2015-5号 - 四国学院大学

「神さまは存在しますか」
(2015 年 4 月 28 日のチャペル・トークから)
清水 幸一(総合教育研究センター教授)
新入生や学生のみなさん 神は存在すると思われますか。神さまがいることを心の底から信じてい
る人はいます。別に、キリスト教の神だけでなく、世界中の多くの人たちは、いろいろな神さまの存在
を信じていることは、間違いない事実です。
しかし、世の中には 「神なんているはずがない」と言い切る人がいることも事実です。
神の存在を証明する科学的な根拠は、いまのところ発見されていません。ですから、「神は存在す
る」と言い切るのは、非科学的です。しかし、神が存在しないことを 証明する科学的な根拠も発
見されていないことも事実です。「神は存在しない」と言い切るのも 科学的ではありません。証拠が
ないというだけでは、存在しないことの根拠にはならないからです。だから、いまの段階、最も科学的
に正解に近い答えは、神が存在するかどうかは、わからないということになるのではないかと私は思っ
ています。
神さまの存在は 目で見たり、手でさわったり、あるいは耳で聴いたりはできません。
もし神がいるとしても、私たちは、神さまを直接知ることが難しいと思います。「私は神を見た」「私は
神と話した」と言い張る人もいますが、そういった人たちはごく少数であって、大多数の人はそういった
経験をすることはないと思います。
神さまとの出会いを「宗教体験」と呼びますが、この宗教体験には、速いものと遅いものがありま
す。「速い宗教体験」とは、神と直接話し、神の意志を感じ取るといったある種の特異な体験のこと
です。これに対して、「遅い宗教体験」とは、何か月も何年もかかって、あとで人生を振り返った時
に、「これが神さまの導きだったのか」という心境になることをさします。ふと人生を振り返ると、そこにひ
とつのストーリーがあったように感じる。そこに神さまの導きがあったように思える体験です。
そう考えていくと、神さまを信じるとはどういうことでしょうか。私の言葉で整理すると神さまを信じて
いる人とは、「自分の人生の物語が、何者かの見えない手によって 導かれているのではないか」と
思っている人のことであり、また、これからも、自分自身の人生が、何者かによって、よい方向に導い
てくださるということを心から信じることではないかと思います。私たちの人生、トラブルに直面したとき、
神さまが直接手を下して助けてくれるということはほとんどないかもしれません。しかし、長い目で見れ
ば、そのトラブルにも意味があったと受けとめることが、信仰ではないかと思っています。したがって、新
入生のみなさんが、この大学へ入学されたこともまた、これからこの大学で学ばれることもすべて、神
さまのご計画であると思います。
2015 年度の授業がスタートしました。私たちの大学では創立以来、このチャペル・アワーは続けら
れています。チャペル・アワーのひと時が、神さまに祝された場所であることに気づくために、ぜひ、出席
して欲しいと心から望んでいます。このチャペル・アワーで、神さまは、手を拡げて笑顔で迎えて下さっ
ています。そして、この場所で休んで良いよ、と言って下さっています。みなさん チャペル・アワーで、
神さまと出会って下さい。
チャペルヘの招き
2015 年 6 月 8 日
№451(2015-5 号)
疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。
(マタイによる福音書11:28)
四国学院大学
宗教センター
www.sg-u.ac.jp
メールアドレス [email protected]
宗教委員長
宗教センタースタッフ
金珍熙
嶋田美紀
時間 10:45~11:05a.m.
場所 清泉礼拝堂
総合教育研究センター週間
6月8日(月)
担 当 山崎晶(総合教育研究センター准教授)
題 目 社会における支えあい
聖 書 コリント信徒への手紙一12:14-20
マイノリティ・ウィーク
讃美歌
Ⅱ-179
6月15日(月)
担 当 末吉高明(本学学長)
題 目 茨の冠
聖 書 マルコによる福音書15:16-20
讃美歌 21-462
奏
新宮久子(本学非常勤講師)
奏
楽
6月9日(火)
担 当 杉本孝作(本学副学長)
題 目 科学とキリスト教
聖 書 コリント信徒への手紙一12:14-20
讃美歌 Ⅱ-179
奏 楽 野町太郎
楽
新宮久子(本学非常勤講師)
讃美歌
21-462
奏
野町太郎
★行政からの支援を頼りとしていた住民が大変身したお話。自分の利益を求める生き方
から他を思いやる生き方へ
六車治(総合教育研究センター教授)
楽
Ⅱ-179
奏
野町太郎
讃美歌
21-462
奏
野町太郎
楽
6月11日(木)
担 当 六車治(総合教育研究センター教授)
題 目 夢の種を蒔こう
聖 書 コリント信徒への手紙一12:14-20
6月18日(木)
担 当 片岡信之(社会福祉学部准教授)
題 目 私が精神保健福祉士になった訳
聖 書 箴言20:24
讃美歌
Ⅱ-179
讃美歌
21-462
奏
野町太郎
奏
野町太郎
楽
楽
6月12日(金)
担 当 藤本駿(総合教育研究センター助教)
題 目 学び続ける力
聖 書 コリント信徒への手紙一12:14-20
6月19日(金)
担 当 金永子(社会福祉学部長)
題 目 朝鮮の衡平運動
聖 書 ローマの信徒への手紙2:11
讃美歌
奏 楽
讃美歌
奏 楽
Ⅱ-179
野町太郎
★科学とキリスト教?そんなの関係するの?大いに関係するのです。総研センター週間の
はじまり、はじまりぃ~!
杉本孝作(本学副学長)
★「望んだ結果ではなかったけれど最善の結果だった」と気づくことができた高校 1 年生の
女の子のお話です。
笹井香(総合教育研究センター准教授)
讃美歌
楽
★生活に欠かせない存在について考えてみましょう。例えばどんなものがあげられるでしょう
か?
山崎晶(総合教育研究センター准教授)
6月16日(火)
担 当 富島喜揮(社会福祉学部教授)
題 目 可能性を信じる
聖 書 マタイによる福音書7:7-8
6月17日(水)
担 当 和田献一
(日本基督教団関東教区常置委員)
題 目 平和をつくりだす人
聖 書 マタイによる福音書5:9
イザヤ書32:16-18
6月10日(水)
担 当 笹井香(総合教育研究センター准教授)
題 目 理にかなった努力と最善の結果
聖 書 コリント信徒への手紙一12:14-20
★☆チャペルアワー担当者からのメッセージ☆★
21-462
野町太郎
★「学び続ける力」とは何か、どのように学んでいけばいいのか考えてみたいと思います。
藤本駿(総合教育研究センター助教)
★過去のどこかに、君は何かを置き忘れていないのか。歴史を忘却する者は、同じ過ちを
繰り返す、おそらく、 少し違った形で。
末吉高明(本学学長)
★人は誰でも変る可能性を秘めています。自分を信じ、何事にも挑戦してみてください。
富島喜揮(社会福祉学部教授)
★70 年前に日本軍が侵略したフィリピン・ルソン島北部山岳地域で、「日本はまた侵略して
くるのか」と若者に聞かれた。
和田献一(日本基督教団関東教区常置委員)
★社会福祉とは縁のない世界にいた私が、精神保健福祉士を志すきっかけとなったアメリカ
留学中の出来事についてお話ししたいと思います。
片岡信之(社会福祉学部准教授)
★第 1 回マイノリティ・ウィークが 1995 年に開催され、今年で 21 回目。チャペルでは、朝鮮
の被差別民・白丁(ペクチョン)の解放運動である衡平運動を振り返ります。
金永子(社会福祉学部長)