニラ
プノン
ペン
ニュー
デリー
951
1,075
668
1,780
22.4
25.4
15.8
42.1
ホーチミン ヤンゴン
※日本(東京)中間管理職の月額賃金(USD):4,227
8
プノン
ペン
インド
(出所) 第25回アジア・オセアニア主要都市・地域投資関連コスト比較(2015年5月 JETRO)
日系企業の海外進出数推移
進出企業数(累計)
アジア進出日系企業数(現地法人数)
(社数)
(2014年)
7,000
進出企業合計
6,500
合計
%
新規進出計
2005年
以前
%
年別新規進出企業数
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
6,000
全世界
28,011 100.00%
17,601
100.0%
1,015
821
826
658
816
1,252
1,345
1,028
549
5,500
アジア
17,616
62.89%
10,738
61.0%
729
569
543
445
597
970
1,011
756
364
中国
6,707
23.94%
3,910
22.2%
416
288
226
215
291
421
380
184
80
ASEAN
6,859
24.49%
4.238
24.1%
190
163
181
138
165
345
427
426
213
2,178
7.78%
1,434
8.2%
79
61
61
46
55
84
107
106
48
804
2.87%
268
1.5%
58
54
56
38
30
72
70
73
41
1,071
3.82%
635
3.6%
13
14
10
12
18
72
113
94
42
マレーシア
898
3.21%
687
3.9%
12
10
12
13
20
22
33
26
18
フィリピン
521
1.86%
377
2.1%
6
8
12
6
6
16
17
19
11
1,248
4.46%
816
4.6%
20
14
28
19
31
69
63
68
32
ミャンマー
58
0.21%
9
0.1%
-
-
-
-
-
-
10
25
11
60,000
カンボジア
61
0.22%
7
0.0%
-
-
1
2
4
9
13
12
8
40,000
ラオス
17
0.06%
3
0.0%
1
2
1
2
1
1
1
3
2
3
0.01%
2
0.0%
1
-
-
-
-
-
-
-
-
718
2.56%
217
1.2%
33
52
61
30
60
77
72
47
25
5,000
中国(累計)
ASEAN(累計)
タイ
ベトナム
インドネシア
直接投資流入額
(USD百万)
140,000
120,000
シンガポール
100,000
80,000
20,000
ブルネイ
インド
中国
ASEAN
(出所)東洋経済「海外進出企業総覧」2015年版「国別にみた現地法人数(進出年次別)」
9
AECを踏まえたASEAN各国の産業動向
集約と分散の流れが並存するASEAN

ASEAN域内においても生産コストの差が広がるなか、AEC(域内関税撤廃等)を視野に入れた拠点分散化の動きが進展

こうしたなか、生産コストや立地条件の違いなどにより、各国の産業集積に変化が見られている

自然災害などのリスクを踏まえたサプライチェーンの体制強化も拠点分散を進める背景として挙げられる
ASEAN各国の足元の産業動向
 ティラワ工業団地の開業もあり、日系
製造業の投資が増加
 低賃金を生かした、縫製業等の労働
集約型産業の他、現地市場を狙った
消費財関連の投資も見られる
 資源中心から、建設業・農林業・製造業・観光業・金融
業などへと多様化が徐々に進む
 タイ+1として製造業の進出も見られる
 制度変更に伴い、またASEAN全域を
見据え、統括拠点の設置を検討する
企業が増加
1997年加盟
ラオス
1999年加盟
タイ
 豊富な労働力や低コストオペレーション(賃金、
工業団地賃借)が投資を後押し、日系製造業
の進出は堅調
ベトナム
カンボジア
フィリピン
 内需を狙った投資も増加傾向
ブルネイ
 低賃金を生かした、縫製・製靴業への
投資が依然多い
1984年加入
1995年加盟
ミャンマー
 タイ進出済み企業を中心に、周辺国
に分工場を設置するなど、サプライ
チェーン・産業集積が広がる傾向
1967年加盟
 エレクトロニクスなどの生産拠点として、注目が
集まる。また今後は自動車産業の集積が進む
可能性も
マレーシア
 内需を狙った投資も増加傾向
 日系部品メーカー(自動車・電気機器
等)の進出が増加傾向(タイ+1)
 太陽光発電等、高付加価値分野における投資
が伸びている
 石油化学や半導体、医薬品などの高
付加価値製品の製造や研究開発拠点
の集積が進む
 商社や大手製造業の統括拠点設置も
増加傾向
(出所)JETRO「アジアにおける新たな産業集積の動向」
10
シンガポール
インドネシア
 自動車・二輪車を中心とした耐久消費財の製造
業による進出は堅調
 好調な内需を狙った投資も増加傾向
高まるASEAN諸国の存在感
有望事業展開先国・地域ランキング
中期的(今後3年程度)に見た有望な事業の展開先国・地域ランキング
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
1位
中国
中国
中国
中国
インドネシア
インド
1位
インド
2位
インド
インド
インド
インド
インド
インドネシア
2位
インドネシア
3位
ベトナム
ベトナム
タイ
インドネシア
タイ
中国
2位
中国
4位
タイ
タイ
ベトナム
タイ
中国
タイ
4位
タイ
5位
ロシア
ブラジル
ブラジル
インドネシア
ベトナム
ベトナム
ベトナム
5位
ベトナム
6位
ブラジル
インドネシア
-
ブラジル
ブラジル
メキシコ
6位
メキシコ
7位
米国
ロシア
ロシア
メキシコ
メキシコ
ブラジル
7位
米国
8位
インドネシア
米国
米国
ロシア
ミャンマー
米国
8位
フィリピン
9位
韓国
韓国
マレーシア
米国
ロシア
ロシア
9位
ブラジル
マレーシア
マレーシア
台湾
台湾
ミャンマー
米国
ミャンマー
10位
(資料)JBIC調査「中期的(今後3年程度)有望事業展開先国・地域」
*調査対象は製造業で原則として海外現法を3社以上(うち、生産拠点1社以上を含む)を有する企業。回答企業数607社(回答率59.7%)
11
2015年度
10位
ミャンマー
タイにおける各種規制と日系企業の活動
基礎的指標
日系企業活動に関連する主な規制
投資奨励制度と外資規制 例
国土(千k㎡)
513
人口(百万人)
65.1
•
2015年1月、BOI(投資委員会)新投資奨励制度が導入
され、従来のゾーン制から業種別の恩典付与へと制度
が変更(高付加価値等の奨励業種に厚い恩典)
1人あたりGDP(USD)
5,444
名目GDP(USD10億)
374
•
また地域統括制度も改善され、申請する企業が増加
2.8%
•
製造業はほぼ外資100%や過半出資での進出が可能
経常収支(USD億)
131
•
消費者物価上昇率(%)
1.9
失業率(%)
0.8
一方、サービス業等の非製造業は外国人事業法
(Foreign Business Act 1999 : FBA)により、外国人
(外国企業)による事業に規制あり(原則外資50%未満
に制限)
実質GDP成長率(%)
外貨準備(USD億)
対外債務残高(USD億)
通貨 タイバーツ(THB)
(2/25時点ロイター)
•
12
•
外為管理に関しても外貨預金・外貨送金規制、資本規
制、外貨保有規制の緩和等が進んでおり、アジア諸国
の中では相対的に制約は少ない
1,407
2015年の輸出は自動車を除く略全品目でマ
イナスとなり、前年比▲5.6%と3年連続マイ
ナス。
一方輸入も資源価格下落や内需の弱さによ
り同▲11.3%と二桁マイナス。結果貿易黒
字はUSD346億と前年比拡大。
対応事例
事例1
12月の製造業生産指数は前年比+1.3%
•
為替管理の緩和が進み、現在では外為銀行が中銀の
事前許可を要する取引は限定的となっている
1THB=
3.153JPY
2015年の貿易黒字はUSD346億へ拡大
•
•
1,513
マクロ経済トピックス
•
金融関連規制 例
2015年12月の製造業生産指数は前年比
+1.3%と2ヶ月連続のプラス。世界需要の伸
び悩みを背景に計算機器・PCが同▲22.4%
と10ヶ月連続での二桁減。
全体のプラスを維持した主因は昨年7月以
降前年比プラスの輸出向け自動車生産の増
加。
事例2
•
大手製造業の進出は一巡感あり、昨今は中堅中小企業、また業種としてはサービス業など非製
造業の進出割合が多い。その結果、多くのケースで外国人事業法の規制対象となり、ローカル
パートナー(タイ資本)を探す必要が生じている。
•
大手企業と違い、中堅中小企業にとりパートナー探しは情報源も限られ苦労するほか、交渉に当
たっても人材が限られ困難に直面することが多い。
•
中にはリスクを冒して(或いはリスクを認識せず)、タイ人・タイ企業の名義を借りる、所謂ノミニー
取引を検討するケースも少なくない(処罰の対象)。
•
輸出売り上げの割合が多い企業の間で、VATの未還付問題があり。
•
特にタイに進出してからの年月の浅い企業に多く、また昨今は税務に詳しくかつ当局と交渉が可
能なタイ人を採用することが難しくなっており、対応に苦慮している企業が多い。
•
輸出の割合が高い企業の中には資繰りに影響を来たしているケースもあり。
インドネシアにおける各種規制と日系企業の活動
基礎的指標
日系企業活動に関連する主な規制
投資奨励制度と外資規制 例
国土(千k㎡)
1,905
人口(百万人)
252.2
1人あたりGDP(USD)
3,533
名目GDP(USD10億)
889
実質GDP成長率(%)
経常収支(USD億)
6.4
失業率(%)
6.1
対外債務残高(USD億)
通貨 インドネシアルピア(IDR)
(2/25時点ロイター)
1,088
ただし今後はエコカーなど戦略分野に優遇制度が制定
される可能性はあり
•
外資進出にはネガティブリストによる事業分野規制あり
特に、商業・サービス業等での規制に注意が必要
•
足許では、経済政策パッケージとして、卸売・倉庫業や
スポーツ施設、レストラン業等で条件の緩和がなされる
方向
2,926
高まる追加利下げへの期待
•
•
1IDR=
0.008JPY
マクロ経済トピックス
•
外国からの投資に対する優遇・インセンティブは限定的
(一部セクターでの大型投資のみ法人税の一定期間免
除有り)
4.8
(262)
消費者物価上昇率(%)
外貨準備(USD億)
•
1月14日にインドネシア中銀は政策金利を
7.50%から7.25%へ引き下げた。2016年に
入ってからも世界的な金融不安が続いたも
のの、インドネシアルピアは底堅さをキープ。
今回の利下げ後も実質金利は過去数年の
ピーク付近に高止まりしており、金融市場や
為替相場の動向を慎重に見ながら中銀は追
加利下げを探る展開となろう。
•
13
2015年10-12月期の外国直接投資は前年
比+17.0%と、2年ぶりの高い伸びとなった。
運輸・通信や不動産・ビジネスサービス等の
サービス業が高い伸びを維持、科学・金属
関連の製造業、鉱業向け投資も堅調に推移。
【外貨建対外債務ヘッジ規制】
• 外貨建対外債務(貿易債務含む)がある企業は、(1)為
替ヘッジ比率、(2)流動性比率、(3)外部格付取得義務
の遵守が必要
【負債資本比率規制】
• 負債:資本=4:1と定めた税制規制で、比率超過分の
利息は損金算入を認めていない
• 対外債務の残高につき中銀宛に月次報告が必要
【ルピア決済規制】
• インドネシア国内で発生する全ての商取引につき、IDR
を使用する義務
• 月間USD25千相当を超える外貨をIDRで購入する場合、
エビデンスの提出が必要
対応事例
事例1
事例2
•
製造業以外の業態の進出はネガティブリストによる投資規制があり、非製造業による投資が活
発化しない要因となっている。
•
特に現地消費市場が拡大する中、小売業等は多くの業態で外資への開放が限定的なことや、
パートナーシップを組むに当たり選定すべきパートナーの情報や調査方法が限られており、現地
企業との交渉が難航、進出断念する日系企業も少なくない。
•
自国通貨が下落基調にある中、通貨防衛策を相次いで発表しており、その規制対応に進出企業
は苦慮している。
•
規制の解釈や報告制度等については現場レベルまで周知徹底されているとは言い難く、法制度
の運用面に大きく課題を残している。
2015年10-12月期外国直接投資は高い伸び
•
金融関連規制 例
マレーシアにおける各種規制と日系企業の活動
基礎的指標
日系企業活動に関連する主な規制
投資奨励制度と外資規制 例
国土(千k㎡)
330
人口(百万人)
30.3
1人あたりGDP(USD)
10,803
名目GDP(USD10億)
327
実質GDP成長率(%)
経常収支(USD億)
6.0%
3.1%
失業率(%)
2.9%
外貨準備(USD億)
1,146
通貨 マレーシアリンギット(MYR)
(2/25時点ロイター)
非製造業に於いても緩和傾向にあり、コンビニ、物流、
教育等、一部業種を除けば外資100%による進出可能
•
簡便な資本取引やオンショア市場でのMYRの高い流動
性等、周辺国比緩やかである一方、オフショア市場での
MYR取引は依然禁止されている
•
他の主な規制として以下
但し、ブミプトラ(マレー系マレーシア人)取締役の登用
義務や、マレーシアの民族構成比率に準じた従業員の
民族構成比率が求められる業種もある(流通業等)
•
オフショアでのMYR取引の禁止
•
輸出入代金の相殺、6ヶ月超の輸出代金受取は中銀の
事前許可制
政府の奨励事業や奨励製品に付与される「パイオニア・
ステータス」をはじめ、製造業を中心に各種投資優遇制
度が充実
•
輸出収入以外を原資とする国内外貨建決済の禁止
•
グループ企業以外の非居住者からの外貨建借入は
MYR1億が上限(グループ企業からの調達は制限無し)
2,276
11月の鉱工業生産指数は前年比+1.8%へ鈍化
•
•
•
•
1MYR=
26.69JPY
マクロ経済トピックス
•
製造業は自動車関連を除き、原則外資100%による進
出が可能
151
消費者物価上昇率(%)
対外債務残高(USD億)
•
11月鉱工業生産指数は、10月の同+4.2%
から+1.8%へ減速。製造業が鈍化したことに
加え、鉱業が天然ガス生産の落込みによっ
て10月の同▲1.4%→同▲4.1%へマイナス
幅拡大。主力の電機・電子は好調をキープ。
通貨安による輸出競争力の改善や資源安
によるコスト減の影響を受けやすい業種を
中心に底堅さを保っている。
対応事例
事例1
事例2
•
本邦からマレーシア向け輸出が伸びている中堅・中小製造業には、先ずは販社での進出を計画
する傾向にある。
•
ブミプトラ取締役の登用が販売ライセンス取得の条件とされるが、中には適任者を見つけること
が出来ず、進出を断念するケースもあり。
•
大企業においてマレーシア国内のグループベース借入残高が、取引金融機関の大口貸出規制*
額上限に到達。
(* 1企業グループに対する与信残高は、当概金融機関の資本の25%が上限)
•
オフショア金融機関からの調達を企図するも、オフショア借入制限への抵触も避けられず、資金
調達方法の再考を余儀なくされた。
11月の輸出は前年比+6.3%と減速も堅調維持
•
•
14
金融関連規制 例
11月の輸出金額は急増を示した10月の同
+16.3%からは減速したものの、堅調な伸び
を示した。
日本向けは一進一退の推移が続いている
が、欧米向けやASEAN域内向け、中国向け
ともに底堅さを維持している。
フィリピンにおける各種規制と日系企業の活動
基礎的指標
日系企業活動に関連する主な規制
投資奨励制度と外資規制 例
国土(千k㎡)
300
人口(百万人)
99.9
1人あたりGDP(USD)
2.865
名目GDP(USD10億)
285
実質GDP成長率(%)
127
消費者物価上昇率(%)
4.2%
失業率(%)
6.8%
外貨準備(USD億)
•
外資進出にはネガティブリストによる事業分野規制有り、
小売・サービス業等で規制が多いため注意が必要
•
また、外資による不動産取得にも規制有り
•
15
外貨収入の無い企業は、資金使途制限が有り、中銀登
録等が必要
オフショアからの外貨調達条件も、国内外貨借入同様
インフレ率の低下などを支えに、GDP全体
の7割を占める民間消費が同+6.4%伸びた
ほか、総固定資本形成が加速、政府支出も
高めの伸びを維持した。
国家経済開発庁バリサカン長官は内需の底
堅さによる雇用創出と収入向上、個人消費
の拡大という好循環を生み出し堅調に伸び
たと強調。2016年は成長率+6~7%を予想。
対応事例
事例1
事例2
•
外資による小売店出店時には、現地法人の最低資本金がUSD250百万、1店舗当りの投資額が
USD830千以上等の規制あり。
•
飲食・コンビニエンスストアの大半の日系企業が地場企業とフランチャイズ契約を締結する形で
進出している。
•
フィリピン国内の内販企業の場合、運転資金名目にて親子ローン等オフショアから資金調達する
ことは事実上困難。この場合フィリピン国内の金融機関からPHP建融資を検討するしかない。
•
設立間もない企業や業績が低迷している場合等は銀行借入が困難のためファイナンスは増資に
頼らざるを得ず、増資を続けるあまり、現法子会社の資本金が過大となる事例有り。
11月の貿易収支は▲10億ドルの赤字
•
外貨建借入の場合、返済原資となる外貨収入の有る輸
出型企業については特に規制無し
【為替】
• PHPを外貨に両替するには実需原則有り、エビデンス
を銀行に提示する必要有り
585
10-12月期GDP成長率は前年比+6.3%へ加速
•
【資金調達】
• PHP建借入については特に規制無し
1PHP=
2.362JPY
マクロ経済トピックス
•
•
輸出型の製造業を中心に投資恩典が充実しており、パ
イオニア企業であれば6年間の法人所得税免除等の恩
典あり
721
対外債務残高(USD億)
•
•
6.1%
経常収支(USD億)
通貨 フィリピンペソ(PHP)
(2/25時点ロイター)
•
金融関連規制 例
11月の輸出は、前年比▲1.1%とマイナス幅
は縮小しているものの8ヶ月連続のマイナス。
他方、輸入は消費など内需の底堅さを反映
し、同+10.1%と6ヶ月連続で増加。結果、貿
易収支は▲10億ドルと6ヶ月連続で赤字。
ベトナムにおける各種規制と日系企業の活動
基礎的指標
日系企業活動に関連する主な規制
投資奨励制度と外資規制 例
国土(千k㎡)
332
人口(百万人)
90.7
1人あたりGDP(USD)
2,052
名目GDP(USD10億)
186
実質GDP成長率(%)
6.0
経常収支(USD億)
101
消費者物価上昇率(%)
4.1%
失業率(%)
2.5%
外貨準備(USD億)
対外債務残高(USD億)
通貨 ベトナムドン(VND)
(2/25時点ロイター)
342
2015年の小売売上高は3,243兆ドンと、前
年比+9.9%の増加。前年比鈍化したものの、
インフレ率を勘案した実質ベースの小売売
上の伸びは加速。最低賃金の引上げなどを
背景とする家計の平均所得の上昇が要因。
旧正月商戦の展開も売上高増加の背景。
1月の消費者物価上昇率は3ヶ月連続で加速
•
•
16
進出場所、事業分野によって法人税等の投資恩典あり。 【資金調達】
特にハイテク・教育訓練等は特別奨励分野として厚い
• 借入金は、銀行が第三者宛に直接支払う必要があり、
恩典あり
資金使途を厳格に確認
•
一方、通信・金融・教育・不動産等においては引続き規
制・参入障壁が残る
•
ベトナム国内では、外貨借入規制あり、返済原資となる
外貨を自力で稼ぐ必要有り
•
投資法で定められた267の規制業種以外は、原則外資
100%による進出が可能
•
オフショアからの外貨借入は可能であるが、1年超の場
合は、事前にベトナム国家銀行への登録が必要
•
製造業は外資100%による進出が可能であり、卸売・商
社の進出も2009年1月の規制緩和にて外資100%によ
る認可取得が可能となった
【為替】
• VND⇔外貨の両替のみならず、外貨⇔外貨間の両替
にも実需原則有り、エビデンスを銀行に提示する必要が
ある
491
2015年の小売売上高は前年比+9.9%の増加
•
•
1VND=
0.005JPY
マクロ経済トピックス
•
金融関連規制 例
1月の消費者物価上昇率は、前年比+0.8%
と3ヶ月連続で加速。原油価格の下落に伴う
タクシー料金の値下げなどの交通(同
▲7.7%)の下落により前年比低水準が続く。
2016年の物価は、授業料や医療費の引上
げに加え、最低賃金の上昇、電気料金の値
上げなどの要因が物価上昇に影響する見込。
対応事例
事例1
事例2
•
税務署、国家銀行、計画投資局(外資系企業ライセンス認可当局)等は、外資系企業が進出した
市・省の出先機関が対応するが、出先機関や担当者毎により法律・政令・通達等の解釈・対応が
異なる(歪曲して解釈している)事例が散見される。
•
企業単独で問題解決できない場合には、同じ工業団地に進出している企業と連名にて工業団地
運営会社に働きかけを要請したり、日本人商工会・大使館等を巻き込んで適正な運営を求める
等の対応が必要。
•
ベトナム国家銀行は、VND対USDのみクローリングペッグ制という管理相場を採用。実勢相場に
てVND安USD高が進行した場合、二重相場が発生し、市場にてVNDからUSDに両替できない
事象が発生する。
•
この場合、外貨による輸入サイドの決済が必要なベトナム企業は、エビデンス通貨をJPYに切り
替える等の対応が必要になる。
ASEANにおけるMUFGネットワーク
各拠点の特徴と強み
ASEANにおけるネットワーク
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ご留意事項
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