自閉症療育者のための トレーニングセミナー 自閉症という障害名が世間に認知されるようにな り、昨今ではさまざまなメディアが取り上げたり当 事者の著書が沢山販売されています。ですがその対 応は非常に分かりにくく、また難しい障害であるた め、多くの療育者が苦慮されています。 そこで、本号では神奈川県自閉症児・者親の会連 合会が実施している「自閉症療育者のためのトレー ニングセミナー」について紹介します。 神奈川県自閉症児・者親の会連合会は、療育者に自 今月は ⇨ 神奈川県自閉症児・者親の会連合会 がお伝えします! 1968年4月設立。県内11地区(横浜市・川崎市を除く) の自閉症児・者親の会による連合会です。行政施策の研 究・提言、当事者・家族のためのミーティング運営、療育 者等に向けた勉強・セミナー運営等、自閉症児・者と家族 の支援や、自閉症スペクトラムの理解を進めるための活動 を各市町村及び県に向けて展開しています。 〈連絡先〉E-mail:[email protected] URL: http://kas-yamabiko.jpn.org/ 閉症の人たち一人ひとりに対応するための療育技術の ❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖ 習得と、その理論を学んでいただくことを目的に、 動」(4日目)。最終日 「TEACCH(自閉症のための援助プログラム)」におけ は余暇活動の実習を行 る初任者トレーニングをモデルにした療育者訓練プロ うとともに、実習最後 グラム(自閉症のモデル児・者の協力を得て、関わり にはモデル児・者によ 方の体験実習を伴う)による5日間の実践実技研修会 る流れ作業の共同作業 を開催し、今年で18回目を迎えます。 場面が実現されます。 ❖ 自閉症に関する深い理解と個々に 対応した支援を学ぶプログラム そして最終日(5日目) グループで日々の課題に取り組む は、セミナーのまとめとして「明日からの支援のため に」の講義です。 第1日目は「TEACCHプログラムの紹介と解説」 「自 セミナーの全課程を受講された方に「修了証書」を渡 閉症の学習スタイル(特性) 」 「構造化された指導」の講 していますが、17回で延べ422名の方が当セミナーを受 義と、協力してくださるモデル児・者の親御さんからの 講しています。 プレゼンテーション「ペアレンツトーク」を行います。 当研修での5日間の開催は、日本でも当会と佐賀県 親御さんのお子さんを育てる中でのさまざまな思いはこ のプログラムのみとなり、さらに親の会が開催する5 れからの研修に向かう意欲の一つのきっかけとなります。 Days はここ神奈川のセミナーだけとのことです。 2日目からは実習が始まり、受講生は5人のチーム 子どもたちの幸せを願う気持ちがこれまで17回もの (5日間同じメンバーで活動)で、役割分担(日ごとに 開催に至っている所以です。 役割を交代)をして、日々の課題に取り組み、日ごと ディレクター及び副ディレクター、講師、トレーナー に違うモデルに接し、違うトレーナーの指導を受ける の先生方、アシスタントの皆様、協力ご家族、更に協力 というシステムになっています。 児者の代役として待機してくださったご家族、ボラン 実習後には、グループで振り返りを行い、まとめ、 ティアの方々、ご後援いただきました諸団体、そして 全体ディスカッションでグループごとにその日の活動 準備も含めて6日間で延べ120名にも達する地区会員 を 発 表 し 合 い、 各 グ のお手伝いの皆様と作り上げていく事業です。 ループの実践を共有し ます。最後に、次の日 課題内容は「コミュニケーション」 (2日目)、 「自立 ■自閉症療育者のためのトレーニングセミナー 初日講義のみ公開講座。多くの人に自閉症についての基礎知 識を学んでいただけます。 日時:平成27年8月1日(土)10時15分∼17時45分 会場:ウィリング横浜 内容:TEACCH プログラムの紹介と解説ほか 詳細については下記URLをご覧ください。 支援と生活場面の構造化」 (3日目)、 「余暇と社会的活 URL http://kas-yamabiko.jpn.org/doc/kk2015.pdf の課題についての講義 があり、次の日の実習 へとつながっていきま す。 モデルと接し自閉症の特性を理解する 第763号 福祉タイムズ 2015.6.15 8
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