・「顧客セグメント」で「固定客」がすぐわかる! 「あなたの会社にとって,大切な顧客とは何ですか?」。このシンプルな質問に,あ なたは即答できるであろうか。「すべての顧客が大切です」。「売上が一番大きい顧客」。 「長期間の取引をしている顧客」。いろいろな回答が想定できるが,あなたは即答する ことが出来たであろうか。この質問への即答も,意外と難しいことがわかる。すべての 顧客に誠意をもって対応することは当然であるが,会社は限られた人・物・金という経 営資源のなかで,選択・集中して対応すべき顧客が限られていることも現実である。固 定収益会計の導入は,顧客のセグメント分けから,すべてがスタートする。つまり,い くつかの条件から顧客を分類することが,固定収益会計のスタート地点なのである。ま ず条件としては,取引年数・売上・売上頻度・利益(率),などが代表的な指標として 考えられる。しかしながら,これらの条件に方程式は存在しない。それぞれの会社,業 種,取り巻く経済状況などにあわせて,自由自在に条件は設定できる。 固定収益会計における顧客の分類は,新規客・固定客・非固定客・離反客の 4 つにセ グメント分けされる。固定収益会計を考案した鈴木研一博士は,固定収益会計における 顧客セグメントを以下のように定義している。 ・新規客: 一定の会計期間のなかで新たに取引が始まった顧客。 ・固定客: 一定の取引関係の高い顧客。 ・非固定客: 一定の取引関係の継続性が低い顧客。 ・離反客: 取引関係が著しく低下もしくは取引が無い顧客。 図表Ⅲ-8 「顧客セグメントのイメージ」 少ない← 取引数 →多い ← 高 い 新規客 固定客 離反客 非固定客 → 取 引 高 低 い
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