明日からすぐできる外傷の処置 スポーツ現場においてはいつどこでどんな怪我が起こるかわかりません。そして起こるときはどんなに気を 付けていても怪我はしてしまうものです。怪我をしたその瞬間!どんな処置をしたかによって怪我の治り方 は嘘のように変わってきます。 つい2週間前のことです。海浜小学校で行われたアローズカップの試合中、選手が1人怪我をして立ち上 がれなくなってしまいました。おせっかいな私は相手チームのベンチに入り対応させてもらったところ、1 時間後の試合にはケロッとした顔をして出場し走り回っていました。この時改めて怪我の初期段階の処置の 重要性を認識するとともに、子どもの回復力の速さに驚かされました。選手も指導者も保護者の方もこれを 見れば明日からすぐに出来るようになります!!選手は自分の身体を守るため、1日でも早く競技に復帰す るために。指導者、保護者の皆さんは子どもたちを守るためにぜひ覚えてください!! どんなスポーツ、どんな現場でも一緒「RICE処置」 スポーツの現場で怪我が起こってしまった時、それがサッカーでも野球でもバスケットでも陸上でも、最初 の処置は実はほとんど変わりません。それが「RICE処置」です。 Rest 安静にする 競技を中断し痛めたところを動かさないようにしましょう。無理に動かすと炎症が進んで痛みが強くなりま す。 Ice(icinng) 冷やす 痛めた場所を冷やします。アイシングに一番適しているのは「氷」です。これから暑くなっていくので選手 1人 1 人が水を凍らしたペットボトルを持っているとすぐに対応できます。コールドスプレーが現場でよく 使われていますが、皮ふを冷やしているだけなので使い方によってはほとんど意味はないでしょう。 Compression 圧迫する 圧迫します。ギュッと。 Elevasion 挙上する(もちあげる) 心臓より高い位置に患部を持ち上げます。こうすることで患部に血液が集まりにくくなり炎症を抑えること が出来ます。 やっていることはたった4つだけ!これだけで明日怪我をしてもすぐに対応できます。 正しいアイシングの仕方 「怪我をしたときは冷やす」理由はわからなくてもやっている人は多いと思いますが、 正しくできていますか? アイシングの効果はしっかり深部まで冷やさないと効果が得られません。 冷たいのが嫌だからといって途中で患部から氷を離してしまう人が多くいるようです。 アイシングの目安は時間にすると15分~20分といわれています。 感覚の変化はアイシングを始めてから 「冷たい→痛い→熱い→感覚が無くなる」 冷やしているのに熱くなるのか?思うでしょうが、やってみれば分かります。「灼熱感」といって熱さに似たよ うな感覚があります。 先ほどの「RICE処置」と合わせて確認していきましょう。 よくある足首の捻挫が起こったとしましょう。 ポリ袋に入れた氷を患部に直接当てます。圧迫するものはラップでもタオルでも構いません。圧迫しすぎると血 流障害を起こすので、怪我をした本人に締め付け具合を確認しながら徐々に圧迫していきましょう。 爪が白くなるほど圧迫してしまうのは危険です。 患部から心臓へ坂道を作ってあげます。これが挙上状態です。こうすることによって圧迫と共に炎症を最低限に 抑えることが出来ます。 よくある間違えがこちら。ひざから下が曲がってしまい、心臓に向かって上り坂になってしまっています。これ では挙上していることにはならず、RICE処置の効果が薄れてしまいます。 いかがでしょうか?スポーツの現場では広く普及しているRICE処置ですが、細かくみていくと注意点やポイ ントがいくつかあります。本当は怪我をしないことが1番いいことですが、スポーツに怪我はつき物です。怪我 をしても正しく処置すれば長く痛みが続くことは稀です。怪我をしてボールに触れないのが選手にとってはとて も辛いことです。私も高校生の時に腰を怪我して半年ボールに触れませんでした。そんな辛い思いを今の選手の 皆さんにはしてほしくありません!しっかり怪我のケアをして元気にボールを追いかけましょう!!
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