平成 27 年 10 月 2 日 労働委員会事 務局 不当労働行為救済申立てに対する命令書(写し)の交付について 広島県労働委員会は,平成 27 年 10 月 2 日,広労委平成26年(不)第3・5号山陽測器事件について, 労働組合法第 27 条の 12 第 3 項の規定により,命令書(写し)を当事者に交付しました。 1 当事者 申立人:広島連帯ユニオン(広島市安佐南区) 2 申立ての経緯・概要 被申立人:株式会社山陽測器(広島市西区) 被申立人会社は,A組合員の解雇(解雇日は半年程度猶予)及び決算賞与の不支給を決定した。翌日, A組合員は,被申立人会社から解雇が決定したこと,解雇日は半年程度猶予することを告げられた ため,申立人組合に加入した。 (1) 3 号事件(H26.5.28 申立て) 申立人組合は,組合員通知及び団交申入れを行ったが,被申立人会社は,組合員通知の日に,役員 で今後の対応を協議し,A組合員を呼び出して面談を実施することを決定した。面談において, 「ま あ印象としてタチ悪いね。 」 「ありゃ,ちょっと。 」など組合の悪印象に係る発言や, 「交渉とかになる と参加せんのじゃろ。 」 , 「会社での色んな事の悪口を話してもええわけね。 」等団交に係る発言をした。 当該面談は組合離反を図ったものであり,支配介入(労組法 7 条 3 号)に該当する。 (2) 5 号事件(H26.8.18 申立て) 被申立人会社は,A組合員の組合加入後,第 1 回団交において,解雇日の半年猶予を変更し,解雇 日を前倒しして確定させる発言をした。第 2 回団交において,被申立人会社は,A組合員の解雇を 撤回したが,解雇撤回後も決算賞与を本来の支給日に支給せず,その後に支給したが,支給額は昨年 度の半額であった。 被申立人会社が当初決算賞与を不支給としたこと及びその後の支給額を半額としたことはA組合 員の組合加入に対する報復的措置であり,不利益取扱い(労組法 7 条 1 号)に該当する。 3 請求する救済内容の要旨 (1) 面談での組合に対する誹謗・中傷等の謝罪及び今後不当労働行為は行わない旨の誓約書の交付 (2) 決算賞与の全額支給 4 命令主文 (1) 被申立人株式会社山陽測器は,本命令書受領の日から 2 週間以内に,次の文書(平成 26 年 3 月 25 日に実施した面談における言動は,広島県労働委員会において,労働組合法第 7 条第 3 号に該当 する不当労働行為であると認定されました。今後,このような行為を繰り返さないようにします。 ) を申立人広島連帯ユニオンに交付しなければならない。 (2) 被申立人株式会社山陽測器は,平成 26 年 5 月 30 日に支給した 11 万円の決算賞与について,少な くとも 19 万 8 千円(平成 25 年 4 月支給以前の過去 5 年間の平均額)を超える額を支給することとし, 支給済額との差額を本命令書受領の日から 30 日以内にA組合員に支払わなければならない。 5 判断の要旨 (1) 3 号事件 組合員通知でA組合員が組合員であること及び組合が雇用条件等を交渉することが記載されており, 組合と協議することなくA組合員 1 人に面談を実施したことが正当化できるものではないこと,面談 で組合の悪印象を強調する発言や威圧的な発言が認められること,面談実施後も威圧的な発言が認め られることから,当該面談は組合離反を図って実施されたものであり,支配介入に当たる。 (2) 5 号事件 決算賞与の不支給が,会社における過去の事例と比べて均衡を失していること,組合加入告知後に 解雇日の半年猶予を変更して解雇日を前倒しして確定させたこと,解雇撤回後も不支給を撤回しなか ったこと,その後に支給した額が他の社員と比べて しく 額であることから,不当労働行為 が 認められるため,不利益取扱いに当たる。 著 低 意思
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