「商品セグメント」で「固定収益に貢献する商品」がすぐわかる! 「あなたの会社の主力商品は何か?」。この質問にたいして,あなたは即答できるで あろうか?「売上が一番大きい商品です」 。 「粗利が一番高い商品と思う」。 「当社が開発 した社長が一押しの商品に違いない」。この質問も即答が難しいのではないだろうか。 結論的にいえば,固定収益会計の場合は固定客の利益を最大化することが求められるた め,「もっとも固定客の収益に寄与する商品が主力商品」と位置づけて良いだろう。た とえば,図表Ⅲ-14の事例をみてみると,顧客セグメントの「固定客」と,商品セグ メント「商品 A」の交点である 65 という数字が,もっとも固定客の売上総利益にプラ スの影響を与えていることがわかる。この場合は,商品 A が主力商品ということになる。 同時に, 「新規客」と商品セグメント「商品 C」の交点である 30 という数字にも着目し たい。固定客予備軍としての新規客は重要な存在であり,その新規客に訴求するものが 商品 C であることがわかる。商品 C を第二の主力として育成していくべきであろう。営 業などが感覚的にわかっていることでも,このように顧客セグメントと商品セグメント をもちいて,固定収益会計のオリジナル・フォームから主力商品を分析することが重要 である。 商品セグメントには,目に見えるものに限らず,コンサルティングなど「サービス」 も商品に含まれる。一般的には,商品は種類別にセグメント分けされる。たとえばコン ピューター製造会社であれば,スマートフォン,タブレット端末,ノートパソコン,デ スクトップ・パソコン,スーパー・コンピューター,サーバー,コンサルティング,そ の他,などの商品がカテゴリー分けされるであろう。ただし,セグメントの基準につい ては顧客セグメントと同様,方程式は存在しない。それぞれの企業の業種,形態,状況 などを鑑み,個別にセグメント分けしなくてはならないのである。 図表Ⅲ-14 主力商品は何か? -オリジナル・フォームをもちいて- 合計 売上高 商品A 商品B 商品C 合計 売上原価 売上総利益 セグメント個別変動費 限界利益 セグメント個別固定費 貢献利益 セグメント共通固定費 営業利益 固定営業利益 新規客 105 30 65 200 120 80 13 67 17 50 12 38 3 20 20 30 70 50 20 4 16 5 11 3 非固定客 20 5 10 35 20 15 3 12 5 7 3 固定客 65 5 25 95 50 45 5 40 5 35 3 離反客 0 0 0 0 0 0 1 -1 2 -3 3 =固定客の売上総利益-すべての変動費-すべての固定費
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